2021最新版! 西本康生のサクラマスジギング “暴れ気味のジグアクションとチーム戦で攻略!”
SALT WORLD 編集部
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1、2匹キャッチできれば上々、とされてきたサクラマス狙いのジギングゲーム。近年はよりキャッチ数が増える傾向があるようだ。好況に見舞われたことが主たる原因でもあろうが、釣法の進化も大きい。ここではスローピッチジャークを基本スタイルに、足繁く東北、北海道の各フィールドに通い続ける、西本康生のサクラマスジギングスタイルを紹介する。
基本となるのは3つのジャークパターン
サクラマスのジギングゲームは、近年、西本康生が注力している釣りのひとつ。昨年は新型コロナの影響で、極端に釣行回数が少なかったが、今年は、3月上旬からコンスタントに釣行を繰り返している。釣行先も北海道の積丹沖、青森県の野牛沖、岩手県の宮古沖、そして今回、実釣取材を行った大船渡沖など複数に及んでいる。加えて、北海道網走沖への釣行など、自身にとっての新たなフィールドへの挑戦も欠かすことがない。現在は、経験を積み重ねながらサクラマスゲームへの理解を深めつつある状況だ。
サクラマスに対する西本の基本的なアプローチ法は、大きく3つのジャークパターンに分けることができる。
基本は「少し強めを意識したジャーク&フォール」。フォールは短く入れることが多い。カタクチイワシがメインベイトとなっているときの基本パターンでもある。
「おとなしめのジャークと長めのフォール」を織り交ぜるパターンも多用する。これはフォールを強く意識するときのアクションパターンで、マイワシがメインベイトになっているときに有効なことが多いという。
フォールをほとんど織り交ぜず、「ジャーク&ジャークで誘い上げる」パターンも有効だ。これはコウナゴがメインベイトとなっているときに、メインパターンになることが多い。
以上の3つのメインパターンに加え、三陸エリアでイサダと呼ばれるツノナシオキアミが捕食されているときは、細かいジャークによってジグがヒラヒラ舞うように演出するパターンが有効なときもある。これも覚えておくとよいだろう。
ジャークパターンに応じたジグの使い分け
ジグは3つのメインパターンに合わせ、意識的に使い分けていくことが多い。使用するのはディープライナー製が中心だ。基本となるジグはSPY-V。これはいずれのアクションパターンでも多用する。ベースとなる「強めのジャーク&短めのフォール」では、ほぼSPY-Vで対応可能だ。「大人しめのジャーク&長めのフォール」ではSPY- Narrowを、「ジャーク&ジャーク」ではスピンドルNarrowを使うことも多い。イサダを偏食し、ヒラヒラ舞うようなアクションを狙うときには、スピンドルNarrow、スロースキップVB、FBを登場させることもある。
実釣取材ではコジャントブランドから発売された新作ジグ、FOCUS -M10も大活躍した。
「コジャントの開発を担当している西村昌季が多くの釣り人を観察し、丁寧な釣りをしている人のヒット率が高いという実感を得たことから作り始めたジグがFOCUS -M10です。丁寧な釣りをする人とは、”一日を通してしっかりしたワンピッチ・ワンジャークをしているアングラー”ということ。こうした基本動作を”ジグメーカーとしていかにサポートするか”を考えた結果のジグが、FOCUS -M10。サクラマスジギングではSPY-Vと同様の位置づけで使ってもらえると思います」
非常にベーシックなジグと言えるだろう。それだけにスローピッチジャークの基本動作であるワンピッチ・ワンジャークを身につけやすい。「すでに身につけたアングラーなら誰でも使いやすいし、気持ち良く使える」と西本。王道のジグをあらためて提案した、という印象だ。
ジグアクションを考慮したタックルをセレクトする
演出しようとするジグアクションに応じて、ロッドも使い分けている。
