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「Arts and Climbs」のクライミングロープをアップサイクルしたギアラックのこと|筆とまなざし#408

クラックやワイドクラックのルートであると重宝するギアラック。

 数年前から、「Arts and Climbsのブランド名で使い古されて廃棄されるクライミングロープをアップサイクルしたアイテムを作っている。実際に制作しているのは妻のみで、ぼくはもっぱらアイデアを出すだけなのだが、ベルトやカメラストラップ、コースターやバスケットにラグなど、日常で使えるアイテムをラインナップしている。ちなみにラグはパタゴニア名古屋ストアの試着室に敷いてもらっているのでお近くの方はぜひご覧いただきたい。そのなかでクライミングでの実用性も兼ねた人気アイテムがギアラックである。

 クラックではカムなどを使うため、ボルトルートより多くのギアが必要となる。ハーネスのギアラックでは足りないし、ワイドクラックでは腰回りをスッキリさせておきたい。そんなときに重宝するのが肩掛けのギアラックである。襷のように肩にかけてギアをぶら下げるのだ。

 ギアラックは昔から使われているアイテムのひとつなのだが、最近ヨーロッパのクラックエリアに通っていておもしろいことに気づいた。それは、北米ではいまも肩掛けのギアラックを使う人が多いのに対して、ヨーロッパではほとんど見かけないということだ。クラッククライミングの文化が根強くワイルドな北米に対し、スタイリッシュなスポートクライミングが盛んなヨーロッパ。そんな地域差なのだろうか、クライマーの愛用ギアにも違いが見て取れるのがおもしろい。

 ちなみに、日本ではいまもギアラックを使用する人の割合は多い。アメリカからフリークライミングが持ち込まれたことに由来するのだろう。ぼく自身はオンサイトトライやワイドクラックではギアラックを愛用しているが、短いクラックやカムのサイズがわかっているときにはハーネスのギアラックで済ませることが多い。

さまざまな点で一推しな「Arts and Climbs」のギアラック。

 ギアラックはさまざまなクライミングメーカーから発売されているものの、「Arts and Climbs」のギアラックはさまざまな点で一推しである。エコロジーであることはもちろん、すべて一点もので色や柄などお気に入りのものが選べる。さらに大切なのが実用的な使いやすさで、パッドが入っていなくて薄いためワイドクラックでもじゃまになりにくい、軽量で非常にコンパクトに携行できる、ロープの外皮を使っているので耐摩耗性に優れるなど、これまで使っていた有名メーカーのものよりも圧倒的に使いやすい。

 これまでは大きめのラックを4つ付けたものが主流だったが、クラックマスターのMさんのリクエスト&フィードバックを元に新たなエキスパートモデルを制作。ぼくも「Green Spit」を登った思い出のロープで作ってもらうことにした。ふたつの大きなラックを腰の位置に、チューブのない細引だけの小さなラックを胸元に3つ。さらにうしろに小ラックをひとつ付けた。大きなラックには通常の大きめのカムを。胸元の小ラックには核心ですばやく取り出したいカムやクイックドローなど軽めのギアのために。うしろの小さなラックは終了点やナッツキーなど登るときには使わないギアをラッキングする。チューブがないのでワイドクラックに挟まる際にも使いやすいはずだ。従来のものに比べてラッキングできるカムの数は少なくなるが、ここぞという本気トライのときにはかなり使いやすいと思う。

 今年の目標は「Arts and Climbs」の海外進出。ギアラックをバッグに詰めて、北米の岩場をめぐりたい。

著者:ライター・絵描き・クライマー/成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ、在住。 山やクライミングでのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作したアトリエ小屋で制作に取り組みながら、地元の岩場に通い、各地へクライミングトリップに出かけるのが楽しみ。日本山岳ガイド協会認定フリークライミングインストラクターでもあり、クライミング講習会も行なっている。

https://www.naruseyohei.com

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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