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赤をもとめて|旬のライチョウと雷鳥写真家の小噺 #13

ライチョウの写真を撮る……という都合上、さまざまなシチュエーションでシャッターを切りたいと思っている。それこそ独力で厳冬期の生態をも調べ上げ、年間を通しておおよその情景を脳内再生できるくらいにライチョウのことには精通しているのだが、最終的には彼らの動向と時の運に基づく一期一会によるところが大きい。山の季節は秋に差し掛かり、草紅葉が始まってきた。

編集◉PEAKS編集部
文・写真◉高橋広平

「赤をもとめて」

暦の上ではすでに立秋をとうにすぎて秋なのだが、今年の下界はいつ終わるともわからない夏の暑さが続いている。いつだったか、なにかの文献でライチョウは生息環境の気温が27℃以上になると体調を崩すと記述があったのを思い出すが、今年はとくに暑い印象があるため彼らのコンディションが心配である。

さて、黄色く色付く草木の多い高山帯であるが個人的には「赤」の配色が好みである。写真作品を撮影するにしても、やはりこの赤があるかどうかで秋の作品は鮮やかさに違いが出る。
私が普段なじみのあるこの季節の「山の赤」はナナカマドかウラシマツツジといったところである。空の青、岩の黒、朝夕の茜色、そして冬の白と秋の紅葉の赤が四季折々の作品に仕上げる際に重要なアクセントになる。

初夏にその誕生と巣立ちを見届けたライチョウ家族一同。ことによっては全滅も珍しくない子育て環境において3羽も立派に成長させているこの母鳥の手腕はなかなかのものである。子供たちの大きさも親のそれに迫る勢いで安心してその後を見守れるようになっている。
子育て期間中は特定の巣を持たないものの、母鳥の把握している一定の範囲の食べ物が確保できる場所を順繰りで移動しながら生活している。おそらくは、いまどこにいけば何が食べられるか生活圏内の情報を知り尽くしていて、その時々の旬のものや量が豊富な場所へ連れていき子供たちに与えているのだろうと推察できる。

今回の一枚は赤い絨毯のようなウラシマツツジのなかで佇む親子たちの図。
上方で子供たちを見守る母鳥。その周りの子供たちもだいぶん大きくなっているが、母鳥と比べると首回りのモコモコ度が高く、妙にあどけなさを醸し出している。
やはり季節限定ということもあるが、山のなかの赤は非常に映える。

今週のアザーカット

今回のテーマ「赤」にちなんで、先日撮影してきたばかりのものを載せたいと思う。
稜線の向こうから陽が昇る直前、そよ風になびくチングルマ(毛バージョン)のシルエット越しに朝焼けに染まる一筋の雲。やはり赤のアクセントは個人的に好きである。

▶過去の「旬のライチョウと雷鳥写真家の小噺」一覧はこちら

 


 

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PROFILE

高橋広平

PEAKS / 雷鳥写真家・ライチョウ総合作家

高橋広平

1977年北海道生まれ。随一にして唯一のライチョウ専門の写真家。厳冬期を含め通年でライチョウの生態を紐解き続けている。各地での写真展開催をはじめ様々な方法を用いて保護・普及啓発を進めている。現在「長野県内全小中学校への写真集“雷鳥“贈呈計画」を推進中。
Instagram : sundays_photo

高橋広平の記事一覧

1977年北海道生まれ。随一にして唯一のライチョウ専門の写真家。厳冬期を含め通年でライチョウの生態を紐解き続けている。各地での写真展開催をはじめ様々な方法を用いて保護・普及啓発を進めている。現在「長野県内全小中学校への写真集“雷鳥“贈呈計画」を推進中。
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