天城山|冬こそ登りたい山旅ルートガイド・後編
- 2021年11月25日
前編に引き続き、天城山のコースポイントガイドを紹介する。天城山は、標高1400mあまりで、気候が温暖なので、雪は降っても溶けてしまい、冬でも積雪がないこともある。例年、積雪の可能性があるのは1月〜3月上旬前後。ただし、溶けた後も凍結や圧雪が残ることがあるので、万一に備えてアイゼンやストックを用意したい。また、2〜3月はドカ雪が降ることもある。稜線にはブナ原生林が茂り、4月下旬〜5月下旬ごろの新緑と11月上旬〜中旬ごろの紅葉はみごと。一番人気のシャクナゲは例年5月半ば〜下旬が見ごろだが、年によって当たり外れがあり、花期も前後する。満開の花に出会いたければ開花情報を確かめてから出かけよう。
>>>前編はこちら
天城山コースポイントガイド
天城縦走登山口〜万二郎岳
天城縦走登山口バス停の西側に登山道の入口がある。「天城縦走登山口」と記された標柱や案内看板、左手に帰りのバス停などがある。
四辻は名前に反して三差路になっている。時計回りの本コースは左へ入り、万二郎岳を目指す。右の涸沢分岐点方面は帰りに通る道だ。
四辻から少しの間は平坦な道が続く。周囲は落葉樹を主とした林で、シャクナゲのころはトウゴクミツバツツジなども咲く。
やがて、浅い谷に沿って、岩混じりの道を登るようになる。谷はほとんど水がないことが多いが、周囲は苔むして山深さを感じる。
斜面をトラバース気味に登ると、崩壊地跡を横切る。登山口から万二郎岳の間で唯一、開けて明るいところだ。この先で急斜面になる。
万二郎岳直下の急斜面に入ると木々の丈が低くなる。ジグザグの登りや丸太階段も出てくるが、整備され、歩きやすい道が続く。
万三郎岳〜涸沢分岐点
万三郎岳山頂から西へしばらく進むと、天城峠への縦走路と涸沢分岐点への道が分かれる。地図入りの新しい指導標があり、心強い。
分岐を右へ入り、涸沢分岐点へ向かうと、少しの間、枝尾根上を歩く。一帯はみごとなブナの原生林が目を楽しませてくれる。
やがて指導標に従い、枝尾根を右へそれて、北側斜面へ下る。すぐ急斜面の下りとなるが、丸太階段などが整備されている。
丸太階段もある急下降は30分ほど続く。足場はしっかりしているが、急なので、つまずいたりしないよう、焦らず、慎重に下ろう。
急下降が終わると斜面を東へトラバースするようになる。急斜面からは解放されるが、岩がゴロゴロしたところなどもある。
帰りのトラバース道は、曲がりくねっているうえ、展望がなく、現在地を確認しづらい。涸沢分岐点の案内図で現在地を確認しよう。
※この記事は「PEAKS特別編集 冬こそ登りたい山詳細ルートガイド」(2018年10月刊行)からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっています。
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