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ラインの伸び率を考える【ソルトゲームの戦術】

素材ごとの適材適所

釣り糸の素材はいろいろありますが、現在はナイロン、フロロカーボン、PEの三つが代表的。ソルトゲームに限って言えば、PEはリールに巻き込むメインライン、フロロカーボンはハリスやショックリーダーに使われることが多く、ナイロンはメインラインとしてもリーダーとしても使われます。

ソルトゲームの場合、ラインにはリールに巻く糸とショックリーダーの役割がある。

それぞれの素材で伸び率に大きな違いがあることはよく知られています。製品や使用環境によって多少の誤差はあるものの、一般的にはナイロンが25~35%、フロロカーボンが20~30%、PEが4~5%の伸度とされています。

伸度というのは、その糸が限界まで伸びて破断する際の長さから割り出されます。つまりナイロンラインなら、1mの糸が切れるまで荷重をかけたときに最大で125cm~130cmまで伸びているということ。軽く引っ張っただけでいつでも30%伸びるわけではありません。ここは誤解されやすいところです。

ラインの伸度は破断強度の限界まで負荷を掛けた時の数値から算出される。

また、ナイロンとフロロでは伸び率があまり変わらないように見えますが、これも同じ理由です。結果的に同じ伸び率であっても、フロロカーボンは低荷重域での初期伸度がナイロンより小さいため、通常の使用範囲において伸びを実感しにくいのです。伸度が低いほどアタリに対する感度やアワセのレスポンスが向上することは言うまでもありません。

現在の主流はPE

PEラインはいまや、キャスティングからジギングまですべてのソルトゲームのスタンダードと言っても過言ではありません。引張強度が同一ならナイロンやフロロに比べて細く、伸びも少ないことから、遠くのポイントや深いポイントを攻める際にも有利です。

PEラインをメインに、リーダーとしてナイロンやフロロを接続する。PEの出現で海の釣りは大きく進化した。

PEの伸び率は4~5%と書きましたが、これは単線の状態での数値。PEラインは複数の繊維を編み込んで作るブレイデッドラインであるため、製品になった状態ではまた違った数値になります。各メーカーは様々な工法を駆使して固く密に編み込み、より伸びの少ない製品に仕上げるべく努力を重ねています。

ジギングにおけるラインの伸び

ではその伸びは、実際の釣りにどのようにかかわってくるのでしょうか。通常ジギングやタイラバでディープと言ったら、100mが一つの目安です。しかし近年は200mくらいまで攻めることは珍しくなく、250m~300mを狙う中深海の釣りや、1000mに挑む深海の釣りへと、フィールドは拡大するいっぽうです。

ジギングの守備範囲は年々深場へと拡大するいっぽう。ラインの伸びはゲームに大きく影響する。

仮に100mレンジでジギングをすると、PEラインは5m前後伸びる可能性がありますが、これが200mなら10m、300mなら15m、1000mではなんと50m!も伸びる計算です。これではアタリを感じるのも難しく、ましてや到底魚の口にハリなど掛けられそうにありません。さらに言えば、PE以前はこれをナイロンでやっていたのですから、理論上は水深100mでさえ最大で30mも伸びていたことになります。PEラインの出現でいかに釣りが変わったか、ということがわかります。

もちろん、前述の通りこれは大きな荷重が掛かって限界まで伸びた場合の数値ですが、水深が深くなるほどジグは重くなり、フッキングには強い力が必要であり、大型魚がヒットすればさらに大きな負荷が掛かるので、あながち的外れな話でもありません。それでもバイトと同時に反転する魚の動きやジグの自重、水圧等がカウンターとなって釣りが成立しているのです。

キャスティングにおけるラインの伸び

ではキャスティングゲームではどうでしょうか。ルアーを投げて水平方向に探るキャスティングゲームでは水圧も掛からず、PEラインのメリットはジギングほど感じられない…と言いたいところですが、キャスティングでもやはり、PEラインの伸びの少なさは大きな武器になります。

キャスティングゲームもPE抜きには語れない時代。飛距離、アクション、フッキングなど、釣りの精度が劇的に変わった。

その最たるものはルアーアクションのキレが増すこと。遠く離れたルアーであっても小さな動作でキビキビと動かすことができ、アタリに対する感度やフッキングのレスポンスといった部分も秀逸。無駄に大きくロッドを煽る必要がないためアングラーの疲労も軽減します。また、同一強度ならナイロンに比べて細いため、遠投性能に優れることもメリットになります。

ナイロン、フロロのメリット

ここまで聞くとPEが万能であると思えるかもしれませんが、PEにも弱点があります。それは伸びが少ないがゆえのクッション性の欠如と、細い繊維の集合体であることから摩擦や熱に弱いこと。海底の根や魚の歯にはめっぽう弱いのです。そこで活躍するのがナイロンやフロロカーボンです。これらをショックリーダーに使うことで、ナイロンはPEラインのショックを吸収し、フロロカーボンはその耐摩耗性でPEの弱点をカバーしてくれるというわけです。

PEの弱点を補うのがショックリーダー。ナイロン、フロロの特性を知って適材適所で使い分けたい。

仮にリーダーとしてナイロンを3ヒロ(約4.5m)接続した場合、単純計算で最大1.35mの伸び。そんなことをイメージしてロッドワークやアワセを行えば、より確実な釣果を得ることができるでしょう。

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SALT WORLD 編集部

SALT WORLD 編集部

近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

SALT WORLD 編集部の記事一覧

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