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いつかリアル店舗「山旅旅ストア」が生まれるかも!?/「山旅旅」編集長・柳原一信さん (後編)│ 低山トラベラー、偏愛ハイカーに会いに行く#28

低山トラベラーの大内征さんが山好きさんと山を歩く、連載「偏愛ハイカーに会いに行く」。山の愛し方は人それぞれ、とはいうけれど。十人十色の偏愛ワールドをのぞいてみれば、これからの山の愛し方とその先の未来が見えてくる、かもね。

今回の偏愛さん

「山旅旅」編集長・柳原一信さん

登山・トレラン・山スキーマガジン「山旅旅」編集長。YouTube チャンネルも人気。フィールドを問わず、豊富な知識と経験から導かれる独自の視点で、アウトドアの魅力を発信し、幅広い層のファンをもつ。山旅旅を通じて、登山文化の普及と持続可能な登山の在り方を推進している。

それでも大事なのは対人コミュニケーション。いつかリアル店舗「山旅旅ストア」が生まれるかも!?

ITを巧みに活用している印象があるけれど、じつはリアルなコミュニケーションを渇望しているのも柳原さんの人柄を表している。もともとぼくは面会の打診を受けたところから彼との付き合いが始まっているし、そのあとも執筆などの打合せで直接会う機会が多かった。年1回ほどのペースで山に行ったり、アウトドアブランドの展示会をいっしょに覗いたりと、なにかと行動をともにする機会がいまも続いている。

▲初の長距離トレランはさかいやスポーツの高橋さんに「いっしょに挑戦しよう!」と誘われて。日和田山を登るとそのときのドラマが蘇る

山旅旅を始めたことで、アウトドア業界の人と友だちになれることがうれしいとも語ってくれた。その意味では、趣味嗜好の合う人たちとの出会いによって、いまの柳原さんのポジションが周囲の力も借りながら形成されてきたのは間違いないことだろう。

数ある出会いのなかでも、さかいやスポーツの高橋典孝さんとの出会いが大きかったとふり返る。水道橋の店舗に足を運ぶようになり、数々のマニアックな質問をぶつけた相手こそ、高橋さん。仲よくなったいまでは「細かすぎて相手するのが大変なお客さんだったよなあ」とか。

「けど、あれがいまの柳原さんをつくっているよね」と、本音で愛のある言葉をかけてくれるそう。高橋さんもまた、すばらしい人格者なのだと思う。

▲YAMATABIブランドでは不定期で展示会も実施。実際にお客さんと話すことで細かい意見交換 ができ、自社ブランドの改善点につながっている

今回のインタビューの舞台は、埼玉県の日和田山。柳原さんが長距離トレランデビューした地である。初体験にして秩父へ50㎞という無謀な挑戦に伴走してくれたのもまた、高橋さんだった。完走して「ふたり感極まって泣いたんですよね」と、うれしそうに思い出す。

帰り道、いつかは視聴者とリアルなコミュニケーションができる実店舗を作るのもいいなあと、いまの思いを語ってくれた。そして「でも、僕みたいな細かくてうるさいお客さんを相手にするのは、ちょっと嫌だなあ」と、飛びきりな笑顔の柳原さん。その笑った表情、今後も動画でぜひ見せてほしい!

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PROFILE

大内征

ランドネ / 低山トラベラー、山旅文筆家

大内征

歴史や文化をたどって日本各地の低山を歩き、ローカルハイクの魅力を探究。NHKラジオ深夜便、LuckyFM茨城放送に出演中。著書に『低山トラベル』など。ライフワークは熊野古道。

大内征の記事一覧

歴史や文化をたどって日本各地の低山を歩き、ローカルハイクの魅力を探究。NHKラジオ深夜便、LuckyFM茨城放送に出演中。著書に『低山トラベル』など。ライフワークは熊野古道。

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