CERVELO・S SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】

サーヴェロ・S シリーズ

右下の表は、第2世代S5と第3世代S5のエアロダイナミク性能を比較したグラフ。ヨー角での有意な差を確認できる

COMPARISON
新旧モデル徹底比較
時代の先端を行く空力技術により剛性と空力性能を引き上げる

2019モデルでジェネレーション3へと進化したS5。ここでは2011モデルで登場した初代S5から、
2014モデルの第二世代、そして今作までの変遷をたどりながら、進化の足跡を振り返っていく。

サーヴェロのエアロロードの起源は、2002年に登場したソロイストカーボンにあり、横扁平の鋭角ダウンチューブを特徴としていた。エアロダイナミズムのフロントランナーはその後、Sシリーズへと継承され、初代S5から3年後には第2世代へと進化。ホイールラインに近づけるダウンチューブやシートチューブ設計は、最新S5ディスクにも通じる空力技術でもある。また、空力性能追求のため、独自のエアロハンドルバーを開発したこともトピックだった。

第2世代から5年の時を経て誕生した第3世代では、さらなるフレーム剛性と空力性能の向上を実現。ディスクブレーキ専用設計とし、革新的なエアロコクピットを導入。BB剛性25%アップ、ヘッドチューブ剛性13%向上を達成。また、開発のベースであるエアロダイナミクス性能は、新たなゾーンデザイン空力解析の推進によって前作比で5.5Wの低減を実現している。
また、フレームの重量面でも第3世代は前作から90gの軽量化を達成し、1065gから975gへと軽量化。
ケーブル類は無理なく完全内装化を実現しつつメカニックの整備性にも配慮。最新S5はバイク全体のフォルムがめざましく洗練された、最先端エアロロードへと生まれ変わった。

SECOND GRADE IMPRESSION
峠を制するアルプデュエズの弟モデル
ミドルグレードらしさを感じさせない万能性能を有するディスクブレーキモデル

IMPRESSION

S5ディスクのセカンドグレードとして人気のS3もフルモデルチェンジ。
S5にも搭載される最新エアロテクノロジーを採用した注目の
新型S3ディスクをインプレッション。

サーヴェロのSシリーズにいち早くディスクブレーキ仕様をリリースしたモデルこそが前作のS3だった。当時、この連載でもインプレッションを実施したが、当時のS5(リム仕様)を脅かすほどの高性能ぶりに驚かされたものだ。今回、新型S5ディスクのフレーム構造を多く踏襲したS3ディスクは、ケーブル類の完全内装を果たしエアロロードとして正常進化。フラッグシップの手前、意図的にセカンドグレードらしさが表現されるモデルが多いなかで、S3ディスクは、「2番め感」をみじんも感じさせない。
走り出すと、高剛性を突き詰めたS5ほどのリニア感ではないものの、ハイアマチュアレーサー以上でないかぎりS3ディスクのほうが受け止めやすい硬さに調整されている印象だ。前作同様にディスク化によるレーシーな味付けには変わりはない。
そして、加速するほどにS5ディスクに似た低重心で安定した走りから、コーナーでは安定したステアリングを体感できた。登坂は、ややアップライト気味のポジションのほうがしっくりきたので、長い上りを一定負荷でペーシングする走りが得意だろう。
新型コクピットについては、ライダー自身が容易に微調整が可能で、多くのサイクリストにとって購入時の安心材料になるだろう。

 

INFO
サーヴェロ・S3ディスク

■38万円(フレームセット/税抜)、89万円(アルテグラDi2完成車/税抜)
■フレーム:サーベロ・オールカーボン
■フォーク:サーベロ・オールカーボン
■ハンドルバー:サーヴェロ・AB09
■ステム:サーヴェロ・CS28
■ホイール:ノヴァテック・R5カーボン48㎜
■サイズ:48、51、54、56
■試乗車参考重量:8.22kg(54サイズ/編集部実測)

 

スマートなルックスを実現したフロントライン。新開発のカーボンハンドルバーとアルミステムを採用

S5を踏襲したダウンチューブはBBに向けて末広がりになり、ボトル装着時の整流効果を高める

S5同様に剛性と汎用性を両立できるBBライトを採用

CONCLUSION
結論
革新的な機構だけにとどまらない進化
本格派エアロロードの申し子

5年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたサーヴェロのエアロロード「S5ディスク」。
群雄割拠のエアロロード市場に投入されたニューモデルの魅力を総括しよう

