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ローカルと共にモンタナを遊び尽くす、10日間の旅・part 3

小樽のガイドカンパニー「ノルテ」に集まったスキーヤーたちがアメリカ・モンタナを旅した10日間の記録。旅の後半は、イエローストーンに温泉。そしてバックカントリーへ。

>>> Part 2はこちらから

ローカルと共にモンタナを遊び尽くす、10日間の旅・part 2

ローカルと共にモンタナを遊び尽くす、10日間の旅・part 2

2021年11月23日

文◉立本明広 Text by A.Tachimoto
写真◉ノルテ Photo by NORTE
出典◉WHITE MOUNTAIN 2020

無風快晴、前日の降雪によるグッドコンディションの1日。

120年以上続く伝統ある温泉地、チコ・ホットスプリングス。

翌日はイエローストーン国立公園内を経由しクックシティへ向かう。ここまでの道のりもモンタナらしい雄大な景色を楽しみながら、気持ちよくドライブしてきたのだが、イエローストーン国立公園のゲートをくぐった途端、さらに自然が色濃くなった。バイソンの群れやコヨーテなどの野生動物の姿があちらこちらで見られるようになって興奮する。絶景&動物観察ポイントが目白押しで、国立公園ならではの大自然の景色にみんなで盛り上がりながらドライブを楽しんだ。

絶景ポイントに立つキャビン。
冬季間はここで行き止まり、クックシティのメインストリート。

やがて国立公園出口と書かれた標識を通りすぎ、標高が上がりはじめると同時に道路の雪も多くなってきた。しばらく走ると道は行き止まりになり、そこにいかにもウエスタン的なバーやレストラン、モーテルが並ぶ小さな街があった。そこがクックシティだった。

開拓時代の雰囲気が残るサルーン(バー)。
店内の雰囲気もザ・アメリカン。
肉のデカさもアメリカンサイズ。

クックシティのロッジにチェックインしたのち、早速近くの裏山へ出かけた。風雪が次第に強くなり気温も下がり始め、スキー日和とはいえないが、明日以降のスノーコンディションを考えるとこの降雪はありがたい。2時間ほどのハイクアップのあと、1本だけスキーダウンしてロッジに戻る。

スノーモービルの聖地でもあるクックシティは、レンタルスノーモービルも豊富だ。

* * *

翌朝、カーテンの隙間から朝の光が差し込んでくる。無風快晴。この日を待っていた!!

イエローストーン国立公園の雄大な景色を楽しみながらハイクアップ。

焦る気持ちを抑えながら、ロッジのキッチンで手早く朝食を作り、身支度を整えて、玄関でスキーブーツを履き、いざ出発。車通りのほぼないストリートを渡れば、すぐにトレイルヘッドというアプローチの良さ。

シールで林道を1時間ほど歩くと、広く開けた谷のボトムに出た。谷の両サイドには気持ちよさそうなスロープだらけ!最高の天候のなか、日射の影響が気になる南向きの斜面を避け、まずは影響の少ない北東斜面を1本滑ることにした。

日本ではなかなか経験することのない山火事の森のツリーラン。

この1本目のスロープは、日本ではまず見ることのない山火事によって立ち枯れた針葉樹の森。我々にとってはとても新鮮で独特な雰囲気だ。モンタナを含め北米全体が抱える森林火災の問題はいったん横に置いておき、幻想的な風景のなかリッジラインまでハイクアップし、ひとしきり山々の景色を楽しんだあと、ドロップイン。昨日の降雪のおかげで最高のパウダーランでこの日のスタートを切った。

前日の降雪が最高のパウダーランを演出してくれた。

気を良くした我々は、今度は谷を詰めてさらに奥を目指そうということになった。谷に生える樹木の1本1本が日本よりも大きく、若干スケール感を狂わされたこともあり、目指すコルまでは予想より時間がかかってしまったが、苦労して登って来たコルからの眺望はまさに絶景。100mほど離れた雪上には一匹のコヨーテがいた。ときおりこちらを見ながらのんびりと散歩でもしているようだ。

日射の影響を考えながらオープンバーンを目指す。
枝葉がないのでツリーホールもなく滑りやすい

風もなく暖かな日差しの下、遅めのランチをゆっくりと楽しみ、再び登ってきた谷へと滑り込んだ。

すばらしい天候に恵まれた1日の終わり

そして、この日最後のデザートラン。1本目に滑った立ち枯れのツリーランをおかわりして、トレイルヘッドに戻って来たのはだいぶ日が傾いて来たころ。日焼けしたみんなの顔が夕日に照らされてさらに赤く見える。

若いながらも、豊富な知識とガイド経験を持つボーズマン在住のローカルガイド、デイブ・サンドナス(右)
快適なロッジでビールが進み、話がはずむ。

ロッジに戻り、笑顔でグラスを傾けている参加者一人ひとりの顔を見回すと、だれもがとても満足そうな表情で、今日1日を振り返って談笑している。ボクにはそれがとても嬉しく印象的で、遠くモンタナにまで来た甲斐があったと思える、幸せな瞬間だった。

 

この“テイスト・オブ・モンタナ”ツアーを現地で完璧にコーディネイトしてくれたバーニーとデイブをはじめとするベリンギアクルー。彼らのホスピタリティはすばらしく、滞在中は参加者のみんながハッピーにすごせるように、いつも気を使ってくれた。さらに参加者のみんなも、あらゆることを楽しもうと積極的にボクらに協力してくれた。そしてノリさんとボーズマン・ローカルとの強い信頼関係、これらすべてが今回のトリップを成功させ最高の思い出にしてくれたのだ。

みんなに感謝の気持ちでいっぱいだ、ほんとうにありがとう!!

ボクたちがモンタナから日本に帰国した直後、コロナの影響で次々とアメリカのハブ空港が閉鎖され、ほどなくしてアメリカへの渡航が禁止されてしまった。現在も引き続きアメリカをはじめ諸外国に気軽に行けるような状況ではないが、また以前のように行き来できる日が来ることを願わずにいられない。

Profile

立本明広 たちもと・あきひろ

1969年埼玉県生まれ。北海道小樽でガイドオフィス「ノルテ」を主宰。グリーンランド、インドヒマラヤ、アリューシャン列島を始め、世界のフィールドを舞台に活動する山岳ガイド。第51次南極観測隊にも参加。

※この記事はWHITE MOUNTAIN 2020からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっています。

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PROFILE

PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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