
キャノンデール、第6世代新型シナプスを発表 バッテリー搭載「SmartSense」も進化|Cannondale

Bicycle Club編集部
- 2025年05月07日
INDEX
キャノンデールは5月6日、その象徴的なエンデュランスロードバイク「Synapse(シナプス)」の第6世代モデルを発表した。国内代理店のインターテックを通じて、同日より販売が開始される。2004年の初代登場以来、ロードバイクにおける快適性とパフォーマンスの理想的なバランスを追求し、カテゴリーをリードしてきたSynapse。今回のフルモデルチェンジでは、その基本理念をさらに昇華させ、従来モデル比で快適性を20%向上させると同時に、レースバイクに匹敵するレベルのフレーム剛性とエアロダイナミクス性能を獲得。「ロングでも、ショートでも、そしてスピードを出したい時でも、これさえあれば大丈夫」というキャッチコピーが示す通り、日常の通勤から週末のサイクリング、さらには挑戦的な超長距離ライドまで、あらゆるライダーの要求に応える真のオールラウンドバイクとして、エンデュランスロードの概念を再び定義する。
快適性とパフォーマンスのさらなる深化
Synapseの核心は、長時間のライディングでもライダーの疲労を最小限に抑える卓越した快適性にある。第6世代では、カーボンレイアップの最適化とフレーム形状の洗練により、路面からの微振動を効果的に吸収する垂直方向の柔軟性が大幅に向上した。これは、キャノンデールが長年培ってきたSAVE(Synapse Active Vibration Elimination)マイクロサスペンション技術の進化形とも言える。しかし、快適性への注力はパフォーマンスを犠牲にしない。ペダリングパワーをロスなく推進力に変換するためのフレーム剛性は、歴代モデル同様、あるいはそれ以上に確保されており、鋭い加速やヒルクライムでの応答性も極めて高いレベルにある。さらに、風洞実験などを通じて最適化されたチューブ形状は、エアロダイナミクス性能の向上にも貢献し、高速巡航時の効率を高めている。
インテリジェントな安全・快適システム「第2世代 SmartSense」
新型Synapseの最も注目すべき進化の一つが、統合エレクトロニクスシステム「SmartSense(スマートセンス)」の第2世代へのアップデートである。これは、ライダーの安全性と利便性を飛躍的に向上させるインテリジェントなシステムだ。
統合プラットフォーム
Garminと共同開発したリアビューレーダー、高性能な前後ライト、そしてSRAMの電動ワイヤレスコンポーネント(対応モデル)が、ダウンチューブ内に美しく収められた単一の大容量バッテリーによって駆動・管理される。これにより、複数のデバイスやバッテリーを個別に管理する煩わしさから解放される。
大容量バッテリーと長時間稼働
新設計のバッテリーは、従来比で2倍以上の容量を確保。これにより、ライトやレーダーをアクティブに使用した場合でも、最大24時間という驚異的な連続稼働時間を実現した。日中のライドはもちろん、夜通し走るようなブルベやウルトラディスタンスライドにおいても、バッテリー切れの心配を大幅に軽減する。
自動調整機能による安全性向上
内蔵されたセンサーが周囲の光量や状況を検知。フロントライトは周囲の明るさに応じて自動で点灯・消灯し、輝度も調整される。リアライトは、レーダーが後方からの車両接近を検知すると、点灯パターンを変化させてドライバーに注意を促す。これにより、ライダーは常に最適な視認性を確保でき、安全性が格段に向上する。
カスタマイズ性
スマートフォンアプリ(Cannondale App)と連携させることで、ライトの点灯モードやレーダーの警告設定など、ライダーの好みに合わせた詳細なカスタマイズが可能となる。
洗練されたライトデザイン
フロントライトは小型化されながらも、最大800ルーメンという強力な光量を実現。夜間の視認性を確実に確保する。レーダーと一体化されたテールライトは、サドル下にスマートに装着され、バイクの美観を損なわない。
多様なライディングスタイルに応える設計
ワイドなタイヤクリアランス
新型Synapseは、フロント・リア共に最大42mm幅のタイヤまで装着可能という、クラス最高レベルのタイヤクリアランスを備える(タイヤ両側に4mm以上のクリアランスを確保)。これにより、スムーズな舗装路だけでなく、多少荒れた路面、グラベルロード、石畳など、走行可能なフィールドが大幅に広がる。ライダーは路面状況を過度に気にすることなく、より自由なルート選択を楽しむことができる。「本物のオールロードバイク」としての資質を明確に示している。
プロポーショナルレスポンス設計
キャノンデール独自の設計思想であるプロポーショナルレスポンスは、フレームサイズごとにカーボンレイアップやチューブ径を最適化するものだ。これにより、小柄なライダーから大柄なライダーまで、すべてのユーザーが、そのフレームサイズにおいて意図された最適な剛性バランスと快適性を享受できる。どのサイズのSynapseを選んでも、最高のライディングエクスペリエンスが得られるように設計されている。
Hi-MODカーボンフレーム(LAB71 / Carbon 1)
トップエンドモデルの「Synapse LAB71」と「Synapse Carbon 1」には、キャノンデールの最高級グレードであるHi-MOD(ハイモジュラス)カーボンが採用されている。これにより、スタンダードカーボンフレームと比較して100g以上の軽量化を実現しながら、Synapseが本来持つ優れた剛性、快適な乗り心地、そして長期にわたる耐久性を維持。もちろん、キャノンデールが提供するフレーム生涯保証の対象となる。
StashPort + StashBagストレージシステム
ダウンチューブのボトルケージ取り付け台座の下部には、「StashPort」と呼ばれる内蔵ストレージシステムへのアクセスポートが設けられている。専用設計の「StashBag」には、パンク修理キット、携帯ツール、補給食といったライドの必需品をスマートに収納可能だ。これにより、サドルバッグなどが不要になり、バイクのクリーンな外観を保つことができる。さらに、SmartSense搭載モデルでは、このStashPort内にシステムバッテリーも格納される。特筆すべきは、StashPortのカバーを開けると、内部を照らす小さなLEDライトが点灯するギミック。暗い場所での作業や、早朝・夜間の準備において非常に便利な、クールな機能だ。
ラクラン・モートンによる極限状況での実証
新型Synapseの発表に際し、キャノンデールがサポートするEFエデュケーション・イージーポスト所属のウルトラエンデュランスライダー、ラクラン・モートン(オーストラリア)が、プロトタイプの新型Synapseを用いて前人未到の挑戦を行った。それは、オーストラリア大陸を一周する全長14,210kmのFKT(Fastest Known Time:最速走破記録)への挑戦である。モートンは昼夜を問わず走り続け、肉体と精神の限界に挑みながら、30日9時間59分という驚異的なタイムでこの過酷なルートを走破。従来の記録を1週間以上も短縮する歴史的な大記録を打ち立てた。この挑戦を通じて、新型Synapseは、想像を絶する長距離と多様な路面状況においても、ライダーを確実にサポートする卓越した快適性、信頼性、そして総合的なパフォーマンスの高さを証明した。この壮絶な挑戦の記録は、キャノンデールの公式ウェブサイトにて公開されている。
製品概要:モデルラインナップ詳細
新型Synapseは、究極の性能を求めるライダーから、エンデュランスロードの魅力を体感したいライダーまで、幅広いニーズに応えるラインナップを展開する。
Synapse LAB71 SmartSense
価格:2,288,000円(税込)
- カラー:Black Marble (BMB)
- サイズ:48, 51, 54
- フレーム:LAB71 Synapse Hi-MOD Carbon, Proportional Response construction, SmartSense, Stashport
- フォーク:Lab71 Synapse Hi-MOD Carbon, integrated crown race
- コンポーネント:SRAM RED XPLR AXS, 13-speed
- ホイール:Reserve 42 | 49 Turbulent Aero, 24h, tubeless ready
- ハンドル:Cannondale SystemBar R-One – Integrated bar/stem
- 特徴:SmartSenseシステム搭載。究極の軽量性、快適性、パフォーマンスを統合したフラッグシップモデル。
Synapse LAB71 Frameset
価格:680,000円(税込)
- カラー:Black Marble (BMB)
- サイズ:48, 51, 54, 56
- フレーム:LAB71 Synapse Hi-MOD Carbon, Proportional Response construction, SmartSense, Stashport
- フォーク:Lab71 Synapse Hi-MOD Carbon, integrated crown race
- シートポスト:Cannondale C1 Aero 27 Carbon, SmartSense compatible (0mm or 15mm offset depending on size)
- 付属品:Large StashBag downtube storage bag
- 特徴:最高峰フレームをベースに、ライダーが自由にパーツを選択可能。
Synapse Carbon 1
価格:1,295,000円(税込)
- カラー:Tungsten Blue (TUB)
- サイズ:48, 51, 54
- フレーム:Synapse Hi-MOD Carbon, Proportional Response construction, SmartSense, Stashport
- フォーク:Synapse Hi-MOD Carbon, integrated crown race
- コンポーネント:Shimano Ultegra Di2 R8170, wireless, 12-speed
- ホイール:Reserve 42 | 49 Turbulent Aero, 24h, tubeless ready
- ハンドル:Cannondale SystemBar R-One – Integrated bar/stem
- 特徴:Hi-MODカーボンフレームに高性能パーツをアッセンブルしたハイエンドモデル。
Synapse Carbon 4
価格:670,000円(税込)