前作S5が誕生してから丸5年。時代はディスクブレーキ化への転換期にあって、エアロロードの先駆者とあっても、やや古さは否めなかった。
そこに誕生した待望の新型モデル。「ディスクブレーキ+エアロ」がトレンドになり、各社凌ぎを削るなかで、ヒンジ型のフロントフォークとV字型ステムを搭載した新型S5ディスクは一気にライバルを抜き去るようなインパクトを与えた。さすがは、長年に渡ってエアロダイナミクス性能を真摯に追求してきたブランドの底力だ。
ヘッドチューブとBBの剛性を大幅に向上させながら、フレーム重量1㎏以下を達成。その背景には、革新的な空力技術だけが注目されがちなサーヴェロが、複数のカーボンシートを適材適所で使い分けながら、剛性と軽さを細かくコントロールしていることも忘れてはならないだろう。さらに、数値だけにこだわらないライドクオリティの向上を重視している点も好感が持てる。
新型S5ディスクにおいては、ジオメトリーのアップデートを実施し、フレームサイズでトレール値を統一することで同じハンドリング性能を実現している。ある意味で、前作から5.5Wの出力セーブなど、進化のデータ以上にサーヴェロがレーシングバイクの開発にかける凄みを感じる部分だろう。なにしろ、このためにフロントフォークはサイズごとに金型を用意する必要がある。独自のコクピット機構、最先端エアロフレーム、そしてフロントフォークにかかるコストを考慮すると、それ相当のプライスといえる。
そして、その性能はライダーを裏切ることなく、低重心で背中から押されるような鋭い加速性から最先端のエアロダイナミクス性能による巡航性能を約束してくれる。まるでターボエンジンを搭載したスーパーカーのように。新型S5ディスクの誕生により、サーヴェロがひさびさにエアロロードの主役へと躍進を遂げている。

S5 ディスク
79万円
(アルテグラR8020完成車/税抜)
スカイブルーとブラックのコントラストが美しいリベエラ/スレート/ブラックカラーモデルはアルテグラR8020完成車限定カラー。ホイールにはDTスイスP1800スプライン32ディスクをアッセンブルし、手に入れやすいS5ディスク完成車として注目だ

S3 ディスク
89万円
(アルテグラDi2 R8070完成車/税抜)
コンポーネント違いで2グレードを展開するS3ディスク(アルテグラR8070仕様は62万円/税抜)。2つのカラー展開を用意し、蛍光イエローのフルオロカラーモデルには、フレームセット(38万円/税抜)も展開する。新型ハンドル・ステムが標準装備される

S3 フレームセット
38万円(税抜)
S5のテクノロジーを数多く継承するS3リムブレーキ仕様にはグラファイト/ブラック/レッドカラーを展開。エアロロードのディスクブレーキ化が急速に進む現在、ダイレクトマウントタイプの貴重なリムブレーキモデルとして注目したい

IMPRESSION RIDER
ハシケン
ロードバイクをメインにするサイクルジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライム一般クラス優勝、乗鞍ヒルクライムで上位に食い込む実力を持つ。UCIグランフォンド世界大会に出場経験あり。身長171cm、体重62kg

5

TEXT:ハシケン PHOTO:小野口健太 ウエア協力:サンボルト
問:東商会 www.eastwood.co.jp

(出典:『BiCYCLE CLUB 2019年4月号』)
「ハシケンのロードバイクエクスプローラー」の記事はコチラから。

SHARE

PROFILE

FUNQ

趣味の時代に読むメディア

FUNQ

趣味の専門誌を届けてきた私たちが世界中の人に向けて、趣味の世界への入り口をつくりました。彩りに満ちた人生の新たな1ページが、ここから始まります。

趣味の専門誌を届けてきた私たちが世界中の人に向けて、趣味の世界への入り口をつくりました。彩りに満ちた人生の新たな1ページが、ここから始まります。

BiCYCLE CLUB TOPへ

No more pages to load