アイスアックスの部位6つの名称は?ルートや自分に合わせた選び方を解説!
PEAKS 編集部
- 2022年03月01日
INDEX
アイスアックスの記事を読んでも、専門用語が多くてよくわからないことはありませんか?今回はアイスアックスの6部位の名称と、ルートや自分に合ったものの選び方をご紹介します。あなたが使い勝手のよいアイスアックスを選んで、購入しましょう!
アイスアックスの部位6つの名称
アイスアックスには画像のように部位が6つあり、それぞれに名称があります。名称を覚えることでアイスアックスの話がわかりやすくなるので、ぜひ覚えておきましょう。
ピック
ピックとは、ヘッドの先端にある尖った部位のことです。ここを雪面に刺し、ときには氷に打ち込んでアイスアックスを手がかりにします。
ブレード
ブレードとは、ヘッドにある鍬(くわ)のような形をした部位のことです。雪の斜面を削り、足場やテント場を作るときに使います。
サイズがヘッドの持ちやすさに影響し、大きくなるほど手の大きさも必要に。ディテールカットで各々のサイズを比較しましょう。
ヘッド
ピックとブレードをまとめてヘッドと呼び、素材や形状で個性が生まれます。炭素鋼やクロモリ鋼製はピックの先端をシャープに削ることが可能です。ステンレスやチタン製は熱伝導率が低いため、冷たくなりにくいといった特徴があります。
シャフト
シャフトとは、ピックやブレードを使うときに握る部位のことです。シャフトを握ってアイスアックスを扱います。
カーブが大きくなるほど急傾斜向きで、今回は参考のために実測した角度を記載しました。なかにはカーブしない真っ直ぐなストレートシャフトもあります。
ポンメル
ポンメルとは、シャフトを握った手を引っかけて使うパーツのことです。上下に動かすことができ、状況に応じて握りの位置を変えられます。
スパイク
傾斜が緩いときは雪面にここを刺して、アイスアックスを杖のように使います。シャフトを切断しただけのものもあります。
ルートに適したアイスアックスを選ぼう
アイスアックスはルートによって、求めるスペックや好ましい形が異なってきます。ルートは大きく分けると3つです。
- 一般縦走向き
- 登攀向き
- バックカントリー向き
これから、ルートに適したアイスアックスを選ぶときに注目したいポイントを説明します。あなたが予定しているルートに合うアイスアックスを選びましょう!
一般縦走向けアイスアックス
一般的な縦走の場合は、ヘッドを持ったときの握り心地や、重さのバランスのよさで選びます。縦走では、杖のように扱う時間が大半を占めるためです。強度はそこまで必要ありません。
登攀向けアイスアックス
登攀の場合は、十分な強度があるかどうかで選びます。登攀ルートでは、岩溝にピックをひっかけてアイスアックスを手がかりにしたり、ロープで安全を確保する際にシャフトを支点にしたりするためです。シャフトは大きくカーブするほうが、ヘッドを振り下ろしやすくなります。
バックカントリー向けアイスアックス
バックカントリーの場合は、強さや形よりも軽さを重視して選びます。バックカントリーでは、アイスアックスの使用頻度が減少し、滑走時は軽快な滑りを妨げないようにするためです。
自分に合うアイスアックスの選び方3大ポイント
自分に合うアイスアックスの選び方の3大ポイントをご紹介します!
- ベントシャフトがおすすめ
- シャフトの長さは身長の35%
- 最後の決め手はフィーリング
アイスアックスを購入する前に確認してみてくださいね。
1.ベントシャフトがおすすめ
シャフトがカーブするものを「ベントシャフト」と呼び、ストレートシャフトに代わり近年の主流になっています。斜面で使うと、スパイクがストレートシャフトよりも深い角度で刺さるのが特徴です。ピックを刺すときもスパイクが雪面に食い込むので、アイスアックスがより安定します。
2.シャフトの長さは身長の35%
アイスアックスの使い勝手はシャフトの長さで決まります。さまざまな選び方が紹介されていますが、天野ガイドのおすすめは身長の35%の長さ。手首から脇までの長さでも、参考になります。たとえば身長170cmだと、シャフトは59.5cmくらいがおすすめになります。
アイスアックスは、短いほどシャフトを持ってピックを打ち込むといった扱いはしやすいですが、杖のような使い方には不向きです。逆に、長いほど杖のような使い方には向いていますが、ピックを打ち込む動作はしにくくなります。長すぎず、短すぎないものを選ぶ基準のひとつが、身長の35%のシャフトです。
3.最後の決め手はフィーリング
アイスアックスを選ぶときに、最終的に重視したいのはヘッドを握ったときのフィーリングです。指先で感じる違和感はストレスになり、疲労にも繋がってしまいます。
ヘッドが手の甲にしっくり収まるか、ヘッドとシャフトの重さのバランスがいいと感じるかの2つを、実物に触れてチェックしましょう。
アイスアックスの基礎知識
最後に、アイスアックスの基礎知識も知っておくと便利です。アイスアックスの安全な持ち運び方と、紛失を防ぐ使い方を紹介します。
安全な持ち運び方
自家用車や公共交通機関でのアプローチ中、アイスアックスはバックパックなど大きな袋に入れて持ち歩くのがマナーです。そのとき、周囲の装備を傷つけないように、ヘッドやスパイクにはカバーを付けます。プラスチックのパーツや袋状のものが市販されています。
紛失を防ぐ使い方
山行でアイスアックスを使うときは、リーシュというコードを使います。体にアイスアックスを連結させて紛失を防ぐためです。
手首に巻いて使うハンドリーシュもありますが、アイスアックスを持ち替えづらいのがネック。最初はたすき掛けで使えるボディリーシュがおすすめです。
アイスアックスの名称と選び方を覚えよう
アイスアックスの各名称と選び方を紹介してきましたが、いかがでしたか?名称を覚えると、アイスアックスの話がスッと頭に入ってくるようになります。
また、ルートや自分に適したアイスアックスを選べるようになると、使い勝手が格段に変わります。ぜひ参考にして選んでみてください!
Info
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
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文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
写真◉熊原美恵 Photo by Yoshie Kumahara
監修◉天野和明 Supervision by Kazuaki Amano
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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