- カラー:Chalk White (CHK), Metallic Red (MRD)
- サイズ:48, 51, 54
- フレーム:Synapse Carbon, Proportional Response construction, SmartSense, Stashport
- フォーク:Synapse Carbon, integrated crown race
- コンポーネント:Shimano 105 Di2 R7170, wireless, 12-speed
- ホイール:DT Swiss R470 db, 28h
- ハンドル:Vision Trimax Aero Alloy
- 特徴:スタンダードカーボンフレームにShimano 105 Di2を搭載した電動コンポ入門にも最適なモデル。
Synapse Carbon 5
価格:490,000円(税込)


- カラー:Black (BLK), Phoenix Yellow (PYW)
- サイズ:48, 51, 54
- フレーム:Synapse Carbon, Proportional Response construction, Stashport (SmartSense非搭載)
- フォーク:Synapse Carbon, integrated crown race
- コンポーネント:Shimano 105 7100, mechanical, 12-speed
- ホイール:DT Swiss R470 db, 28h
- ハンドル:Vision Trimax Compact TT Alloy
- 特徴:信頼性の高いShimano 105メカニカルコンポーネントを搭載。Synapseの基本性能を手頃な価格で実現したモデル。SmartSenseは搭載されない。
新型Synapseシリーズは、本日2025年5月6日より発売開始となる。各モデルの店頭への入荷は、2025年7月上旬以降、順次開始される予定だ。
キャノンデール新型Synapseは、快適性、パフォーマンス、そして革新的な統合技術「SmartSense」を高次元で融合させ、現代のロードバイクシーンに新たな基準を提示する意欲作だ。多様化するライダーのニーズに応え、あらゆるライディングシーンにおいて最高のパートナーとなる可能性を秘めた、注目すべき一台の登場である。
問:インターテック https://www.cannondale.com/ja-jp
- CATEGORY :
- BRAND :
- Bicycle Club
SHARE
PROFILE

Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。