1500g以下!ファストハイクからエクストリームまで4つのスタイル別でみる快適寝具
PEAKS 編集部
- 2022年10月26日
快適さって、人それぞれ。それは山での寝具事情にもいえることで「ここは譲れない!」というキーポイントが必ずあるはず。寝心地よりも軽さ重視の人もいれば、多少重くなってもフカフカで寝たい人もいる。ここでは、初夏や秋の北アルプス想定で、ざっくりと4パターンに分け、それぞれに快適な山寝具の組み合わせをご紹介。これをさらに組み替えたりして、あーでもないこーでもないと、自分なりの快適寝具を見つけ出す行為もまた、山の楽しみ。
INDEX
文◉櫻井 卓
イラスト◉上坂じゅりこ
取材協力◉石井スポーツ マロニエゲート銀座店
【シンプル安眠くん】
トータル 1,155g/76,890円
細かいところでも確実に進化してきているので、ギアはできるだけ最新型で揃えたいですね。最近のエアマットはとくにすごくて、ひと昔前のよりも確実に寝心地が良くなってます。山の寝具では準備の簡単さも大事だと思います。これだったら広げて、膨らませるだけ
シートゥサミット/スパークSpⅢ
価格:53,680円
重量:665g
快適温度域:−2℃
中綿:850+フィルパワーウルトラドライプレミアムグースダウン
収納サイズ:15×35cm
問:ロストアロー
今回話を伺った石井スポーツでも、ここ最近、抜群の売上げを誇るのがこの寝袋。高いフィルパワーを確保しつつ、軽さも両立。しかもこのスペックでこのお値段! 初めて買う寝袋としても最有力候補。
シートゥサミット/イーサーライトXT インサレーティッドマット
価格:23,210円
重量:490g
厚さ:10cm
R 値:3.2
使用時サイズ:183×55cm
収納サイズ:11×24cm
問:ロストアロー
シートゥサミット中、最厚手のマット。内部の細かいセルは体圧を効果的に分散してくれるし、バルブで好みの硬さに調節することもできる。長い季節使いたいなら内部にインシュレーションが入ったタイプがオススメ。
【オールラウンダーさん】
トータル 1,140g/96,470円
夏の低山から秋の北アルプスまで、いろんな山にテント泊で行きたい派です。でも暑がりなので、低山のときに厚めの寝袋だと、朝は汗だく……。なのでちょっと贅沢に寝袋2枚使いしてます。高山だったら2枚重ね、低山だったら1枚にすれば軽量化にもなりますしね。
シートゥサミット/スパークSp0
価格:29,810円
重量:225g
快適温度域:14℃
中綿:850+ フィルパワーウルトラドライプレミアムグースダウン
収納サイズ:9.5×18cm
問:ロストアロー
もともとはファストハイクなどでの使用を想定されたモデルだけど、夏の低山にも最適のスペック。当然、軽量コンパクトなので、その分、低山らしく食へのこだわりを発揮したい派にも向く。
シートゥサミット/スパークSpⅡ
価格:44,110円
重量:505g
快適温度域:4℃
中綿:850+ フィルパワーウルトラドライプレミアムグースダウン
収納サイズ:13×25cm
問:ロストアロー
単体で真夏の北アや肌寒い日の低山。Sp0と組み合わせれば秋の高標高にも対応できる。
ニーモ/テンサーインシュレーテッドレギュラーマミー
価格:22,550円
重量:410g
厚さ:8cm
R 値:3.5
使用時サイズ:183×51cm
収納サイズ:7.5×20cm
問:イワタニ・プリムス
今回紹介するマットのなかでは最高のR値で、女性登山者にも人気。断熱フィルムを内部吊り下げ式にすることで不快な寝返り音を抑えている。
【キリツメくん】
トータル 483g(1,130g)/45,210円
やっぱり軽さが正義っしょ! ファストハイクで、長い距離を一気に歩ききったときの快感はやばいっすよね。だから2泊3日程度の山旅だったらこのくらいの寝具で十分。バックパックも当然UL仕様なので、荷物もできるだけコンパクトにしなきゃなんすよ。
シートゥサミット/スパークSp0
価格:29,810円
重量:225g
快適温度域:14℃
中綿:850+フィルパワー ウルトラドライプレミアムグースダウン
収納サイズ:9.5×18cm
問:ロストアロー
ジッパーなどの細部までを軽量化することで、このレベルでトップクラスの軽さを誇る。スパークシリーズは、すべてのモデルが撥水ダウンを採用するのでシュラフカバーなしでも使用できる。
クライミット/イナーシャXフレーム
価格:15,400円
重量:258g
厚さ:3.8cm
R 値:非公表
使用時サイズ:183×45cm
収納サイズ:7.6×15.2cm
問:ハイマウント
クライミットの代名詞的存在。大胆に肉抜きされて超軽量&コンパクトかつ適切な箇所に空気室を配置することでクッション性もサポート。寝袋の中に入れて使用する。
