アイスクライミングの祭典「アイスキャンディフェスティバル2023」 3年ぶりのリアル開催が実現!
PEAKS 編集部
- 2023年02月10日
南八ヶ岳のベース基地であり、通年登山者でにぎわう赤岳鉱泉。この赤岳鉱泉の冬の恒例行事、人工氷瀑を登るリアルイベント「アイスキャンディフェスティバル」が、3年ぶりに2023年2月4日~5日の2日間で開催されました!
リアル開催は3年ぶり。今年は20年目のメモリアルイヤー
通年営業であり、冬も硫黄岳やバリエーションルートなどを目指す人が多く訪れる南八ヶ岳の赤岳鉱泉。この赤岳鉱泉では、氷のクライミングウォール=人工氷瀑を毎年作っており、トップロープで安全にアイスクライミングを楽しむことができます(赤岳鉱泉での申し込みが必要)。
人工氷瀑は鉄骨の足場を組んで、初冬から地道に散水を繰り返して作られます。手間暇かけて作られるこの氷瀑は「アイスキャンディ」と呼ばれており、この氷壁を登るアイスクライミング体験イベント「アイスキャンディフェスティバル」も冬の恒例行事になっています。
ですが、2020年の開催後にコロナ禍に突入。2021年、2022年はオンラインで開催され、今年は3年ぶりに参加者を募った本来の形、リアルでの開催が実現しました。
開催にあたっては多数のメーカーが協賛。アウトドアメーカーの契約ガイド、赤岳鉱泉スタッフなどが講師としてアイスクライミング体験をサポートしてくれます。
35歳という若さながら赤岳鉱泉・行者小屋の主人であり、アイスキャンディフェスティバルを取り仕切る柳沢太貴さん。柳沢さんのあいさつとともにイベントがスタートしました。
柳沢さんのあいさつに続いて、プロアイスクライマーであり今回の体験会の講師を務める八木名恵さんがデモンストレーション。この日は雪が降る極寒のバッドコンディションのなか、参加者の声援を浴びつつ、圧倒的なスピードで登ってきます。最後には20周年を祝う垂れ幕も登場。
イベントではこれまで土日の両日とも体験会が実施されていましたが、今回は無理のない運営体制で開催するために土曜日に申し込み、日曜日の午前に講習を行なうというスケジュールに変更。希望の講習を開催するブースに参加者が集まりました。
未経験者でもアイスクライミングを体験できるのがこのイベントの良いところ。ハーネス、前爪付きのクランポン、アイスアックスなどはレンタル品を利用することができます。
夜は「滝」を表現するプロジェクトマッピングでアイスキャンディが彩られました。腕に覚えがある山小屋スタッフが、照らされた壁をクライミング。日中のようにクリアに壁が見えず、途中少し苦戦しながらも見事に登り切り、参加者からは拍手が!
夜は小屋の中でトークショー。ヤマテン代表の猪熊隆之さんによる天気に関するクイズ、長野県警山岳遭難救助隊隊員による安全登山の話、そして、最後に大人気登山ユーチューバー・かほさんと国際山岳ガイド・近藤謙司さんによるモンブランやアコンカグアの登頂秘話などで盛り上がりました。
翌日は前日とは打って変わって快晴に! 八ヶ岳ブルーの空の下、意気込み十分の参加者が声援を受けながらアイスキャンディに取り付きます。
こちらは山側にある東面。天然の氷瀑のようにランダムな形状になっており、ルート取り次第で易しくも難しくもなります。初心者から熟練者まで人が途切れません。
こちらはステップが入っていて比較的登りやすい西側の壁。初めての人でもトライしやすく、登り切る達成感を味わうことができます。
熱心にアドバイスしているのは、山岳ガイドであり甲斐駒ヶ岳・七丈小屋の主人としてもおなじみの花谷泰広さん。ほかにも世界で活躍するアイスクライマーの門田ギハードさんなども参加し、体験イベントとは思えない豪華な顔ぶれがイベントを盛り上げます。
また、アウトドアブランドのマムートによるビーコン講習、WMAJ(ウィルダネス メディカル アソシエイツ ジャパン)の野外災害救急法体験会など、山で役立つことを学べる講座も同時に実施されました。
無料のバーベキューのふるまいも! ほかにも八ヶ岳のふともで焙煎を行なっている「COFFEE LAB by hatte 八ヶ岳珈琲研究所」による無料コーヒーのサービスなど、とにかく太っ腹なふるまいに参加者もスタッフも大満足。通りがかった登山者もふるまいとイベントの雰囲気を堪能していました。
登る人はもちろん、登らない人も冬の八ヶ岳ならではの魅力を体感できるのがアイスキャンディフェスティバルの良いところ。「アイスキャンディは敷居が高そうで……」という人も、イベントを見るだけでも楽しめ、そのうち登りたくなってしまうはず。もちろん来年もイベントは開催予定なので、ちょっとでも気になったら、立ち寄ってみることをおすすめします!
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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