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山での『低体温症』どうする?|医療の専門家に聞いた、山のフィジカルトラブル対処法

登山中、医療機関から遠く離れた場所で、専門知識も持たない私たちは、ケガなどに対してどのように向き合えばいいのか。救急医の伊藤 岳さんに、雨で衣服が濡れて体温が低下し体調が悪くなるといった「低体温症」への対処法を教えてもらった。

低体温症への対処法

低体温症は、体温を奪おうとする環境因子と、体温を生み出し保とうとする働きのバランスで、前者が勝ったときに発症する。環境因子には、風、雨、雪、気温の低さなどがあり、体温を生み出して保とうとする働きには、ご飯を食べる、運動する、衣服を着込むなどが該当する。

初期症状は、体の震えや寒気で、これはだれもが幾度となく経験したことがあるはずだ。そのため、体の震えを危険と感じる人は少ないだろう。しかし、それは暖房が効いた暖かい部屋に入るなど、簡単に環境を変えることができる街中だけの話。エアコンなどが存在しない山のなかは、環境を変えることができないため、体がブルブルと震え出した場合、なにかしら対処しなければ症状は悪化の一途をたどることになる。

まずは、雨や雪などリスクを正しく恐れることが大切だ。レインウエアなどをきちんと準備し、緊急時用にツエルトなどを持参する。 それでも低体温症で行動を続けることが困難になった場合は、食べものを摂取する、衣服が濡れている場合は着替えるといった対処が必要になる。

初期症状

すでに説明したように、初期症状は「震え」と「寒気」になる。意識が遠のく、反応が悪くなる、歩けない、行動が続けられないような状況は非常に危険。しかもそれが突然現れるときがある。そうならないために、早い段階での対処が必要だ。

事前対策

リスクをリスクとして捉える

雨だけでなく、風も体温を奪う環境因子のひとつ。天気が悪い、もしくは天候の悪化が予想できる場合は、山行の中止も含めて計画の変更を検討する。

レイヤリングを揃える

万が一の悪天候に備えて、レインウエア、防寒着を必ず準備する。冬になれば、さらに保温性が高いウエアを用意する。性質や目的を知ったうえでレイヤリングを工夫しよう。

逃げる術を持つ

環境を変えられない山のなかで、雨風といった環境因子を遠ざけるために、ツエルトなどを普段から持ち歩こう。正しく使い方を学び、事前に使用してみること。

具体的な対処法

エネルギーを摂取する

体温を生み出すにはエネルギーが必要不可欠。バータイプの行動食など、高カロリーで、すぐエネルギーになるものを摂取する。温かい食べものや飲みものを用意できればなお良い。

体を冷やす原因を取り除く

いくらエネルギーを摂取しても、体温を奪う根本的な要因を取り除かなければ意味がない。保温着の着用や、衣服が濡れている場合には乾いた服に着替えることも考慮する。

室内などに入る

風、雨、雪といった環境から逃れる必要がある。近くに山小屋や避難小屋があれば避難する。なければツエルトを使う。標高を下げて樹林帯に逃げるのもひとつの方法だ。

教えてくれた人:救急医 伊藤 岳さん

兵庫県立加古川医療センター救急科長。公益社団法人日本山岳ガイド協会ファーストエイド委員長。2010年から北アルプス三俣山荘診療所で、夏山診療に従事する。

※この記事はPEAKS[2021年3月号 No.136]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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