基本となるのはディープライナーのロジカルシリーズ。おとなしめのアクションを狙うときは70-0を、少しジグを暴れさせるような、強い釣りを意図するときは60-1を手にすることが多い。また、コジャントのFOCUS シリーズもテスト中。今回の実釣でも多用したが、今後は登場する機会が増えてくるかもしれない。
使用するリールはスタジオ・オーシャンマークのOGMブルーヘブンL30Pw/R。サクラマスジギングで一般的に使われるリールとしてはやや大型という印象を受けるが、そのセレクトには理由がある。
「大型のハンドル、そしてギア効率の良さの2点がOGMブルーヘブンL30Pw/Rを選ぶ理由です。サクラマスジギングではジグをしっかり動かすことが大切。よく動くものにサクラマスが反応しやすいからです。ジグを楽に、しっかり動かすことができるブルーヘブンのトルクとギア効率の良さを生かし、10mのレンジを15~16回のピッチで探るようにしています」
現状ではローギアモデルのL30Pw/Rを多用しているが、ハイギアモデルであるL30Hi/R S2Tが効果的な状況もあるかも、と西本。”リールのセレクトもまだまだ進化の余地がある”ということだ。
メインラインはエックスブレイドのアップグレードX8ペンタグラム1号、リーダーは同FCアブソーバー スリム&ストロング4号を使用している。
ベストなジグの動きを追求するための手段とは?
ときどきの状況に応じたベストなジグの動きを追求するため、西本が繰り出す手段の例を挙げてみよう。
たとえば、ジグウエイトをチェンジすることが挙げられる。これでジグの動きは確実に変わる。ある状況ではジグの動きを大きく、スピードを速くすることを意図し、130gから150gにアップする。これで大きくジャークすれば、ジグは勢いを得て「ブンッと」動く。
ジグの種類をチェンジすることも、ベストな動きを追求することにほかならない。たとえば、基本となるSPY-VからFOCUS -M10にした、とする。より水の抵抗が少なく、抜けがよいFOCUS -M10にすることで、ジャークの力加減や振り幅は同じであっても、より大きな動きを演出できる。これは130gから150gにジグウエイトをアップしたことと同様の効果が期待できる。
以上のようにジグをチェンジすることと同様に、ロッドを替えるとき、リールを替えるとき、そしてそれに伴ってラインの号数を替えるとき、また、タックルだけでなくジャークパターンを変えるとき……、すべてはベストなジグの動きを追求するための手段となる。
魅惑的なジグの動きを演出し、チーム戦で数を伸ばす
「ジグをしっかり動かすことが大切」とは、西本が繰り返し口にしていた言葉だ。ジグをしっかり動かすことは、ヒットまで至らなくともサクラマスを寄せることにつながる。つまり集魚効果が期待できる。根につくのではなく、ベイトを追って捕食回遊しているサクラマスの群れを、「ジグが発する光や音」により、まずは船下周辺に止めることが大切だ。水中に入っているジグの数が多いほうが、この足止め効果は高い。一定時間、足を止めたサクラマスの群れに対し、その日そのときにベストなジグやジグの動きでヒットに持ち込む、というイメージで釣っていく。
この一連の流れのなかで重視したいのは船上のアングラーが一丸となることだ。自分がヒットさせた場合は、喰ってきた水深を周囲に報告する。そうすることで周囲の人がヒットさせる確率を上げることができる。サクラマスは一定の群れを作って回遊していることが多い。一人がヒットさせたとき、その近くには何匹ものサクラマスがいる、と仮定できるのだ。
「近くの人がヒットさせたとき、教えてくれた水深から上を探ってみるといいですよ。そのとき少し速めの動きでアピールすると効果的ですね」
東北のサクラマスジギング、そのシーズンは終盤戦だ。西本は今シーズン、取材時の時点で60匹を達成。以降も西本のキャッチしたサクラマスの数は増えているはずだ。数を重ねることによって積み上げられる新たなタクティクスもあるだろう。また機会をあらためて報告していきたい。(文中敬称略)
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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