煮る・炒める・ホットサンドで調査!タイプ別バーナー6つの使用感を比べてみた【後編】
PEAKS 編集部
- 2022年03月19日
キャンプ料理に欠かせないのがバーナー。焚き火やBBQグリルなどでも料理はできるが、火起こしの手間がいらず、安定した火力を提供してくれるバーナーを最低でもひとつは持っておきたいもの。そこで今回はCB缶、OD缶、アルコールの3つの燃料を使い、ワンもしくはツーバーナーの気になるモデルをチェック!今回は後編のバーナー3つを紹介する。
文◉今坂純也
写真◉後藤武久
出典◉CAMP TOOLS 2021
バーナー選びで重要なのは
自分のスタイルを再確認すること!
バーナー選びで重要なのは、「自分はどのような料理をし、どんなスタイルなのか?」を再確認すること。
詳細は前編でチェック
教えてくれたのは…
編集・ライター 今坂純也さん
30年以上前、北海道ツーリングに行くためにMSRのノーマルのウィスパーライトを貰ったのがマイ初バーナ ー。修理を繰り返し、いまも現役で活躍中!
煮る・炒める・ホットサンドの3パターンで調査
煮る
おでんを入れた8インチの鍋を使ってテスト。キモとなるトロ火の使いやすさ、安定性をみる。
炒める
こちらも8インチのフライパンを使ってテスト。頻繁にフライパンを動かしては置き……を繰り返す。
ホットサンド
こちらはトロ火やホットサンドクッカーの安定性をみる。フライパンとして使うことも考慮した。
タイプペ別にバーナーの使用感を比較
SOTO
レギュレーター2 バーナーグリッドST-526
テーブルの上でも使える薄型116㎜のカセットガス横置き式。左右の風防は着脱式で圧電点火装置付き。オプションでハードケースやグリル、テーブルも用意される。マイクロレギュレーターも搭載。
【煮る】
磨きのステンレスが美しい天板は煮汁をこぼしても簡単に掃除ができる。そのうえ、金属好きなメンズの琴線にも触れるもの。線の細いイメージのデザインながら、おでん満載の鍋のみならずダッチオーブンも余裕で支えてくれる。マイクロレギュレーターを搭載し、低温時や連続使用時の火力低下もなく、コトコト料理にも最適。
【炒める】
ロースタイルにもマッチする薄型コンロで、ステンレスの鍋などと相性もバッチリ。シェフの仕事場をそのままキャンプ場に持ち出した感じでフライパンを振る腕も軽い。煮物、炒め物に限らずなんでもこい!なコンロで、はっきりいって死角を感じない。テーブルを囲んでみんなで料理をつつく……なんてことも得意だ。
【ホットサンド】
ホットサンドクッカーの座りもよく、火加減の調節も細かくできるから、おいしいホットサンドがだれにでもできる。キャンプでスイーツにも挑戦してみようかな、という気にさせるのは、圧電点火装置付きだったり火力調整のしやすいつまみだったりと、料理を作る以外のことにまったくストレスを感じさせない作りだからだろう。
値段:¥26,400
最大火力:2,500kcal/h×2
サイズ:D252×W473×H145mm(風防取り付け時)
ゴトク径:160mm×2
重量:2.25kg(本体のみ)
問い合わせ:新富士バーナー
プリムス
オンジャ
非常にスッキリとコンパクトに収納でき、ショルダーバッグのように持ち運び可能。ウッドボードを取り外し、X字型に開いてセッティングすると準備OK。3,500kcal/hの高出力バーナーを2個搭載する。
【煮る】
そう思わせるくらいの美人なコンロなので、トマト鍋とかポトフとかがいいな……と思いつつのおでん鍋。X字型に開いて使うと2㎝ほど風防が下がるので、あまりに強風下ではトロ火は苦手。でも、キャンプ道具ってのはスペックのみが大事なんじゃない。「こんなカッコいいコンロ、持ってないだろ」感も大事なんです。
【炒める】
3,500kcal/hで「シュゴ〜!」という勇ましい音を出しつつ、フライパンを即チンチンに熱して くれる。ゴトクは短辺方向には140㎜しかないので、大きなフライパンを置いたままにするのは避けたい。X字型で安定感があり、さらに重量が3kgほどあるので、フライパンをガサツに振って少しゴトク部分に当ててもグラつきはない。
【ホットサンド】
ゴトクの間隔なのか、底の丸いホットサンドクッカーの座りはいい感じ。おでんや野菜炒めよりもホットサンドがお似合い。強風下でなければトロ火は非常に得意なので、クールな所作で美しいホットサンドが作れる。お隣には麦茶入りのヤカンじゃなくパーコレーター。あ、カッコよさでいえば、ダッチオーブンもいいね!
値段:¥24,200
最大火力:3,500kcal/h×2(500Tガス使用時)
収納サイズ(本体のみ):D140×W430×H300mm
ゴトクサイズ:D140×W410mm
重量:3.0kg(+ウッドボード490g)
問い合わせ:イワタニ・プリムス
テンマクデザイン
サイレントツーバーナー
トランギアの代表的な製品であるアルコールバーナーをふたつセットして使う、トランギア・アルコールバーナー専用のツーバーナー。その名のとおり音がしないをコンセプトに作られたツーバーナー。
【煮る】
「小鳥のさえずりや川のせせらぎを聞きながら、静かに煮物料理ができる」のはアルコールバーナーならでは。風防さえしっかりしていれば強風にも強く、ほかの燃料と比べてほとんど音がしないからだ。このゴトクは静かにコトコト料理を楽しみたい人に使ってほしい。1分1秒が惜しいという人にはあまりおすすめしない。
【炒める】
アルコールバーナーは明るい日差しの下では炎が見えにくく、食材をたくさん入れてフライパンでジャンジャン炒め物をする……というのは少し苦手。また、炎の微調整もあまり得意ではないので調理にはコツがいるのもたしか。ゆったりとした気持ちで料理することができる人生経験豊かなベテランキャンパーにおすすめ。
【ホットサンド】
片方でベーコンエッグを作り、もう片方でホットサンドを作る……なんてことは余裕だし、キャンプの朝のゆったりした時間にはもってこい。壊れる部品らしいものもないので、一度購入すれば一生物になること間違いナシ!「そこのアナタ、時間に追われてないでキャンプのときくらいゆっくりしよ」と言われてるみたいだ。
値段:¥8,778
サイズ(収納時も同じ):D250×W400×H82mm
ゴトクサイズ:D247×W360mm
重量:約2.0kg
問い合わせ:カンセキ WILD-1事業部
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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