登山のためのトレーニング6選!起こりがちな体のトラブルも解決
FUNQスタッフ
- 2022年06月25日
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登山を始めるにあたって、トレーニングは山でのトラブルを避けるためにもとても重要です。特に普段運動をしない人が事前準備なく登山に挑戦するのは大怪我に繋がる恐れがあるため、トレーニングで体力づくりをすることは必要です。しかし、登山のためのトレーニングとはどのようなことをすれば良いのかわからない……という人も多いのではないでしょうか?
ここでは、登山に効果的なトレーニングを紹介します。記事の最後には登山中に起こりうるトラブルの解決方法にも触れていきますので、安全な登山に挑戦することができますよ!
登山にトレーニングは必要?
登山のような長距離を歩くアウトドアには体力をつけるためにもトレーニングは必要です。では、どのような力をつければ登山に役立つのでしょうか?
登山をする上でとくに必要な3点を紹介します。
持久力があると登山途中でバテない
長時間歩く登山はとにかく持久力が必要です。特に初心者の人が登山を始めると自分の体力のなさを思い知らされることでしょう。登山途中でバテないための必須条件が持久力といわれるほど、登山をする上で持久力は重要です。
しかし、普段運動をしない人は無理にハードな運動をすると逆効果となるため、まずは週に1回、30分程度の軽い運動から始めてみましょう。
筋力があると怪我予防にもつながる
筋肉は普段から使わないと衰えていくものです。登山には怪我がつきものなので、筋肉が衰えた状態で突然登山に挑戦すると怪我につながるため、普段から筋トレをしておく必要があります。
特に足をメインに使うため、下半身の筋力が重要とされています。登山での怪我で特に多いのが捻挫です。足首や下半身全体の筋肉を柔らかくすることを意識し、簡単な筋トレから挑戦していきましょう。
普段から筋力をつけておくことで、登山の翌日に起こる筋肉痛を和らげる効果もあるので、ぜひ積極的にトレーニングしてくださいね!
バランス力があると安定した歩行ができる
登山は不安定な地面を歩くので、バランスを保つための体幹が重要です。体幹の筋力を高めることで関節を自由に動かすことができます。バランス感覚が悪いと体に無駄な力が入ってしまい、筋肉痛の原因にもなります。
しかし、日常生活の中でバランス感覚を鍛えることは意外と難しいため、日々のトレーニングをコツコツ続けていくことを心がけましょう。
特にヨガは登山に必要なバランス感覚と体幹力を身に付けることができるのでおすすめですよ。
自宅でできる登山のためのトレーニングメニュー
まずは自宅でできる基本的なトレーニングから始めましょう。
出典:登れる体は登山の資本!山で怪我をしないための体づくり講座
股関節の動きをよくするエクササイズ
山での疲労の蓄積によって股関節が歪みを起こし、膝、腰などの痛みの原因などにもつながってしまいます。股関節をニュートラルに戻すことで可動域が広がり、動きやすくなります。ここでは、そのエクササイズを紹介。
❶四つん這いの態勢から片膝を4の字にする。両手は肩幅よりやや広めの位置につき、垂直に腕を伸ばし、床に接地させる。背筋は首からお尻まで水平になるように。
❷4の字に開脚した側(この場合は右側)にお尻と上体をずらす。このとき股関節を意識する。①の態勢に戻したら反対側も同様に行なう。
バランス感覚を高めるエクササイズ
自身の体格を知り、ボディコントロールするためのエクササイズ。バックパックを背負ったときや歩行時のバランス感覚など、膝や腰の位置を自分で選択できるようにするために行ないます。
❶仰向けの状態で両足をつかみ、頭を持ち上げる。両足はくっつけず、少し開脚した状態を保つ。
❷背中を使って転がりながら片膝を伸ばす。
❸転がる反動で起き上がる。このとき片足はしっかり伸ばした態勢になる。反対側も同じように行ない、繰り返す。
体感を安定させて自由頻度の高い足にするエクササイズ
体幹と手足で体全体を安定させつつ、体勢を切り返すことで足の自由度を高めるエクササイズを紹介。これが習得できると、足元が不安定な登山道において体幹を安定させ、効率よく登下降できるようになります。
❶膝を床に付けた四つん這いのスタートポジションから、膝を少し浮かせる。腕は肩幅に開き、体に対して垂直に両手をつく。
❷体は床に向いたままの状態で、片足を体の横に踏み出す。膝とつま先は真横を向くようにし、手足それぞれにバランスよく体重が乗るように。
❸反対側の足を左方向に突き出し、対角の腕を上げる(この場合だと左腕)。床に接地する右手・左足、そして体幹を意識してバランスをとる。
❹②のポーズに戻り、①のポーズへ。両足ともに繰り返す。これが習得できれば上手に転べるようになり、骨折などのケガを防ぐことにつながる。
体感を使ってうまく体を扱うためのエクササイズ
