東京湾の秋の風物詩 コノシロ喰いのボートシーバスゲーム【前編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年11月04日
秋の近づきとともに、東京湾シーバスが盛り上がり始める。そのひとつがコノシロ喰いのシーバスゲーム。一部のアングラーは、ビッグプラグでの釣果にこだわり、大型ルアーのみを引っ提げ、シーバスボートでコノシロ場へと繰り出す。そして、ベイトリールに太めのラインで挑んでいく。大型水面系プラグを巧みに動かし、水面を割るような大型シーバスのバイトを求め続けるのだ。そのヒットは迫力満点! 中毒になる人が続出するほどだ。そしてそんな季節が、今年もやってきた。
待ちに待った大型ベイトパターン
関東のアングラーの中には、秋のシーズンインを今か今かと待ち望んでいる人がいる。その魚とは東京湾のコノシロの群れを追うシーバス。このコノシロシーバスを体験し、派手なバイトを体験してしまい、そこからこの釣りの虜になってしまう人は多い。そして秋が近づくと「今年はどうなのか?」と、頭の中はコノシロ一色となる。そして大型プラグを眺めながら、その準備を始めてしまうのだろう。
このコノシロパターンは、ここ数年で広く知れわたった。シーバスが大型プラグで釣れることは、かなり以前からあったが、ボートからのシーバスゲームで、トップウォーター、または水面直下を泳ぐ大型プラグ、さらには奇抜なカラー、面白い形状のルアーでも、大型のシーバスが秋に高確率で喰ってくることが広まり、釣り人の心をくすぐったのである。そして各メーカーもタックル開発を始めた。
マングローブスタジオの代表である上屋敷隆さん、サプライズの椙尾和義さんも、この釣りにハマり、それぞれ自身のメーカーでタックルを開発。マングローブスタジオのコノシロシーバスで活躍するビッグプラグ・ビッグバンディット(195㎜、77ℊ)は、昨年、そして今シーズンも既に大活躍。多くのランカーシーバスのキャッチへと繋がっている。そして既に在庫分も含めて、完売してしまっているようだ。それほど、このコノシロシーバスが流行っているということ。ちなみに椙尾さんも、テストを繰り返して自身で実績を得てきた大型プラグを今期発売。その活躍が期待される。
そんなコノシロシーバス狙いで、上屋敷さん、椙尾さん、そして釣り仲間2名による釣行に、10月中旬に同行させてもらった。「少し釣果が良くなってきた!」というタイミングだ。
▲195㎜のマングローブスタジオ・ストライクプロ・ビッグバンディットに出たシーバス。水面直下をクネクネと動かしていく。コノシロシーバスは、デカいプラグにも躊躇なく襲い掛かる。
▲ベイトとなっているコノシロを試しに釣ってみた。195㎜のビッグバンディットとほぼ同じサイズ。シーバスは、このコノシロを喰っているのだから、納得できるだろう。
▲お世話になったのは、多くのビッグプラグを使用したコノシロシーバス好きのアングラーが通う富津のオブセッション。高橋義則さんが操船。今回は、午前、午後と通しで楽しんだ。
楽しさ倍増!大型トッププラグ
早朝、釣行メンバーは、今回お世話になるボート・オブセッションの富津にある船着場へ集合。すぐに準備を済ませ、何本もの大型プラグとともにボートに乗り込む。
今回は、午前、午後と通しで乗船。存分にコノシロシーバスを楽しむ予定だ。ちなみにこの日の出船時間は4時30分。この日の潮の関係で、その後の出船時間だと船底を擦って出られなくなるため、この時間になったようだ。
この日は朝靄が凄かった。ボートはその中をゆっくりとポイントを目指していく。ここで、船長の高橋義則さんに直近の様子を聞いてみた。
「一時期、コノシロが多くいましたが、昨日は少なかったです。ただシーバスは釣れます。中型が釣れている中で、良いサイズが交ざってくることもあります」。フィールドの状況は、行ってみなければ分からないという状況のようだ。
船長の高橋さんは、ビッグプラグを使用したコノシロシーバスにこだわりを持ち、多くのビッグプラグアングラーが通うボート。ポイントセレクトは、船長任せだ。
その後、霧が少し晴れたあたりで、船長から合図が出た。すぐにキャストを開始していく。ルアーはビッグバンディット、サプライズの新作ルアー・ライラプスを投げていく。ちなみに皆が用意してきたのは、20㎝前後から最大はライラプスの250㎜まで。メンバーは、ただ巻きで使用するジョイント系の大型プラグも持ってきているが、基本は自身でアクションを入れて誘う、トップ系プラグを真っ先に選ぶ。
「自分で動かして釣ったほうが、釣った感じがするし、表層系のルアーは目でも楽しむことができますからね。ただ釣れば良いのではなく、より楽しんで釣りたいということです」(上屋敷)
コノシロシーバスにおいて、喰いがなかなか盛り上がらない状況において、小さいルアーを投げればヒットすることも多い。しかしそれでは面白くない。やはり大型プラグで「こんなんで釣れるんだ! こんなカラーでもいいんだ」といったことを感じられるほうが良いのである。こだわりをもって、より楽しむというわけだ。
▲今回のメンバーが持ち込んだルアーの一部。(写真上)
左列上からKAESU・KRK205(205㎜、86~98g)、マングローブスタジオ・ストライクプロ・ビッグバンディット(195㎜、77g)、右列は上からウッドリームD-ボニート230(230㎜、120g)、サプライズ・ライラプス(Lailaps・250㎜、88g)。ジョイントミノーは基本ただ巻きで使用。ただやはり、水面、もしくは水面直下で動かすルアーで、自身でアクションを入れて誘い、捕食の瞬間が見えるのがこの釣りの醍醐味だ。動きは、移動距離が少なく左右にクネクネと動くモデルに反応が良い。
▲使うルアーはあえて面白い色。しかも自分で動かして捕食へと持ち込みたい!
【この記事は2020年11月現在の情報です】
東京湾の秋の風物詩 コノシロ喰いのボートシーバスゲーム【後編】はこちら>>>
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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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