「沖縄本島のGTゲーム」大型の可能性を秘める夢のフィールド【前編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年12月24日
アクセスも良く、日本のリゾート地の代表格と言える沖縄本島。この地のGTゲームは、正直サイズの大小かかわらず、簡単に魚の顔を見ることができるフィールドとは言えない。しかし年間、多くのアングラーがこの地のGTに挑戦しに訪れる。それは過去の本誌の記事からも分かるように、大型GTの実績があるから。アングラーは手にしたことのない大型GTの夢を叶えるために通うのだ。今回、ノアマリンのスタッフと上屋敷隆さんが、夏至南風・カーチーベーに翻弄されながら良型GTを求めて、ひたすらキャストを繰り返した。
沖縄のGTとノアマリン艇
「ボシュ、ドバ~ン」。水面を泳ぐプラグに喰いついた大魚は、青く澄んだ海に飛沫とともに大きな波紋を残した。そして力強く潜り、PE8号ラインを巻き強めにドラグを絞めたリールスプールからラインを引き出した。
ソルトワールドでもたびたび紹介されてきたように、沖縄本島のGTゲームは有名だ。しかし沖縄本島では、文頭のような光景は毎日のように見られるというものではない。GTゲームで、それこそ海外の手付かずの海域であれば、日に何回もバイトシーンに遭遇できることもある。
では沖縄本島以外の国内のGTフィールドはどうかというと、やはり簡単には釣れない。しかし国内のGTには魅力がある。簡単に釣れないからこそ、釣れた時の喜びが大きく、そして価値がある。
なかでも沖縄本島周りのGTは、かなり難しいと言われる。しかしこれまで、大型キャッチの実績があり、そして世界記録級の目撃情報もある。だからこそ、この地に通うアングラー、そして熱い船長がいる。
今回、訪れたのは沖縄本島の北谷から出港するフィッシングガイドサービス・ノアマリン。船長の小谷 優さん、そしてスタッフの新開雅寛さんとは、昨年、ニュージーランドのホワイトアイランド釣行で一緒になった。
その時、沖縄で自分たちがやっている遊漁船・ノアマリンにGTを狙いに来てほしいという話が出た。そこで今回、本誌でもお馴染みのソルトマルチアングラー・上屋敷さんと訪れたのだ。
ちなみに小谷さん、新開さんは子供の頃から釣りを楽しみ、様々な釣りを経験。そして現在は、時間の許す限り、玄界灘でのキャスティングゲーム、ジギングをはじめ、日本各地、海外への遠征もこなしている。そしてこれらの釣行で自身の技術を向上させてきている。
そんな釣行、遠征の時の様々な経験が、自分たちのガイドという仕事に対してプラスになると思っているという。魚の出し方、ファイトの仕方、魚の扱い方、そして釣り以外の様々なサービスなど。乗船したお客さんが、より魚をキャッチでき、そしてより楽しめ、満足してもらうということを考えているのだ。
カーチーベーにより簡単ではない状況
6月19日、沖縄那覇へ上屋敷さんは降り立った。数か月前から、潮の動きが大きくなるこの日からの釣行を予定しており、ちょうど新型コロナウィルスによる自粛解除と重なってくれた。
到着後、すぐに北谷へと移動。船は本島で有名な観光地・アメリカンビレッジのすぐ横にある北谷フィッシャリーナの桟橋に停泊。すぐ横のホテルに宿泊し、毎朝、徒歩で乗船が可能だった。さらに観光、アクティビティーも充実している地とあって、釣り以外にも色々と楽しめそうな最高の立地だ。
「風が心配です。後半は確実に出船できると思います」(新開)
今回、那覇へ来る前から風は上屋敷さんも心配していた。梅雨明け直後のこの時期、沖縄では夏至南風「カーチーベー」が吹くことで知られる。
「沖縄のGTは簡単ではないです。風、波、潮、光量、ベイト、気圧など、条件が揃うと出てきます。だから難しい。とにかく大物1本狙いです」(上屋敷)
沖縄のGT狙いは、これまで幾度となく訪れ挑戦してきた上屋敷さん。とことんやり切る覚悟だ。ちなみに、国内のGTの取材は、取材をする側としても「もしも魚が出なかったら……」と考え、不安がつきまとう。果たして成立するのか? そしてその夜、船長の小谷さんから、翌日は時間を遅らせて、少し風が治まったら出てみようという提案があった。あとは魚が出るまでやりきるだけだ。
「今年は好調が続いてました。だがここ数日はあまり良くないです。しかし何かの拍子で変わることは多い。例えばカミナリが鳴ったりすると、一気に活性することがありますよ」(小谷) 翌日、風により波が高く行ける範囲も限られるが、時間をかけて北へと上った。途中、スコールもあったが問題なく目的のエリアに到着できた。
船長は船を流し始め、ベイトとなるグルクンも確認した。早速、上屋敷さん、そして今回はアングラーとして同船の新開さん、ツアー会社トラベルプロの山田さんがキャストを開始。流す筋を替え、ベイトを探し、そして常にポイントを説明していく船長。水面が割れることを想像しながら、キャストし続けるメンバー。沖縄GTゲームの修行と呼べる時間が続いた。
そんな中、ヒットの声を上げたのは新開さん。だがこれはすぐにフックアウト。掛かったのは小型のGT。掛かりどころが悪かったようだ。 結局、GTが動きを見せたのはこの時のみ。夕方間近になり、この後の出船に期待しつつ帰港とした。
そして翌日は、さらに風が強く、出船は断念。残り2日にかけることとなった。
Kamiyashiki’s TACKLE
ロッド:マングローブスタジオ・ブラックヘラクレスBkh798LMGプラス、ブラックヘラクレスPGSプラス(各種プロト)
リール:シマノ・ステラ18000、20000HG
ライン:バリバス・SMP8、10号+リーダー・オーシャンレコーダー180、220lb
フック:BKK・GT-REX、Raptor-Z、DIABLO
スプリットリング:バリバス・アバニオーシャンワークス・パワーリング200lb、400lb
「沖縄本島のGTゲーム」大型の可能性を秘める夢のフィールド【後編】はこちら>>>
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写真と文/本誌編集部
取材協力/フィッシングガイドサービス・ノアマリン
https://noah-marine.jp/
ツアーの手配/トラベルプロインターナショナル
https://www.travel-pro.co.jp/
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PROFILE
SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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