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次世代ゴアテックス プロ

ついにゴアテックス プロも「ePE」に。2025年秋冬シーズンから新素材へ切り替え

現在進行形で進んでいる、ゴアテックスの“新素材”への移行。
より環境負荷の小さいプロダクトを——というPFASフリーの流れのなかで近年、ePEという新たな素材が採用されてきている。

そして9月、日本ゴアが発表したのが「2025年秋冬シーズンより、ゴアテックスプロにもePEメンブレンを採用する」というもの。

果たして、ゴアテックスにどのような変化が起こっているのだろうか?
日本ゴアが開いた説明会のようすをリポートする!
※PFASはPFC(パーフルオロやポリフルオロ化合物の略称)を含む、フッ素化合物を表す。

編集◉PEAKS編集部
写真提供◉日本ゴア

PFASフリーのミッションに応える、新素材ePE

ゴアテックス 構造
▲ゴアテックスファブリクスの分解イメージ。通常はこのように3層生地として流通する。

耐久防水性、透湿性、防風性、そして長い製品寿命。

ゴアテックスプロダクトが備えるこれらの特徴を可能にしているのが、ゴアテックスメンブレンだ。表生地と裏地の間に貼り合わされた非常に薄い膜(=メンブレン)のことで、雨をはじめとする外からの水の侵入を防ぎつつ、汗などによるウエア内部の水蒸気を外へ逃がしてくれる。

 

ePTFE ePE

その主素材として採用されてきたのがePTFE(Expanded Poly Tetra Fluoro Ethylene=延伸ポリテトラフルオロエチレン)。“Fluoro”の語からわかるようにフッ素化合物だ。1969年の発明以来、半世紀の長きにわたって組み込まれ、ゴアテックスプロダクトの中枢を担う素材となってきた。

しかし、そのフッ素化合物は近年、自然環境への残留が指摘されており、欧米ではすでに使用の制限、禁止を定める規則が発表されてきている。そのため、フッ素化合物を使わない製品開発を進めよう——という環境配慮型のプロダクトが目指されており、「PFASフリー」の動きがアウトドア業界でも進展しているというわけだ。

PFCフリーってなに? 変化の時を迎えた、シェル素材の撥水加工。

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2021年10月21日

 

それでも、まだ問題があった。
上の記事でもお伝えしているとおり、これまでの「PFASフリー」といえば、主として生地表面の撥水加工技術にかかわるものだった。そもそもメンブレンの主素材としてePTFEを採用している限り、「PFASフリー」は達成されることがない。つまり、求められたのはePTFEに代わる新素材の開発だった。

開発期間、10年。いくつかのアウトドアメーカーとタッグを組んだ研究開発の末、ついに誕生した新素材がePE(Expanded Poly Ethylene=延伸ポリエチレン)となる。

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2024年01月15日

 

より環境にやさしい、新素材のサステナビリティ

平井真理子
▲日本ゴア・平井真理子さん。新素材開発の経緯、次世代ゴアテックスプロダクトの特徴について説明があった。

ePEの採用により、劇的な進歩を見込んでいるのがサステナビリティ。プロダクトがPFASフリーになるのはもちろん、メンブレンがより薄く、軽くなっているために、製造時にかかる二酸化炭素排出量を削減できる。

耐久防水性など、従来のゴアテックスプロダクトが発揮してきたパフォーマンスの水準も変わらず、これまでどおりの性能を期待できるという。
ただ、PFASフリーのプロダクトは、皮脂汚れを防ぐ撥油性が下がることも事実。これまでと同様に、長持ちさせるためにはこまめなお手入れが重要になってくる。

撥水加工においても2018年から始まっているPFASフリーへの切り替えと合わせて、より一層の環境負荷軽減が進展中だ。

次世代ゴアテックス 二酸化炭素 排出量
▲ePEメンブレンへの切り替えによって減らすことのできるCO²の割合イメージ。

 

ゴアテックス 環境
▲ゴア社が取り組んできたこれまでの取り組み。

 

2025年秋冬からは“次世代”ゴアテックスプロに

ゴアテックス 種類
▲ePEメンブレンへの全面移行により、ゴアテックスプロダクトの名称もこれまでのものと変わってくる。

新素材であるePEへの移行が現在進行形で進むなか、今回発表されたのが「2025年秋冬シーズンより、ゴアテックスプロにもePEメンブレンを採用する」ということ。

ゴアテックスプロダクトには、アクティビティの用途や強度に応じた3つのカテゴリーが設けられている。上表右の「GORE-TEX プロダクト」は、タウンユースや日帰り登山などの一般的な用途。
残りのふたつはより強度が高く、負荷の大きいアクティビティに対応するもので、「GORE-TEX Performance プロダクト」は、トレイルランニングなどの激しい有酸素運動を伴うアクティビティを想定している。

GORE-TEX PRO プロダクト」は、雪山登山やアルパインクライミングなどのもっとも過酷な環境下での活動を想定したものだ。

ゴアテックス プロは “Next Level”へ。

ゴアテックス プロは “Next Level”へ。

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ゴアテックスプロダクトとゴアテックスパフォーマンスは、ePEを採用したプロダクトが先行して展開中で、その流れにゴアテックスプロも続くことになる。

もっとも高い性能が要求されるカテゴリーでも、従来の機能を損なうことはない——ラボテストやフィールドテストを数多く行ない、機能水準の担保が確認されたからこそのePE採用であり、次世代ゴアテックスプロの登場となる。

 

阿部 功 日本ゴア
▲日本ゴア・阿部功さん。新素材の「ゴアテックス プロ」プロダクトへの導入について語った。写真右は次世代ゴアテックス プロ ジャケットのサンプルウエア。

登山家・竹内洋岳さんを招いたトークセッションも

竹内洋岳 大貫英昭 ゴアテックス
▲登山家の竹内さん(右)をゲストスピーカーに迎え、日本ゴア・大貫さん(左)を進行役にトークが弾んだ。

説明会では、登山家の竹内洋岳(たけうち・ひろたか)さんをゲストスピーカーに招いたトークセッションも行なわれた。

ゴアテックスをはじめて知ったのは、山岳部員だった高校生のころという竹内さん。
進行役の日本ゴア・大貫英昭さんから、「プロ登山家として、ゴアテックスの素材に求めるパフォーマンスとは?」と問われると、
「それは、圧倒的に耐久性になりますね」と返答。

ヒマラヤでの高所登山、巻き込まれた雪崩から生還した際のエピソードも踏まえつつ、ゴアテックスのウエアは「人間が生きていける環境をウエアの中に保ってくれる、まさに盾となる存在」と語った。

 

竹内洋岳
▲左)竹内さんが着用したウエアの実物も展示された。右)事前に手にしたという、サンプルウエアの感想は「想定したよりも小さく、コンパクトにたたむことができた」。それに対し大貫さんは、「従来品よりもメンブレンが薄くなっているため、プロダクトもより小さく軽く、しなやかになっています」

「今後のゴアテックスに期待することは?」という最後の質問には、

「ゴアテックスを着ることでユーザーである私たちは“進化”し、人類が本来、生き残ることができない標高8,000mの世界にも立ち入ることができる。私たちが未知に挑戦するように、ゴアテックスには私たちの可能性にも挑戦してくるような、期待を裏切る“進化”を期待しています」

とトークセッションを締めくくった。

 

素材の移行期にあり、大きな変革が進行中のゴアテックス。
来秋から登場するゴアテックスプロをはじめ、これからの技術的な革新にも注目だ。

 

【GORE‑TEX】次世代GORE‑TEX
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