「もしも」のときの必須装備!日帰り登山のエマージェンシーギア& ファーストエイド公開
PEAKS 編集部
- 2024年02月07日
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好評発売中「PEAKS 2024年3月号(No.164)」より、誌面記事の一部をご紹介します!
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どんな山行においても、もしもの備えとして自身や仲間の緊急時に対処するための装備は必携品だ。
携行品は、ただ入れておくだけでは意味はなさないが、自分の山での活動を踏まえてなにが役立つか考えぬいて揃えれば本当に山で困ったときに助けとなってくれるだろう。
どんなものがどのように役立つか。3人の装備を参考にしてみよう。
編集◉PEAKS編集部
文◉阿部 静
写真◉熊原美惠
CASE1:山行によってキットのアイテムチョイスを変更。
だれが見てもわかるように、モンベルのファーストエイドケースを使用 。日帰り登山といっても、ハイキングとクライミング要素を伴うものではリスクが異なるため、山行によって受傷しやすいケースを考え、キットの内容を少しずつ変更している。他人の応急処置用に、感染予防のためのゴム手袋を1セットは必ず携行⑳。ケガの際は水で傷口を洗浄するのが基本なので、小さめのペットボトルに清潔な水を入れている。穴を開けたペットボトルのフタを持っておくと洗浄しやすい⑱。消毒液は個装の消毒綿球が使い捨てできて便利⑰。
大容量で大きく開き視認性の高いポーチ
開口部は大きく開き、取り出しやすい。インナーポケットが透明になっておりひと目でなにが入っているのかわかる。
Profile:国際山岳看護師/和田知穂さん
2023年春に国際山岳看護師の資格を取得し、山岳診療所での救護活動や遭難捜索活動に携わっている。小学2年生で初めて立山へ山スキーに出かけて以来、山スキーに夢中。社会人より冬山登山を始め、沢登りやアルパイン、アイスクライミングも楽しむ。
CASE2:長距離行動のリスクヘッジを考えた装備。
日帰り登山の場合は長距離歩くことが多く、リスクも高くなるためツエルトは必ず携行。冬のバリエーションルートの順番待ちや、雪洞の入り口に被せたりと緊急時以外にも積極的に使用⑧。自分や仲間がケガしたり虫に刺されたりといったことはいつ起きてもおかしくないため傷口の消毒等の処置ができるものも必ず持つ⑤⑮。⑬は頑丈で道具をまとめるのになにかと便利。外付けにするときにも重宝する。②はツエルトと併用することで万が一の際にはかなり暖かくすごせる。⑫は仲間の靴紐が切れて使ったことが一度だけある。細引きとしても使える。
Profile:アウティングプロダクツエルク スタッフ/松崎祥平さん
滋賀県出身。登山とクライミングのために2022年に山梨県に移住。クライミング、アイスクライミング、バックカントリースキーなど楽しむが、より山が身近になりトレイルランニングも開始。トレランやクライミングを楽しんでから出勤する日々。
CASE3:自分で対応できる「万が一」を想定したセレクト。
自分で対応できる範囲で考えられる「万が一」を想定して救急キット、ビバークアイテムを用意。レインウエアが破れたり、バックパックが裂けたりすると行動に支障をきたすので、リペア道具も入れておく⑮⑯⑲ 。日帰りでも長期間でも想定する「万が一」は同じなため中身は変えないが、半年に一度はチェックして、絆創膏や薬などは必要に応じて一新し、ほかに役立ちそうなものがあれば入れ替えている。キットはすぐに取り出せるように、バックパックの雨蓋に。沢登りなどにも同じセットを持っていくため、目立つカラーの防水バッグにまとめている。
Profile:アウトドアライター/大堀啓太さん
大学探検部で沢登りに出合って登山にのめり込み、源流釣り、BCクロカン、MTB、キャンプなどいろいろなアウトドアを楽しむ。アウトドアショップや国内アウトドアブランドで得た山や道具の知識を生かして、現在はアウトドアライターとして活動中。
※この記事はPEAKS[2024年3月号 No.164]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。