ローカルと共にモンタナを遊び尽くす、10日間の旅・part 2
PEAKS 編集部
- 2021年11月23日
小樽のガイドカンパニー「ノルテ」に集うハードコアなバックカントリースキーヤーたちがアメリカ・モンタナのアウトドア文化を堪能した旅のレポート。まずは足慣らしにローカルスキー場、ブリッジャーボウル・スキーリゾートを訪れた。
文◉立本明広 Text by A.Tachimoto
写真◉ノルテ Photo by NORTE
出典◉WHITE MOUNTAIN 2020
>>>Part 1はこちらから
DAY 1:Bridger Bowl Ski Resort
ローカルスキー場といっても、日本国内であれば最大規模のスキー場に引けを取らないくらい規模がデカい。サドルピークと呼ばれる頂きを中心に、南北に伸びる標高3000mほどのリッジラインからスキー場のベースまで標高差は約1000m。ビギナーからエキスパートまですべてのレベルのスキーヤー・スノーボーダーが存分に楽しめるスキー場だ。
とくにリッジライン直下にはダブルブラックダイヤモンド(※コースの難易度)のエキスパートオンリーの激辛スロープやクーロワールが多く、脚前自慢たちの虎の穴的なエリアになっている。我々もバーニーとデイブ自慢のプレイグラウンドに連れられ、足慣らしというよりはガッツリ脚を鍛えさせられる初日になってしまった(笑)。
DAY 2-4 : Big Belt Hut
いよいよ今日からスキーツーリング開始。ボーズマンから北へ約150㎞のビッグベルトマウンテンを目指す。
ハイウェイを2時間半、脇道に入り雪が多くなって来た場所に車を停めた。そこからスノーモービルにトーイングされ約1時間。さらに林道の終点からは、3日分の食料などを各自のバックパックとソリに分散して、針葉樹林帯を2時間ほどハイクすると、突然森がパッと開け、手づくり感満載の山小屋が現れた。そこが我々のベースキャンプとなるビッグベルトハットであった。
この山小屋は管理者に事前に申請すればだれでも利用できるシステムで、大きな薪ストーブに最大12名まで就寝可能なバンクベッドとマットレス、ソーラーセルシステム、プロパンガスコンロ、調理用の鍋や食器類と、必要なものはひと通りなんでも揃っている。利用者は食料とシュラフを持ち込めば快適に山小屋ライフを送ることができるのだ。もちろんお気に入りのアルコールは各自必携となる。
周辺には風向きやスノーコンディション次第でチョイスできるスロープが点在し、このハットをベースに日帰り装備でバックカントリーを堪能できるのがなによりの魅力。当初はこの快適な山小屋に3連泊する予定だったが、滞在最終日の天候がイマイチという予報が出ていたため、予定よりも1日早く下山し、次のエリアに移動することにした。
DAY 5-8 : Cooke City via Chico Hot Springs
次に我々が向かったのはボーズマンから南東方向に走ること220㎞、イエローストーン国立公園との境界にある小さな街、クックシティだ。ビッグベルトハットから下山して車で南下、ボーズマンを素通りしてクックシティを目指すのだが、移動距離が長く時間がかかりすぎるため、途中の温泉地で1泊することになった。
この温泉地はチコ・ホットスプリングスという場所。標高2〜3000mの山々に囲まれた、広い谷間の山の麓にひっそりと佇む、とても美しい温泉リゾートであった。バーニーとデイブが「いい場所だぞ!」と口を揃えてオススメしてくれただけに、大満足のすばらしい滞在を提供してくれた。なにより我々日本人にとって温泉という響きほど魅力的なものはない。
>>>Part 3につづく
Profile
立本明広 たちもと・あきひろ
1969年埼玉県生まれ。北海道小樽でガイドオフィス「ノルテ」を主宰。グリーンランド、インドヒマラヤ、アリューシャン列島を始め、世界のフィールドを舞台に活動する山岳ガイド。第51次南極観測隊にも参加。
※この記事はWHITE MOUNTAIN 2020からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっています。
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文◉立本明広 Text by A.Tachimoto
写真◉ノルテ Photo by NORTE
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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