Jeep初の電気自動車、アベンジャー。プレス発表会&ローンチパーティをリポート!
PEAKS 編集部
- 2024年09月30日
INDEX
Jeepブランド史上初の電気自動車、「Avenger(アベンジャー)」。
発売開始日となった9月26日、東京都港区・虎ノ門にある情報発信拠点、TOKYO NODEのイベントホールにて、その姿がついにお披露目となった。
夜になると、お披露目の会場はパーティの会場へと早変わり。
多くのジープオーナーも集い、ジープファミリーの新入りを祝うローンチパーティが行なわれた。
アベンジャーが走り出したはじめの一日、会場のようすをリポート!
編集◉PEAKS編集部
ジープ初の電気自動車は、最小サイズのコンパクトSUV
その姿を捉えるべく詰めかけたプレスの視線の先、球状のベールが破られると、鮮やかなイエローに染まったボディが姿を現した。
その名は、アベンジャー。
ジープが世に送り出した、ブランド初の100%電気自動車(EV)だ。全長 4,105㎜ × 全幅 1,775㎜ × 全高 1,595㎜と、コンパクトなボディの5人乗り。ブランドのラインナップでは、全長 4,255㎜のレネゲードよりも15cmほど短く、最小サイズのコンパクトSUVとなる。
(ちなみに、「Avenger(アベンジャー)」は「不正や悪事を行なった人に報復する人」の意。)
会場に現れたイエローは、ボディカラー「サン」でジープブランドとして新色。ほかに「グラナイト」、「ボルケーノ」、「スノー」と合わせて計4色のカラー展開となっている。
オフロード走破性の<伝統> × 初の電気自動車の<革新>
「これまでいくつかの電気自動車を見てまいりましたが、ここまでブランドにこだわった電気自動車を見たことがございません。つまり、このアベンジャーは、これまでの電気自動車とは別のカテゴリーにあるといっても過言ではないと思います」
会場に集まったプレスを前にして、トップバッターで登壇した打越晋氏はこう語った。打越氏は、ジープをふくむ7つの自動車ブランドなどをもつ自動車グループ、ステランティスの日本法人、ステランティスジャパンの代表取締役社長を務めている。
個性を打ち出しにくく、航続距離の面でもウィークポイントがある——。
電気自動車と聞くと、このような懸念点が想起されがちだろう。それがジープという、アウトドア環境下のさまざまな路面状況や気象条件下を走破するオフロード性能を誇るブランドであれば、なおさらユーザーの求める水準の機能が担保されている必要がある。
だからこそ打越氏がこう言いきったことには、アベンジャーの機能面に対するジープブランドの自信を読み取ることができるだろう。その自信の源が、路面状況に応じて最適な走行モードを選択できる「セレクテレイン」システムをはじめとする搭載機能。電気自動車でありながら、本格的なオフロード走行も可能——というストロングポイントをもち、ジープの車づくりの伝統がしっかりと継承されているアベンジャーにかける期待の大きさが伝わってくる。
「ジープ初の電気自動車であるアベンジャーが、これまで培ってきたジープの歴史とブランド、文化、そしてお客様との繋がりをより豊かに発展させて、さらには我々ステランティスジャパンの新しい時代をリードする車になると確信しています」(打越氏)
EVシフトが世界的に進むなか、ジープが満を持して投入した初EV。機能とデザイン、両面で魅力を秘めた期待の大型新人がアベンジャーなのだ。
Go Anywhere. Do Anything. アベンジャーは、遊び心を満載している。
プレス発表会では、続いてジープ・プロダクト ジェネラルマネージャーの渡邊由紀氏、ジープのVice President, Global Product Planningのマット・ナイクイスト氏、最後にジープ・ブランド ジェネラルマネージャーを務める新海宏樹氏が登壇。
渡邊氏からは、先行して発売されている欧州では、10万台を超える好調な売れ行きを記録しており、欧州でもっとも権威があるといわれる「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」の2023を受賞したことや、今後もブランドとして電気自動車の開発を推し進めていくことが示され、アメリカ・デトロイトからリモート参加したナイクイスト氏からは、安全性能や走行性能を高いレベルで実現するための設計と投入された技術について説明があった。
最後に登壇した新海氏は、アベンジャーを「遊び心を満載している車」と表現。
「我々が目指すのは、環境性能、先進性、経済性、航続距離、加速の性能……これだけではなくて、乗って楽しい、ワクワクする、冒険心にあふれている、そしてどこへでも行きたくなる、そんな “Go Anywhere. Do Anything.”な、まさにジープブランドの精神そのもの」と新型モデルの意図を語った。
また、電気自動車、ジープブランドいずれにも興味があるが、購入には至っていない層が日本市場において16万人ほどいると推計されている。ジープとしては、そのような潜在的なターゲット層のニーズに応えるべくブランディングをしていくという。
トークセッションに音楽ライブも。ローンチパーティをリポート!
