もう悩まない、今年こそ決めたい登山用GPSアプリ! メジャーな4アプリを徹底比較!
PEAKS 編集部
- 2022年03月11日
スマホに登りたい山の地形図や登山地図を表示。山行前にルートや行程表を作成、山行時には現在地や進行方向、高度や移動距離、トラック(GPSログ)の記録といった登山データを知らせてくれる登山用GPSアプリ。どれも簡単に操作できるのだけれども、違いがよくわからないという声をよく聞く。そこで、実際の山行を想定して、主要4アプリを徹底比較してみた!
INDEX
※記事は2021年1月5日現在の情報です。すべてのアプリでiOS版とAndroid版がありますが、アプリのバージョン、必要容量、動作条件などの詳細は各OSのダウンロードページをご確認ください。
【App1】山と高原地図ホーダイ
多くのハイカーが使い慣れた「山と高原地図」をスマホで表示して、現在地を確認できるのが最大の特長。地図上に登山コース、コースタイムが表示されているのは紙地図同様で、わかりやすく見やすい。トラック記録中には、地図上に歩いた軌跡を色表示、移動距離と移動時間が表示される。地図上に表示されるポイントやコースをタップしてルートを選出することで、同時に行程表も作成され、より安全な登山をサポートする。
基本機能
・月額¥400で59エリアの地図が使い放題(初回ダウンロードから7日間は無料)
・トラックの記録
・トラック記録のバックアップ
・「ヤマレコ」などからトラックのダウンロード
・オフラインでの登山計画書作成
おすすめポイント
- 登山の情報満載で人気の紙地図「山と高原地図」を表示
- 1,500の山が収録されている全59エリア使い放題
- 最適ルートを自動選出、行程表の作成が可能
その他のポイント
・スマホの機種交換をしても同じアカウントでログインすれば使用可能
・記録したトラックは、山と高原地図のサーバーに保存可能。トラック、高低図などの登山データを「ヤマレコ」で表示、保存できる
登山開始ボタンから終了ボタンを押すまでの操作性
①ホーム画面のメニューから「地図リスト」を選択
②登る山の地図選択
③現在地ボタンを押す
④記録開始・終了ボタンを押して記録開始
【App2】ジオグラフィカ
登山の基本を実行するのに最適のアプリだ。まずは自分でマーカーと呼ぶポイントを作成。つくったスタート&ゴール、山頂、水場、分岐、注意点などを結んでルートを作成することができる。そのルートは音声ナビされ、スマホを取り出さずに耳で登山情報を確認できるので悪天時に重宝する。メニューボタンを長押しすると、状況に応じた必要な操作が一覧表示され、操作に迷ったときに便利。10回記録後に発生する機能制限は¥960で解除でき、そのままずっと使用可能だ。
基本機能
・トラックの記録回数10回まで
・表示キャッシュの容量100Mまで
・音声で時刻や標高、次のマーカーまでの距離などをお知らせ
・表示したトラックログからの逸脱を音声で警告
オプション
・基本的に同アカウントでの使用なら、¥960で機能制限解除
・トラックの記録回数無制限
・表示キャッシュの容量、100M、500M、1GB、5GB、無制限で選択
おすすめポイント
- マーカーをつないで、ルート&行程表作成
- 音声でルート案内や現在地の高度や座標をお知らせ
- ¥960で機能制限解除の有料版に切り替え
その他のポイント
・過去のトラックを利用してルート案内することも可能。その際、コースを長押しすると、コースから逸脱した際に音声で知らせてくれる
・記録中に記録ボタンを押すと、距離、記録時間、最低高度、最高高度、平均速度等を表示
登山開始ボタンから終了ボタンを押すまでの操作性
①地図の上部を左にスワイプ
②検索ウィンドウが表示され、そこに山名や地名を入れて検索 ③検索結果をタップして山の地図を表示し、キャッシュ(保存)する。画面に表示した地図は自動で保存される
④地図内に到着したら、現在地ボタンを押す
⑤記録スタートのアイコンボタンを押す
【App3】YAMAP
有料版にすると多くの機能を追加できるが、無料版でできることがじつはとても多いアプリだ。まず無料版の地図ダウンロードは5枚までの制限があるが、使用しない地図を削除すれば新規のダウンロードは可能。ほかのユーザーの軌跡のダウンロードは有料版でないとできないが、自分で作成するのに制限はない。ルート、行程の作成は地図上のポイントを結べば簡単にでき、推定の行動時間もわかる。山行時には現在地を家族と共有できる機能もある。
基本機能
・無料地図は単色の地形図のみ
・アプリに保存できる地図5枚まで
・ブックマークできる活動日記10件まで
・家族や知人と現在地を共有する「みまもり機能」
・活動日記への写真
・アップロード数50枚まで
オプション
・月額¥480、年額¥3,480(どちらも1カ月無料体験あり)
・地形図に加えて色別標高図や立体地図利用可能
