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來翼天翔之図 |旬のライチョウと雷鳥写真家の小噺 #6

現時点において、厳冬期を含めた丸一年のライチョウの生態を記録し、それをまとめて写真展を開催したり、自費出版ではあるが一冊でライチョウの通年の生活がわかる写真集も発行している。一般的な写真家やカメラマンならば一度まとめている以上、次の被写体に移るなり場合によっては手を引くなどになるであろうが、私に関して言えばその発想はない。自ら写した彼らの姿を、更に自らの手で更新、研磨、追求していくという底なし無限行に突入している。もっとも、ライチョウ以外にパッションが湧かないという根本的な理由があるのでほかに選択肢があるわけでもないのだが、今日も今日とて頭の中は彼らのことでいっぱいである。

編集◉PEAKS編集部
文・写真◉高橋広平

「來翼天翔之図」

さて、5月は繁殖期真っ盛り。アクティブに動き回るオスたちに会うことができる季節である。
ライチョウの生活は明け透けもなく言えば毎年同じことの繰り返しである。人間のようにあれこれと煩雑な生活ではなく、とにかく生きることに全力を注いでいる。またそれ故に魅力的で愛おしい。
季節により行動はおおよそ同一であるため、生態さえ熟知していればピンポイントで生息域に入山し、望みのシーンを撮影するということも可能である。

そして、いまだに飛ばないと思っている人がいるほど飛翔イメージのないライチョウであるが、この時期ならば比較的頻繁に翼を広げる勇姿を目にすることができる。
彼らの飛ぶ際の法則……、みたいなものをふたつほど挙げると、
・用事さえあれば飛ぶ
・人間がいる際は基本的に背中を向けて飛ぶ
というものがある。
つまり、こちらに顔を向けた状態で飛んでくるライチョウを撮影するとなると、それなりの望遠仕様の機材で彼らが気にしない遠くから狙撃という手段が一般的であろう。私も撮影時は望遠機材と広角機材の2本使いなので、遠くから狙うことも可能である。

次にシャッターを切るわけだが、おそらく彼らの飛んでいる姿を写真に収められたことがある人のほとんどは「飛んでいたからシャッターを切った」だと思うが、私は違う。
私の場合は「飛ぶ気配を前もって察知してシャッターを切る」という手法を用いている。理屈は説明しづらいのだが、私は彼らの「これからコッチに飛びますよ」という意思を察することができるので、ある程度先回りして構図を考えながら撮影することができるのだ。このため望遠機材のみならず広角機材での撮影をすることができる。実際にこの手法を用いて晴天のもと羽ばたくライチョウを切り取った代表作「蒼天を舞う」という作品があるのだが、機会をみつけてはこの作品の更新にも挑んでいる。

今回の一枚は「來翼天翔之図」。
來(らい)はライチョウの古式呼称。薄曇りのなかで撮影したため蒼天を舞うとはいかなかったが、両の翼の展開を近距離から撮影したことにより、以前よりも良いディテールのものを収めることができた。
ご存知の方もいるかもしれないが、この春に信州・松本のジュエリーショップとコラボをしてこの作品のライチョウの姿を忠実に再現したペンダントが発売された。売り上げの一部がライチョウ保護活動に寄付される仕組みになっているので、興味のある方はぜひ検索していただければと思う。

今週のアザーカット

松本のジュエリーショップ「マサキアムセイ」さんとのコラボで生まれた「羽ばたく雷鳥のペンダントトップ」。広げた翼の羽根一枚一枚も緻密に再現している。ディテールにうるさい私が全力で監修しているのと、職人さんの業前のおかげで造形は折り紙付きである。今後も同店でコラボジュエリーを作成していくつもりなので、気になる方はぜひとも注目していただけたらと思う。

—————————————

MASKI AMSEI
長野県松本市中央2丁目3-15
営業時間:10:00~19:00
TEL&FAX:0263-50-9877
https://masakiamsei.com/
Instagram:@masaki_amsei

 

▶過去の「旬のライチョウと雷鳥写真家の小噺」一覧はこちら

 


 

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PROFILE

高橋広平

PEAKS / 雷鳥写真家・ライチョウ総合作家

高橋広平

1977年北海道生まれ。随一にして唯一のライチョウ専門の写真家。厳冬期を含め通年でライチョウの生態を紐解き続けている。各地での写真展開催をはじめ様々な方法を用いて保護・普及啓発を進めている。現在「長野県内全小中学校への写真集“雷鳥“贈呈計画」を推進中。
Instagram : sundays_photo

高橋広平の記事一覧

1977年北海道生まれ。随一にして唯一のライチョウ専門の写真家。厳冬期を含め通年でライチョウの生態を紐解き続けている。各地での写真展開催をはじめ様々な方法を用いて保護・普及啓発を進めている。現在「長野県内全小中学校への写真集“雷鳥“贈呈計画」を推進中。
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