プレス向けの新型車発表会が行なわれたのは、東京都港区・虎ノ門にある情報発信拠点、TOKYO NODEのイベントホール。同日の9月26日夜、その会場はアベンジャーのローンチパーティ会場に早変わりを遂げた!
多くのジープオーナーをはじめ、抽選に当選した人びとが集ったホール。座席数は338名となるが、それでも立ち見が出るほど多数の来場者が、アベンジャーのローンチを祝うべく詰めかけた。
まさに“満員御礼”のなか、マイクを握ったのは打越氏。
「この車はジープ初の電気自動車ですが、普通の電気自動車とは違うんですよ。 ジープのお客様が“ジープだったらこんな車が欲しいな”と思える電気自動車なんです。 だからこそ、初めてということと、ジープらしさが感じられるということで、もう興奮しまくっています」
とあいさつし、午前中からは少しモードチェンジした、より軽妙な語り口でなごやかな雰囲気に。
いよいよお披露目の段となると、打越氏が「All-New Avenger、誕生!」と一声。ホールは暗転、電気や雷のイメージを思わせる光と音の空間演出がはじまり、だんだんと勢いを増してボルテージが高まりピークを打つやいなや、覆い隠していたベールがほどけ、アベンジャーが電撃的に登場した。
視線を同じくした来場者からは、ひとしきり感嘆の声が上がった。
姿があらわになったアベンジャーを左右に、続いて行なわれたのはトークセッション。
モータージャーナリストの岡崎五朗氏をゲストに迎え、プレス発表会でも壇上に上がったステランティスジャパン、プロダクト ジェネラルマネージャーの渡邊氏、ブランド ジェネラルマネージャーの新海氏を交え“ジープ愛”が語り合われた。
岡崎氏は、テレビ神奈川の自動車情報番組「クルマでいこう!」でMCを務めるなど、業界事情に精通したプロフェッショナル。数日前にテストドライブしたというが、その目には、アベンジャーはどのように映ったのだろうか?
「僕はプライベートでも電動車に乗っているんですけれど、乗っていて感じるのは、やはりエンジンの個性がなくなるぶん、車体の個性がとても伝わってくるんですね。そういう意味では、デザインもそうだし、ハンドルを切った感じとか、乗り心地とか、そういうところがジープだなと」
また、たとえば電気自動車でキャンプ場に入っていくときなどには、走行音が小さいだけに自然と共生している感覚があるという。だからこそ、アウトドアフィールドに分け入っていくときには、「オフロードカーと電気自動車って、そういう意味でマッチングがいいんじゃないかと思いますね」と語っていた。
ローンチパーティの最後を飾ったのが、音楽ライブパフォーマンスだ。
河原太朗のソロプロジェクト・TENDREがピアノ弾き語りで、DJやシンガーソングライターとして活動するYonYonがDJパフォーマンスで会場を沸かせた。
会場となったTOKYO NODEのイベントホールは、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの46-47Fという、超が付くほど絶好のロケーション。眼下に霞が関や丸の内・大手町のビル群の夜景を眺めながら、ローンチパーティは盛り上がりのなかでフィナーレを迎えた。
ジープ初の電気自動車という、ブランドの新たな挑戦がはじまったこの一日。
ついに走り出したアベンジャーが描いていく軌跡に、これからも要注目だ。
SHARE
PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。