
山のそばでものづくりVol.21「NODATE」関 昌邦さん・千尋さん

ランドネ 編集部
- 2025年05月12日
山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。今回は会津塗を製造する関美工堂の代表 関昌邦さんにお話を伺いました。
漆器はアウトドアにとても向いている
「関美工堂」関 昌邦さん、千尋さん
福島県出身。昌邦さん(右)は、関美工堂の3代目で、人工衛星に関わる仕事に携わった後、2003年に帰郷し現職に就く。
千尋さん(左)は、地元の温泉宿に生まれ、現在は夫とともに事業を営む。
公式HP sekibikodo.jp

漆器は1万2600年前、縄文時代から暮らしに取り入れられてきた、日本人にとって馴染み深い伝統工芸のひとつ。
福島県会津若松市を拠点とする関美工堂の関昌邦さんと千尋さんは、日本三大漆器として名高い会津塗を現代版にアップデートした製品を、世に送り続けている。

地域の衣食住に関わるコミュニティ その集大成を、使い手に届けたい
代表の昌邦さんは、1946年に創業した関美工堂の3代目。大学卒業後は都内で人工衛星関連の仕事に就いていたが、35歳で会津に戻り、地域の漆器産業の衰退を目の当たりにした。

木を伐る人、木を削る人、漆を塗る人、レーザーで模様を彫る人、蒔絵を描く人、革ひもをなめす人。各工程に技術をもつ職人がいて、その集大成が漆器という製品になる。こうした地域に根差す衣食住のコミュニティを、未来へつなぎたい。2010年に誕生した「NODATE」は、昌邦さんのそんな思いのもと立ち上がったブランドのひとつだ。
着想を得たのは、ある野外フェスでファミリーキャンプを経験したとき。
「せっかく自然のなかにいるのに、ケミカルな素材のモノだけに囲まれているのはどうなのか、と思ってしまって」

昌邦さんいわく、漆は280度でも溶出せず、氷点下でも凍らない。さらに、薄塗りの「摺り漆」という技法を使うため軽量だ。つまり漆器は、アウトドアでの使用にとても向いていると言える。機能面の特徴もさることながら、漆の下に透けて見える美しい木目、優しい口触りや手触りも魅力的。
ぜひ外へ持ち運んで、その使い心地を試してみてほしい。
NODATE の商品一覧
■Leaf plate
天然のホオノキを使った、朴葉がモチーフの大皿。最長部33.5㎝という大きさながら、150gと軽量なのがうれしい。吊り下げられる鹿革の革ひも付きで便利。(各5,830円)
※写真上の大皿
■高野竹工 × NODATE bamboo カトラリー
京都の竹製品工房「高野竹工」と NODATEmugのコラボアイテム。竹と漆で軽量・長持ちなのが魅力。スプーン、ナイフ、フォークがある。鹿革の革ひも付き。(各4,180円)
※写真右上
■NODATE シリーズ
すべて木目が横に入る「横木」で製作。左からone(8,250円)、mug(6,600円)、tanagocoro(5,500円)、 choco(4,950円)。重ねて収納も可能。※oneは春以降発売予定
※写真下
■chabu
軽量コンパクトなチャブ台。天板は半月状に折り畳める。脚は2枚の薄い板を天板にはめ込む構造。chabu50(38,500円)、chabu70+10H(48,400円)、chabu90+10H(62,700円)
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PROFILE

ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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