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アイスアックス 選び方のポイントをチェック

雪山登山を象徴する道具のひとつ、アイスアックス。各パーツの名称と使い方から、選び方のポイントまで、ここでは詳しく解説する。

文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
写真◉アラタジュン Photo by Jun Arata
出典◉PEAKS 2019年12月号 No.120

アイスアックスの選び方

一般的にサイズはヘッドを持って腕を下ろしたときにピックがカカトに当たる長さ、もしくは水平に持ち上げた腕と同等の長さがいいといわれている。用途に応じて、たとえば積極的に登攀ルートへ向かう場合は、ジャストサイズよりも短いモデルを選んでもいい。シャフトの形状は一長一短で、杖のように使うことが大半ならストレートモデルが使いやすい場合もある。クライミングに特化したものや軽量モデルも存在する。

クライミング向き。カーブしたシャフトとハンドルにより強傾斜のクライミングに対応する。
軽量モデル。重量は212g(45cm)。肉抜きされたヘッドはチタンで作られている。

アイスアックスのパーツをチェック

ピック

急斜面ではここを雪面に刺して体を支える。万が一斜面で滑落した場合もピックを刺して体を止める。登攀向きモデルほど先端が薄く、鋭利な形状になっている。

ヘッド

ピックとブレードを総称してヘッドと呼ぶ。一般的な雪山登山ではシャフトよりもこのヘッド部分を握って歩くことが多い。実際に手に取り、持ちやすい形状を選ぶといい。

ブレード

雪や氷を削るために使う。ひし形や三角形など形状はさまざまだが、斜面でビバークを余儀なくされた際などに使うため、一般的なルートではほとんど使用しない。別名アッズ。

シャフト

用途や体格に合せて、種類やサイズが分かれる。形状にはストレートと屈曲したベントの2種類があり、シャフトが曲がっているベントタイプはピックを斜面に刺しやすい。

スパイク

アイスアックスを杖の代わりとして使う場合、ここを地面に突くため、硬い素材で作られている。軽量化を追求したアックスにはない場合もある。石突きとも呼ばれている。

リーシュとは?

アイスアックスを紛失しないように体と連結するための道具。腕に取り付けるハンドリーシュはシンプルだが、行動中にアイスアックスの持ち替えがしにくい。肩がけリーシュは持ち替えがしやすいが、胸元にぶらさがる紐がじゃまに感じる場合もある。肩がけにするならスリングとカラビナで自作も可能。絶対に必要なものではなく、使うか使わないかは人によって意見が分かれる。

シンプルなハンドリーシュは、肩がけと比べて胸元がスッキリする。
肩がけリーシュはアイスアックスを左右の手に簡単に持ち替えることが可能。

使わないときはプロテクターを

電車やバスなどの公共交通機関で登山口までアプローチする際や、登山中にアイスアックスをバックパックに取り付けてストックで歩く場合などは、周囲の人や物を傷つけないように、ピックとブレード、スパイクもプロテクターで保護してあげよう。ピックには短くカットしたゴムホースをプロテクターとして取り付けている人も多い。

丈夫な布でヘッドを覆うタイプ。サイズが合うか購入時に必ず確認すること。
アイスアックスの先端をそれぞれカバーするプロテクターもある。

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PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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