冬季登山のブーツ&シューズ 選び方のポイント
PEAKS 編集部
- 2021年12月11日
土や小石の上を歩くのか、それとも雪や氷の上を歩くのか。地面によって選ぶべき靴は異なる。そして冬は、保温性も非常に重要だ。寒い時期に適したブーツやシューズを、ここで選ぼう。
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉荒木優一郎 Photo by Yuichiro Araki
出典◉PEAKS 2019年12月号 No.121
安全登山はしっかりとした足元から
無雪期と積雪期のシューズの大きな違いは、本体の剛性(強靭さ)と保温性だ。無雪期向けのシューズでも雪山に行けないことはないが、雪がヤスリのように凍り付き、分厚い靴下を履いていても体温が奪われていく雪山では、やはり専用に開発されたシューズのほうが過酷な環境でも傷みにくく、足先が冷えにくくて快適性をキープできる。転倒や凍えによるトラブルもなく安全だ。
ただし、雪山用のシューズにはいくつかのタイプがある。一般登山用としては、硬いアッパーとソールに守られたアルパインブーツ。タフな作りになっており、ハードな環境で真価を発揮する。クランポンとの相性もよい。雪山に興味があるひとは、まずはこのタイプを用意しよう。
長靴のように丈が長いスノーブ ーツも雪山で使える。しかしアルパインブーツほどの剛性はなく、ソフトな履き心地だ。その代わりにたっぷりの保温材で保温力を強化している。クランポンは合わせにくいが、スノーシューを履いてのんびりと散策するような用途にはアルパインブーツよりも適する。
近年は雪中でトレイルランニングをするためのシューズも登場している。また、カフ(簡易ゲイター)付きのモデルが増えているのも最近の特徴だ。
まずは自分の足に合うものを見つけよう。そうすれば、雪山が一気に身近な存在になるだろう。
選び方のポイント
ゲイター
雪が内部に入らないように、足首回りを狭めたり、柔らかなパーツで覆ったり。こんなディテールも雪山用ブーツの特徴だ。
保温材
雪山用ブーツの大半は、アッパーの内側の中綿やシートで保温効果を高めている。低温下での冷えを防ぐには重要な要素だ。
アッパー
硬く凍り付いた氷やクランポンの爪で傷まないように、アッパーには強靭さが求められる。その種類は天然レザーから化学素材までさまざま。
コバ
雪山向けブーツ特有のクランポン装着用のミゾ。かかとのみならセミワンタッチ式、爪先にもあればワンタッチ式のクランポンが取り付けられる。
アウトソール
雪面に蹴りこみやすいように爪先が尖り、硬いソールのものが中心。雪の上で滑りにくいパターンを持ち、フラットな形状が多い。
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文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉荒木優一郎 Photo by Yuichiro Araki
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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