前項目は体幹を安定させ足を自由に動かすことが目的ですが、これはその発展型。前項目ができるようになったら前方向のエクササイズにトライしてみましょう。体の前後の感覚を高め、バランス力が高められます。
❶膝を床に付けた四つん這いのスタートポジションから、膝を少し浮かせる。腕は肩幅に開き、体に対して垂直に両手をつく。
❷4-①と同様のポーズから始まり、片足を手の横に踏み出す。出した足の膝とつま先は正面を向くようにする。両手足に体重が均等に乗るように。
❸反対側の足を前方に伸ばし、対角の腕を上げる。床に接地する手足でバランスを保ち、体幹を使って上半身をキープする。
❹伸ばした足を引いて②の態勢に戻す。両手足均等の力で地面に立ち、体を支える意識で。これを両足とも繰り返す。
登山時の体のトラブル解決トレーニングメニュー
登山時に起こりうるトラブルを厳選したトレーニングメニューを紹介します。
出典:膝?肩?腰?症状別、お悩み解決! 山で怪我をしないための体力づくり講座
下山時に膝の皿の上部が痛み出す
A.膝が安定せずに動いてしまっているのでお尻の深層筋をほぐし強化しましょう
膝の痛みの原因は、膝が不安定なまま動かしてしまっているから。膝を安定させるお尻の深層の筋肉を強化することで改善できます。
❶足を4の字のかたちにして座る。手を胸の前で組み、背筋を伸ばす。
❷背筋を伸ばしたまま、体幹を意識し、上半身をゆっくりと前方へ倒す。お尻の筋肉を伸ばすイメージで行なう。
❸股関節とお尻を意識して、膝立ちまで立ち上がる。背筋は猫背にならないように引き続き注意する。
❹膝立ちからさらに上半身を前傾させ、②→①の姿勢にゆっくりと戻す。股関節を外側にひねった状態の膝スクワットになり、お尻の筋肉へのアプローチにつながる。これを左右繰り返す。
長時間歩いていると足裏が痛む
A.アーチを鍛え、衝撃吸収できる足裏を作りましょう
足裏の痛みは土踏まずが下がり、足自体で衝撃吸収できていないから。アルパインブーツはソールが硬く、より顕著に痛みを感じやすい。土踏まずの筋肉を鍛えることで改善します。
❶イスに対してまっすぐに座り、両足の裏で地面をしっかりと捉えた状態から、足の両親指を根元から持ち上げる。
❷親指の状態をキープしながら両足のカカトを持ち上げ、つま先立ちをキープ。土踏まずの筋肉を意識する。
❸カカトを下ろす。両親指の状態はキープしたままで。このエクササイズを何度か繰り返す。
【中級】
イスに座った状態のエクササイズに慣れたら、上体を倒し、少し負荷をかけてみましょう。
❶イスに座った状態から両腕を抱えて膝の上に置き、両足に体重を乗せる。この態勢で初級編と同様のエクササイズを繰り返す。土踏まずがつらないように、無理なく行なってみよう。
【上級】
さらにレベルアップ。ここまでできれば足裏には立派なアーチができあがっているはず!
❶立ち上がり、両手をイスや壁に添え、支えにする。足裏でしっかり地面を捉えた状態から親指を持ち上げ、カカトの上げ下げを繰り返す。
エクササイズ監修
坂主拓國さん
登山・クライミングの安全技術・救助技術を有し、指導ライセンスを保持する山岳スポーツフィジカルトレーナー。代官山のトレーニングジム「51,5トランザクションジム」を経営。
※この記事はPEAKS[2021年3月号 No.136]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
体づくりができたらフォトジェニックな山旅はいかが?
登山をする中での楽しみのひとつが、絶景を堪能することです。残しておきたい景色を見つけたらチャンスを逃すことなく撮影しましょう!
ザギザした風貌の山を楽しめる宝剣岳・木曽駒ヶ岳周辺
大人気の山なので他の登山客も多く、登山道の往復の中で撮影をすると他の人と似たような写真しか撮れない可能性もあるため、脇道にそれるなどの工夫で「自分だけのおもしろいアングル」を探すのも楽しみのひとつです。
- 歩行時間:2時間30分
- 総距離:4㎞
まだ見ぬ景色が見つかる日光の雲竜渓谷
時刻や天気などで被写体の表情が変わるため、自分の気に入った場所でベストタイミングを待ちましょう。洞門岩で林道と沢に分かれますが、沢コースを進むことをおすすめします。
- 歩行時間:5時間
- 総距離:10㎞
ビギナーでも安心して登ることができる茅ヶ岳
山頂からの富士山大展望。夏は午後が天候が悪くなりがちなので、できるだけ早朝に出発して山頂からの展望をおすすめします。日帰り登山に最適です。
- 歩行時間:3時間15分
- 総距離:8㎞
まだまだある!フォトジェニックな山旅プランはこちらをチェック
登山のためのトレーニングは普段から行うことが大事!
登山にはトレーニングが必要不可欠と説明しましたが、「登山に行くからトレーニングしよう!」では意味がありません。体力づくりは日々コツコツ行うことが大切です。簡単なことからでも良いので、トレーニングは普段から少しずつ行うように心がけましょう!
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