
初開催の和歌山城クリテリウムはラヨヴィッチ・ドゥシャンが制する|ツール・ド・熊野プレイベント

Bicycle Club編集部
- 2025年05月06日
INDEX
2025年5月6日、UCIステージレースであるツール・ド・熊野のプレイベントとして和歌山城クリテリウムが和歌山県和歌山市にて開催された。和歌山城の北側「けやき大通り」を舞台に30kmのクリテリウムレースが行われ、国内外の19チーム110名が出場。レースは前半から抜け出しを図るチームがアタックを仕掛け合うが、いずれも決定的な逃げには至らず、最終周回のスプリントをラヨヴィッチ・ドゥシャン(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が先頭でフィニッシュ。初代王者となった。
和歌山城下を国際色豊かな19チームが駆け抜ける
5月8日から行われるUCI 公認国際大会「ツール・ド・熊野 2025」の開催を前に和歌山県和歌山市にて「和歌山城クリテリウム」が開催された。和歌山城の北部を走る県道17号線「けやき通り」に特設コースが設けられ、2箇所の折り返し地点を含む1周1.5kmの周回を20周する総距離30kmの競走が催された。ここにはツール・ド・熊野に参戦する国内12のチームと海外から7チームが参加。都市部でのレース開催となり、スタート時には多くの観客が沿道から勝負の行く末を見守った。

周回賞争いと終盤の激しい主導権争い
パレード走行を2周すると、和歌山県に拠点を構えるキナンレーシングチームを先頭に整列をし直して、レーススタート。

前半から先頭が激しく入れ替わるが、まずはソリューションテック・ヴィーニファンティーニが人数を揃えて集団を抑える。5周目、最初の周回賞がかかると宇賀隆貴(キナンレーシングチーム)がアタック。そのまま強く踏み込んで周回賞を獲得した。さらに宇賀は逃げ続ける動きも見せるが、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニの追走をきっかけに集団は一つにまとまる。

引き続き、小さな飛び出しがあるものの集団一つのまま、2回目の周回賞を迎えた。10周回完了間際でやや集団から先行していたキム・ユロ(LXサイクリングチーム)が先頭通過し、周回賞を獲得。この頃からキナンレーシングチームも前方で集団をコントロールする時間が増える。
15周目、最後の周回賞争いではヴィクトワール広島が動き、チームメイトの牽引を受けたレオネル キンテロが加速を見せてこの賞を獲得した。
周回賞争いが一通り終わるといよいよフィニッシュを見据えた本格的な攻防へと移る。17周目にプロンスキー・ヴァディム(トレンガヌ・サイクリングチーム)が単独で飛び出すが、18周目には集団が吸収。さらに18周目後半ではバッサイカン・テグシュバヤール(ルージャイ・インシュランス)、キム・ユロが抜け出すも次の周回で集団に捕まり集団は一つに。
そしてレースは大きな集団のまま最終周回へ突入。チームブリヂストンサイクリングを先頭に各チームが前を奪い合う展開へ。

すると、最初の折り返し地点でソリューションテック・ヴィーニファンティーニが一気に先頭まで浮上。そのまま強烈にスピードを上げてリードアウトで、ラヨヴィッチ・ドゥシャン(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)を好位置に引き上げて最終コーナーへ。コーナーを折り返して残り250mとなると、シュルツ・エリオット(ヴィクトワール広島)が先頭に出て加速する。しかし残り100mからその背後につけたラヨヴィッチがこれをかわしてトップでフィニッシュ。唯一出場したUCIプロチームの意地を見せた。

日本で初勝利を飾ったラヨヴィッチは「最後の周回を良い位置で走れたことと、前を行く選手に追いついてパスできたことが勝利につながった。素晴らしい日本の地で勝利することができて嬉しい。引き続き勝負ができるステージで勝利を狙いたい」とこの後に続くツール・ド・熊野に向けても意欲をみせた。
和歌山城クリテリウム2025 結果
1位 ラヨヴィッチ・ドゥシャン (スロベニア、ソリューション・テック・ヴィーニ・ファンティーニ) 40分3秒
2位 エリオット シュルツ (オーストラリア、ヴィクトワール広島) +0秒
3位 ハッデン・ネイト (オーストラリア、セントジョージ・コンチネンタル・サイクリングチーム) +0秒
4位 草場 啓吾 (日本、愛三工業レーシングチーム) +0秒
5位 チュー・ツン・ワイ (香港、HKSI・プロ・サイクリングチーム) +0秒

特別周回賞
5周目 宇賀 隆貴 (日本、キナンレーシングチーム)
10周目 キム・ユロ (韓国、LX サイクリングチーム)
15周目 レオネル キンテロ (ベネズエラ、ヴィクトワール広島)

SHARE
PROFILE

Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。