BIANCHI(ビアンキ)・オルトレ XR4 ディスク|ニューモデルインプレッション
山口
- 2018年12月01日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、リムブレーキモデルと遜色ない走行性能を実現しながら、最新のディスクブレーキを搭載した、BIANCHI・ORTRE XR4 DISC(ビアンキ・オルトレ XR4 ディスク)を副編・山口がテスト。
ディスクブレーキ化を果たし
エアロ性能も向上した、オルトレ XR4 ディスク
この冬、ビアンキのフラッグシップ、オルトレXR4のディスクブレーキモデルが登場。すでにハイエンドレーシングバイクとしてリムブレーキモデルが発売されていたが、カーボンレイアップの調整を経てのディスクブレーキ化。リムブレーキモデルと遜色ない走行性能を実現しながら、最新のブレーキシステムを提供する。
2017年に開発されたオルトレXR4は、セミエアロフォルムをベースにしたオールラウンドモデルで、CFD解析と風洞実験、プロライダーによるテスト走行を繰り返しながら生み出された。それはこのディスクブレーキモデルに関しても同様で、翼断面形状の各チューブをはじめ、風の抜けを意識した外広がりのフロントフォークや、フォークとダウンチューブが一体化したデザインなど、トレンドを押さえたフォルムを継承する。
また、マテリアル・サイエンス社との共同開発によって生み出された振動除去素材「カウンターヴェイル」をフレームの各所に配置し、振動吸収性や快適性を発揮。長距離のレースでも、ライディングにおけるストレスを軽減する。さらにヘッドまわりはヴィジョンと共同開発した新型ハンドル、メトロン5DACR(付属品)とマッチングするよう設計され、電動ケーブルのフル内装化を実現。エアロロードとしての進化も果たしている。
ヘッドチューブはセミエアロ形状を採用。またケーブル類は電動式ならフル内装可能。機械式なら一度ハンドルから外に出てダウンチューブの挿入口へケーブルが入る。
BBまわりはボリュームを設け、剛性を確保。
フラットマウント、12㎜スルーアクスル仕様のディスクブレーキキャリパー。
振動除去素材のカウンターヴェイルを採用し、路面からの微振動を文字どおり除去する。ビアンキ独自のシステムだ。
ビアンキ
オルトレ XR4 ディスク
53万8000円(フレームセット/税抜)
■フレーム:カーボン、カウンターヴェイル ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:FSA・Kフォースウィー ■ハンドル/ステム:ヴィジョン・メトロン5D ACR ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:プロロゴ・スクラッチ2ナック ■ホイール:ヴィジョン・メトロン55SL&81SL ■タイヤ:コンチネンタル・グランプリ4000SⅡ ■サイズ:47、50、53、55、57、59、61 ■カラー:CK16 /ブラックグロッシー ■フレーム重量:990g(55) ※付属品以外のパーツはテストバイクのスペック
オルトレらしいスプリントでのかかりのよさを踏襲
副編・山口がインプレッション
待望のオルトレのディスクブレーキモデルが日本でも発売される。従来のリムブレーキモデルのオルトレXR4をそのままディスクブレーキ化したバイク、というのが、このオルトレXR4ディスクの乗り味の総評だ。もちろんスルーアクスルを採用しているため、前後のフォークの先の剛性が高くなり、下まわりがしっかりはしているが、路面からの振動吸収、さらにダンシングやコーナリングでバイクを倒し込んだときに想定されるしなり量が、リムブレーキモデルの感覚に近いため、扱いやすいのだ。
さらにBBまわりはボリュームがあり、エアロロードらしく硬めではあるが、踏み込んだときに適度なウイップがあるため、スプリントしたときに雑なペダリングをしてもうまく力をためて、引き出してくれる。このあたりのバランスのよさはイタリアンブランドらしさといえるだろう。
また、ハンドルシステムもこのオルトレの特徴で、ヴィジョンとビアンキが共同で作ったメトロン5D ACRを採用している。これにより、特別なパーツを使うことなくブレーキワイヤー類が内装されている。さらに、機械式の場合は外側に配線を通すが、電動シフターであれば配線を内装することができ、空力的にも有利だ。
インプレッションライダー
山口博久
バイシクルクラブ副編集長にして、レース経験豊富なライダー。J1エリートライダーとして日本各地へ転戦するとともに、世界各国のメディア試乗会に出かけ、最新バイクの取材やインプレッションを行うことも多い。
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問:サイクルヨーロッパジャパン www.cycleurope.co.jp
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PROFILE
バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。