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煮る・炒める・ホットサンドで調査!タイプ別バーナー6つの使用感を比べてみた【前編】

キャンプ料理に欠かせないのがバーナー。焚き火やBBQグリルなどでも料理はできるが、火起こしの手間がいらず、安定した火力を提供してくれるバーナーを最低でもひとつは持っておきたいもの。そこで今回はCB缶、OD缶、アルコールの3つの燃料を使い、ワンもしくはツーバーナーの気になるモデルをチェック!まずは前編、3つのバーナーを紹介する。

文◉今坂純也
写真◉後藤武久
出典◉CAMP TOOLS 2021

バーナー選びで重要なのは?

バーナー選びで重要なのは、「自分はどのような料理をし、どんなスタイルなのか?」を再確認すること。ちなみに私は十数年前にガソリン式ツーバーナーを買った。最初のころはダッチオーブン料理を楽しんでいたが、元来焼肉好きのため、だんだんツーバーナーから炭を使うグリルに移行していった。そして夫婦ふたりのキャンプでさえもワンバーナーひとつを持つのみになってしまったのだ。「オートバイでのひとり旅が好き」なんて人ならワンバーナーで十分だろうし、周りの静寂さに合わせて燃焼音の静かなアルコールストーブなんて選択もあり。

燃料のうち、もっとも手に入りやすいのは薬局で買えるアルコールや、コンビニでも手に入るCB缶。ガソリンスタンドで手に入る添加物の多い「赤ガス」といわれるガソリンは、バーナーを頻繁にメンテナンスしないなら使わないほうがいい。キャンプや登山でよく使用するOD缶は、少々高価でシーズン真っ只中だと出先で手に入らないことも……。とまぁ、悩みは多いが、やはりCB缶やOD缶を使うガス式のワンもしくはツーバーナーがいちばん使い勝手がいいのはたしかだ。とはいえ、なにを選んでも「大失敗」といえるほどのものはないんだけどね。

教えてくれたのは…

編集・ライター 今坂純也さん

30年以上前、北海道ツーリングに行くためにMSRのノーマルのウィスパーライトを貰ったのがマイ初バーナ ー。修理を繰り返し、いまも現役で活躍中!

煮る・炒める・ホットサンドの3パターンで調査

煮る

おでんを入れた8インチの鍋を使ってテスト。キモとなるトロ火の使いやすさ、安定性をみる。

炒める

こちらも8インチのフライパンを使ってテスト。頻繁にフライパンを動かしては置き……を繰り返す。

ホットサンド

こちらはトロ火やホットサンドクッカーの安定性をみる。フライパンとして使うことも考慮した。

タイプペ別にバーナーの使用感を比較

SOTO
レギュレーターストーブ フュージョンST-330

CB缶仕様ながら、連続使用時や低温時のボンベ内の圧力低下に影響されにくく、安定した火力を発揮する。全炎型の火口とすり鉢状のバーナーヘッドで、優れた耐風性能を実現した。圧電着火装置も付く。

すり鉢状のバーナーヘッドの全周に防風壁をもち、かなりの強風下でも安定した火力を発揮する。

【煮る】

4本脚のため鍋の安定性はいいが、地面に置くことを考えると安定性に欠ける。できれば平らなテーブルや板の上で使ったほうがいい。コトコトと煮るにはトロ火が安定するマイクロレギュレーターが効く。圧電着火装置も付く、ワンバーナーの優等生。

【炒める】

フライパンを頻繁に動かしてみるが、ゴトクの滑り止めとなる切り欠きのエッジが立っていて、丸棒の見た目よりもフライパンの安定性はいい。火力調整つまみは、フライパンをゴトクに乗せたままの操作性が◎。火力も十分で自宅のコンロのようだ。

【ホットサンド】

焼き具合をチェックしてはクッカーを閉じ……を繰り返すが、底が平らではないクッカーの場合は安定性が悪くて手が離せない。ただし、トロ火は使いやすく、クッカーを手に持ったまま焼き具合を見れば、美しい焼き目もついて使いやすい。

値段:¥9,900
最大火力:2,200kcal/h
サイズ:D120×W350×H90mm
ゴトク径:165mm
重量:250g
問い合わせ:新富士バーナー

プリムス
ウルトラ・スパイダーストーブⅡ

本体重量167gと超軽量な燃料分離型ワンバーナー。収納時のコンパクト性とクッカーの安定性を両立させるための折り畳み式ゴトクをもつ。ガスの気化を安定させるプレヒートパイプで安定した燃焼を実現。

風防をかねるX字状のゴトクと、クッカーを乗せることで風の吹き抜けを抑えて優れた防風性を発揮する。

【煮る】

じつは筆者もこちらの愛用者。上下方向にシュッとした繊細な出立ちのため、ダッチオーブンを使うのはやめたほうがいいだろう。ただ、鍋の中身が吹きこぼれてもバーナーは汚れないし、トロ火も使いやすくて超軽量。荷物を軽くしたい登山用としても◎

【炒める】

本体が非常に軽く、フライパンをガサツに動かすと本体が少し動いてしまうほど。キャンプで使うなら小型の焚き火グリルなどの中に入れ、頑丈な脚がわりとして使うとよさそうだ。さすがのハイパワーで火力に不満はないし、燃焼も安定している。

【ホットサンド】

底の丸いホットサンドクッカーを、意外と安定して置けるのに驚き。ただ、ホットサンドを食べる静かな朝は、ハイパワーゆえの「シュゴ〜」音は少し気が引けるかも。トロ火時は炎があまり拡散しないので、ホットサンドクッカーは左右に揺らしながら使おう。

値段:¥14,080
最大火力:3,000kcal/h(250Tガス使用時)
収納サイズ:D93×W100×H35mm
ゴトク径:大168mm、小118mm
重量:167g
問イワタニ・プリムス

イワタニ
カセットフータフまるJr.

外側風防と内側風防の二重の風防をもち、耐風性は抜群。しかも、風防に空気取り入れ口も設けて燃焼安定性も犠牲にしていない。大人気のタフまるを約60%に小型化し、ソロキャンパーにもおすすめ。

レギュラーサイズのCB缶使用時は本体からはみ出るが、気になる人はジュニアサイズを使うといい。

【煮る】

入り組んだ形の汁受けに煮汁をこぼしても、ゴトク部分は裏側でスナップピンで留まっているだけだから、4つのピンをつまんで外せば掃除がしやすい。8インチ・10kgの耐荷重を誇り、具いっぱいのおでん鍋やダッチオーブンくらいはへっちゃらだ。

【炒める】

強風のなか、強火を使ってチャーハンを作るような動きをしても、二重風防のおかげで火は風の影響をほとんど受けない。キャンプ以外に、コンパクトな都心の賃貸部屋で使うのもアリだと思う。そのくらい本体が安定していて料理を選ばないのだ。

【ホットサンド】

2,000kcal/hの火力は兄貴分のタフまるよりも800kcal/h少ないが、1ℓの水を沸騰させるのにわずか1分程度遅いだけ。ホットサンドクッカーの座りも問題ないし、トロ火から強火までよどみなく使える。ケース付きなのも、男っぽいボディ色もステキだ。

値段¥9,878(実勢価格)
最大火力:2,000kcal/h
サイズ:D192.5×W286×H122mm(本体)、D252×W320×H135mm(ケース)
重量:約1.6kg(ケース込み重量は約2.5kg)
問い合わせ:岩谷産業

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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