インシュレーションジャケット&パンツ
参考重量:647g
この組み合わせはインシュレーションジャケットとパンツでブーストするのが前提条件となる。
【エクストリームさん】
トータル 721g(1,420g)/18,810円
俺は沢登りやバリエーションルートなども行くから、ギアのタフさは重要視してる。軽さとタフさの両立ってなかなか難しいんだけど、これがいまのところのファイナルアンサー。アタックザックに入れておけるサイズ感だから、アタック時にビバークするときの保険にもなるね。
モンベル/タイベックスリーピングバッグカバー
価格:6,380円
重量:148g
収納サイズ:9×5×19cm
問:モンベル
タイベックの超軽量寝袋カバー。サーモライトリアクターと組み合わせて、温度をブースト。アルミ蒸着加工のビビィを用いれば、さらに温度向上をはかれる。ちなみに石井スポーツのあるスタッフさんがガチで採用しているスタイル。
シートゥサミット/サーモライトリアクター
価格:7,150円
重量:248g
向上温度:8℃
収納サイズ:11×17cm
問:ロストアロー
本来は寝袋の中に入れて使用するインナーシーツ。体感温度向上はもちろん、肌触りもクセになる。
エクスペド/フレックスマットM
価格:5,280円
重量:325g
厚さ:1.8cm
R 値:1.5
使用時サイズ:183×52cm
収納サイズ:13×52×15cm
問:双進
クローズドセルマットとしては寝心地と薄さを兼ね備えている。パンク知らずで設営も一瞬。
どうせ持っていくなら活用を。寒い! と思ったときのお助けアイテム
いつも持っていく山の必需品のなかにも、就寝時の防寒対策に使えるものって結構ある。ここではそんなサポート役をいくつかご紹介。
レインウエア
就寝時は地面からくる冷気をどうシャットアウトするかが大切。寝袋の下、とくに腰回りにレインウエアを敷くだけでもだいぶ体感温度は変わってくる。
ダウンウエア
ウルトラライトの世界では、常識となっているダウンジャケットでのブースト。フード付きのものを選んで、頭部分のない寝袋にするとさらに軽量化。
バックパック
レインジャケットと同じ理屈で、地面からの冷気を防ぐのに一役買う。ほかにも足元に敷いてマットを半身のものにすることで、軽量化をはかるという手も。
ナルゲンボトル
おそらく多くの人がお世話になったであろうナルゲン湯たんぽ。そのままでも良いが、プチプチ(梱包材)でケースを作ると、さらに保温力がアップ。
ニットキャップ
軽量化をするにあたって、頭部のない寝袋を使う人も多いかもしれない。そういうときはダウンジャケットにニットキャップを組み合わせてガード。
体格に合わせて快適寝具をチョイス!
軽量化の鉄則として、不要なものを切り捨てるというのがある。それは寝具にもいえることで、いかに体にフィットした寝袋やマットを選ぶかも重要だ。
イーサーライトXT インサレーティッドマット
レクタンギュラーレギュラーワイド
価格:23,760円
重量:630g
使用サイズ:183×64cm
普通のマットだとはみ出ちゃう……、そんな悩みを持つちょっとワイドボディの人はマットもワイドサイズを。重量アップは安眠で得た、みなぎる体力でカバーするのだ!
ウィメンズ イーサーライトXT
インサレーティッドマット
価格:23,870円
重量:495g
使用サイズ:168×55cm
シートゥサミットがリリースしている女性用マットは、そのシルエットが秀逸。腰の幅は広めにする反面、肩幅が狭めになっていて、女性の体型にフィットさせている。
スパークSpⅢ ロング
価格:57,310円
重量:745g
適合身長:最大192cm
レギュラーだと最大183㎝までしかカバーできないところを、ロングバージョンは192㎝まで対応。その分重量はレギュラーに比べて55gアップ。背の高い人はコチラを。
フレームFmⅢ
価格:53,680円
重量:665g
適合身長:最大170cm
先出のマット同様に、肩周りを狭く、腰回りを広くとっている女性用の寝袋。適合身長も170㎝と短めに設定されているので小柄な男性や子どもにもオススメだ。
教えてくれた人
石井スポーツ 酒井秀彰さん
銀座店勤務。夏山登山はもちろん、アイスクライミングなどの経験も持つ。多岐にわたる登山経験を活かして、その人のベストを探し出す接客スタイルが好評。
https://www.ici-sports.com
※この記事はPEAKS[2021年5月号 No.138]からの転載であり、記載の内容は原則的に誌面掲載時のままとなっております。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。