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山本啓人流スーパーライトジギング【Part 2】

スローピッチジャークを自身のスタイルの核に、各地でさまざまなジギングを展開している山本啓人さん。ここでは玄界灘をモデルフィールドに、得意とするスーパーライトジギング、山本流攻略術、愉しみ方を3回にわたってお届けする。

2回目の今回は、イサキやマダイ、根魚など、ターゲットごとにその攻略法を紹介(文中敬称略)。

SLJの人気ターゲット・イサキはハイシーズンを狙う

「イサキは基本的にフィッシュイーターではありません。でも、産卵前の一時期だけベイトフィッシュを積極的に喰います。おそらく産卵するための体力を蓄えるため、動物性のタンパク質が欲しいんだろうと思います。こうした状況のイサキをジギングで狙いやすくしたスタイルのひとつがスーパーライトジギング(以下、SLJ)。それまで釣れなかったイサキが釣れる! この点が評価されSLJの代名詞的な釣りとして盛り上がっていると思います」

イサキに関して山本は、梅雨から9月くらいまでをハイシーズンと捉えている。

「ハイシーズンのイサキの狙い方はイワシボールをどのように攻めるかが基本になります。イワシボールに対する、イサキの付き方の判断が大切です」

▲イサキは外せない人気ターゲット。ハイシーズン以外、あまり積極的に追いかけないが、イワシについたイサキはジグへの反応も良好だ。

瀬にイワシ、そしてそこにイサキがついている場合は速巻き、瀬から離れている場合はフォールで喰わせるというのが、山本のイサキ攻略の基本だ。

瀬について止まっている場合は、自分から喰い上げてくることが多く、想像以上の速巻きに反応し、喰ってくることも多い。対してイワシボールを追いかけているときは、傷んだイワシを底の方で待ち構えて喰っていることが多い、と山本。しかし、それぞれに逆パターンが当たることもある。柔軟に対応することが必要だ。

これは時間帯にも当てはまる。フォールに反応する時間、巻き上げに反応する時間と分かれることがある。

「底近辺に留まっているイサキを狙う場合には、ジグを底近くにとどめ、ハリを喰わせるイメージで誘うと有効なこともあります。ハリに喰わせる、そんな釣り方ですね」

イワシも含め、魚を喰っているときはギラギラ系のティンセルが効果的であったり、甲殻類を喰っているときはフェザー系、タタキバリが有効であったりすることもある。

「産卵前以外のイサキは甲殻類やプランクトンを喰っていることが多いので、これを釣るためにはフックにティンセルをつけたり、バケをつけてハリを喰わせる意識で釣っていくのも一手です。ジグカラーも甲殻類を食べているときはアカキン、ベイトフィッシュを食べているときはシルバー系など、単純ですが、捕食されているベイトに少しでも寄せていくのはイサキへの近道だと思います」

▲ハリを喰わせて掛けたい! というときはティンセルやバケのついたフックも効果的。

スイミングを意識してジグを操るマダイ狙い

「マダイは雑食性の魚で喰えるものは何でも喰います。よく引くし、パワー、トルクもある。でも青物に比べると遊泳力に乏しい。ターンして捕食するのも苦手。こういったところが特徴だと思います」

イワシを喰っているマダイはジグにかなりよい反応を示す。絶好機だ。しかし、それ以外でも喰うときは喰う。マダイが好む動きを出してさえあげれば、ある程度バイトに持ち込むことができる魚であり、いればかなり喰ってくる確率が高い魚というのが山本の捉え方だ。

▲タイラバ人気の高さからも分かるように、玄界灘のマダイの魚影はとても濃い。しかも大型の確率は高い。

マダイが好む動き、というのは、「速度を変えない、フォールを入れない、横に飛ばさない」の3つ。そのなかでも、ジグをベイトフィッシュと思わせるためのアクションを生み出していくことが求められる。

「重要なのはフラッシングです。同じ軌道、同じスピードのなかで、ジグの頭だけ、尻だけを動かすイメージ。いわゆるスイミングアクションというヤツですね」

ちなみにマダイ狙いの場合、リアフックはマストアイテムとなる。イワシを喰っているパターンのときでも、リアフックを取ったらヒット率は激減する。フォールで喰ってくるときは必須、スイミングでも喰いやすい。リアフックがメインになるイメージだ。

根魚は2つのパターンで攻め分ける意識を持つ

根魚を狙う場合、大きく2つのパターンを心掛けるのが山本流だ。

キジハタ、カサゴ、オオモンハタなどを狙う場合、彼らが遊泳力に乏しいことを意識する。ほとんどの場合、底から1m以上は上がってこない。そのため、底付近でフォールアクションを多用し喰わせるイメ―ジで釣っていく。しつこく一定のレンジでジャーク&フォールを繰り返したり、底を叩くのもよい。食性だけでなく、縄張り意識を刺激するのもいい。

マハタ、クエ、アカジンなどを狙う場合は、しっかり速く巻いて動きを出し、ある程度中層まで巻き上げて、誘い上げてくるのが効果的だ。

▲底から離れにくいキジハタも、丹念なフォールアクションでキャッチ成功! 甲殻類を意識したアカキンカラーは定番だ。

【この記事は2020年2月現在の情報です】

山本啓人流スーパーライトジギング【Part 1】はこちら>>>

山本啓人流スーパーライトジギング【Part 1】

山本啓人流スーパーライトジギング【Part 1】

2021年10月26日

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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