LOOK(ルック)・795ブレードRS|ニューモデルインプレッション
鈴木雷太
- 2019年02月25日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回はあらゆる面からレーサーとしての性能を追求したバイク、LOOK・795 BLADE RS(ルック・795ブレードRS)を鈴木雷太がチェック。
革新的機構で衝撃吸収性を高めたエアロロード、795ブレードRS
ニューモデルとして誕生した795ブレードRSは、空力面にとどまらず、あらゆる面からレーサーとしての性能を追求したバイクだ。
スムース、スウォード、シートステーの頭文字に由来する3Sデザインで柔軟性を高めた。
リムブレーキを搭載するロードバイクにおいて、衝撃吸収性を向上させるためには、シートステーの柔軟性を高めるのが最も効果的なアプローチだ。
しかし、シートステーにはブレーキキャリパーのブリッジが設けられ、柔軟性を高めることは、ブレーキシューとホイールの不意な接触や、制動力への低下などの弊害も懸念される。
それに対してこれまでは形状やカーボンの積層で、縦方向の柔軟性と横剛性を両立させてきた。加えてエアロロードでは、シートステーにおいても空力性能を高めるための形状的な制約もある。それゆえにシートステーという構造体に多くの役割をもたせることで無理や妥協が生じてしまっていた。
そこでルックが採用した手法が、ブレーキブリッジをシートチューブ側に独立させることだ。これにより従来比で23%衝撃吸収性を高め、制動力も十二分に担保された。これまで多方面から高評価を得てきた走行性能に、衝撃吸収性という大きなアドバンテージをプラスした795ブレードRSは、エアロロードの枠にとらわれないオールラウンダーへと昇華した。
ハンドルは空力性能を高めたADH2をアッセンブル。専用のステムがフレームセットに付属する。
BBは幅広で台形のBB386規格を採用。ダウンチューブからチェーンステーまでの幅を広げて、ペダリングパワーを効率よく後輪へと伝達する。
ブレーキキャリパーをシートチューブ裏側に設置し、シートステーの衝撃吸収性を最大限に高めた。
入力に対する剛性と衝撃吸収性を両立したエアロ形状のフロントフォーク。
ルック
795ブレードRS
41万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:HM46t、IM30t、HR24tほか ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラDi2 ■ハンドル:ルック・ADH2 ■ステム:ルック・ADS ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:セライタリア・SLRフロー ■ホイール:コリマ・S+ ■タイヤ:コンチネンタル・アタック&フォースコンプ ■サイズ:XS、S、M、L、XL ■カラー:レッドグロッシー、プロチームホワイトグロッシー、メタリックブルーグロッシー、プロチームブラックグロッシー ■試乗車重量:7.2kg(S)※付属品以外は試乗車のスペック
さまざまなライディングスタイルを許容する万能レースバイク
鈴木雷太がインプレッション
ペダリングのしはじめから軽さがあって、剛性に助けられた加速が気持ちいいバイクだ。高剛性を感じながら、踏まずに回していくペダリングでもチェーンを介して、推進力と加速を感じられる。BB付近とダウンチューブはパワーを受け止め、逃げやねじれがない。それに合わせてフォークコラムとハンドルもしっかりしている。低速時や重めのギヤでのスプリント、クライミングでは、ダイレクトな反応と乗り手の力量に応じた加速が味わえる。
そして振動吸収も悪くない。ペダリングの高剛性を考えれば、もっと振動を身体に伝達してきてもよさそうだが、快適といえるレベル。この部分はブレーキキャリパーをシートステーから独立させた効果が、はっきりと感じられる。ハンドリングは操作感が明確で、路面が手に取るようにわかる。クセはなく扱いやすい味付けだ。巡航時にストレスを感じずに、仕掛けるタイミングではバイクがライダーの要求に応えてくれる。
前述した剛性の高さによって、さまざまなペダリングの個性も許容する。積極的に回すときや、トルクをかけてバンバンと踏んでいく場面などを、うまく使い分けて乗りこなしていける。ローケイデンスのパワー系ライダーの信頼も裏切らないバイクでありながら、ヒルクライマーにも剛性が高く、武器となるバイクだ。エアロロードでありながら、超軽量が求められる場合以外は最良の相棒となるオールラウンダーといえる。
インプレッションライダー
鈴木雷太
MTBクロスカントリーでは2回の全日本タイトルを獲得しシドニー五輪にも出場した元プロライダー。ロードバイクの経験も豊富で、さまざまな目線からバイクをインプレッションしている。身長168cm。
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問:ユーロスポーツインテグレーション www. eurosports.co.jp
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