・アプリに保存できる地図無制限
・ブックマークできる活動日記無制限
・ほかの登山者の歩いたルートをダウンロード
・「みまもり機能」をLINEでも通知
・ルート外れを通知で警告
・歩行ペース表示
・活動日記への写真アップロード数無制限
おすすめポイント
- 地図の表示、トラックの記録、登山計画作成が無料
- 地形図ベースの登山地図は、コースタイムや水場の情報を表示
- 登山の安全をサポートする機能は有料版で活用
その他のポイント
・ほかのユーザーが投稿した「フィールドメモ」を表示すると、登山時の最新情報を閲覧可能
・無料版では記録中に標高や移動距離、高低図を表示。有料版はさらに歩行ペースも表示され、体調、スケジュール管理に役立つ
登山開始ボタンから終了ボタンを押すまでの操作性
①地図上から検索または、ホームから検索ウィンドウで山名を入れて検索
②検索結果から、目的の山をタップ
③地図のダウンロードとして無料地図、立体地図、色別標高図選択
④現在地ボタンを押して、活動を開始ボタンで記録開始
【App4】ヤマレコ
無料版でアプリ内に保持できる地図は2枚までだが、山行ごとに地図を削除すれば、新しい地図がダウンロードできる。山行計画も無料版では2件までの制限があるが、ルート作成すると到着予定時間や距離に加えて高低図も表示され、実際の山行のイメージをつかみやすい。地図上に橙色で表示されるヤマレコユーザーがたどった軌跡「みんなの足跡」は、地形図にはない実際のコースがわかり、道迷いを防ぐ効果も高い機能だ。
基本機能
・2地図までダウンロード可能
・登山計画2件まで
・下書きの山行記録表示最新20件
・音声で時刻と標高をお知らせ
・ルート外れを音声で警告
・アップルウォッチの文字盤上で、現在のペース、標高グラフ、予想通過時刻、予想下山時刻、予定の進行状況を表示できる
オプション
・月額¥780、または年額¥4,900
・地図のダウンロード無制限
・登山計画無制限
・下書きの山行記録表示無制限
・「コンパス」による登山届提出
おすすめポイント
- 無料版で、地図の表示、トラックの記録、ルート作成が可能
- 他の登山者の軌跡「みんなの足跡」を地図上に表示
- エリア地図だけではなく、オススメルート等もいっしょにダウンロード
その他のポイント
・ルート作成した行程表をベースに、全国山域の登山届に利用できる「コンパス」に提出
・登山を開始すると、GPSログや写真、音声、動画などに加えてテキストでメモを残せる。登山記録を重視するハイカーは、有料版で容量を増やすといい
登山開始ボタンから終了ボタンを押すまでの操作性
①地図取得ボタン
②ID/山名検索
③検索結果から、目的の地図を選択
④地図が表示され、「この地図をダウンロード」ボタンを押す⑤ダウンロード完了したらスマホの戻るボタンで戻る
⑥登山開始ボタンを押すと、ダウンロードされた地図を表示
⑦現在地ボタンを押して表示させ、登山開始ボタンで記録スタート
それでも迷うという人はこちらもチェック!
ベースの地図はそれぞれ異なる?
山と高原地図ホーダイ
紙の山と高原地図の登山地図にコースタイム表示
ジオグラフィカ
国土地理院地形図をベースに色別標高図、陰影起伏図などを選択表示可能、コースタイムなし
YAMAP
国土地理院地形図にコースタイムなどの登山情報表記/立体地図(有料)/色別標高図(有料)
ヤマレコ
国土地理院地形図にコースタイムや「みんなの足跡」を表示
ルートや行程表作成、登山届提出できる?
山と高原地図ホーダイ
ルート、行程表を作成可能。ただしデータを共有するにはキャプチャーした画像でのみ。登山届の提出はできない
ジオグラフィカ
マーカー作成をし、ルート、行程表を作成。メールで送信可能
YAMAP
ポイントを結び、ルート、行程表を作成。YAMAPに登山届を提出可能(長野県のみ)
ヤマレコ
ポイント、コースを結び、ルート、行程表を作成。コンパスに
登山届提出可能
進行方向の表示に違いはある?
山と高原地図ホーダイ
現在地アイコンに扇形マークで向きを表示
ジオグラフィカ
現在地の矢印を、コンパスか進行方向か選択して表示
YAMAP
現在地アイコンに矢印または扇形マークで向きを表示
ヤマレコ
現在地アイコンに矢印と線で向きを表示
前回の記録から再開するにはどうする?
山と高原地図ホーダイ
記録終了24時間以内に記録を開始すると、「前回の記録を再開」ボタンが表示される
ジオグラフィカ
一時停止ボタンあり。またメニューボタン長押しでトラック追記が表示され、記録を再開
YAMAP
一時停止ボタンあり
ヤマレコ
一時停止ボタンあり。記録終了後24時間以内に記録を開始すると、「登山を再開する」ボタンが表示される
その他の比較
※この記事はPEAKS[2021年2月号 No.135]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。