TREK(トレック)・ドマーネ SLR 9|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2019年09月02日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 「エンデュランスロードの究極型」と呼ぶにふさわしい、トレック・ドマーネシリーズの最新作、TREK・DOMANE SLR 9(トレック・ドマーネ SLR 9)にベテランライダーの管洋介が乗った!
エンデュランスロードというにはもったいない多才なドマーネ SLR 9
これぞ「エンデュランスロードの究極型」。トレック・ドマーネシリーズの最新作が、これまでのロードバイクではカバーできなかった、圧倒的に広い用途を満たす一台に進化。
たとえばパリ~ルーベのような石畳をいく高速レース、たとえば200㎞を超えるようなグランフォンドレース、たとえばグラベルロードを突き進むアドベンチャーツーリング……。これらすべてが、ドマーネSLRというたった一台で完結する。
今回のリニューアルでは、まずそのフレームデザインを大幅に変更。エアロを追求したマドンを思わせるほど空力性能を向上させ、「より速く」の進化を体現している。また、路面からの振動に対してはトレック独自の「アイソスピード」テクノロジーと、タイヤのサイズアップにより、長距離を長時間走っても疲れを最小限にする。
さらに高速化や振動吸収性とは別に、「バイクストレージをフレームに一体化する」というユニークなシステムを搭載した点も大きなトピックだ。レースのみならず、アドベンチャーツーリングをもカバーする懐の深さやシステムも魅力だ。
マドン、エモンダとあわせてトレックロードモデルの3本柱となっているドマーネ。この3つの分類上は「エンデュランスロード」とジャンル分けされるものの、ロードバイクの使い方や遊び方においては、ほとんどすべてがこなせる「オールロード」という表現に近い。2020年のロードバイクにおいて、トレック・ドマーネSLRほどマルチパーパスという言葉がふさわしいバイクはない。
剛性、軽さ、エアロ効果をさらに向上
プロジェクトワンで特別なカラーも選べる
トレック
ドマーネ SLR 9
112万6000円~(P1仕様 完成車/税抜)
■フレーム:700シリーズOCLVカーボン ■フォーク:ドマーネSLRカーボン ■コンポーネント:シマノ・デュラエースDI2 ■ホイール:ボントレガー・アイオロスXXX4 ■サイズ:44、47、50、52、54、56、58、60 ■カラー:アイコンカラーシリーズ・モールテンマーブル ■重量:7.75kg(ペダルレス・編集部実測/ 52サイズ)
重心をとらえやすく安定感抜群
ペダリング時の踏力のバランスをバイクが整えてくれる!
管洋介がインプレッション
バイク上で重心をとらえやすい設計で、フラッグシップレーシングモデルながら非常に安定感のある走りが魅力。ドマーネ独自のアイソスピードテクノロジーによって、フレームの振動吸収量を調整できるが、全体的な乗り味としては、ほどよくしなる穏やかな剛性が特徴。ウイップを生かしたライディングを楽しむことができる。
そして、ライダーのペダリングリズムをバイク側がまとめてくれる印象が強い。緩斜面の上りでは「(フロントがインナーではなく)まだアウターだったのか?」と気付かされるほど、ペダリング時の踏力のバランスを整えてくれる。
また直進安定性にも優れ、集団からアタックするような急激な加速をしても、踏み込んで乱れた脚が正しい位置へ戻って来る感じだ。最初に言ったように、バイク上で重心を捉えやすいことがその理由だろう。下りではバイクと一体化した走りが心地いい。
さらに路面環境の変化に対して、的確な振動減衰性をもっている。オンロードのどんな路面でも振動のトーンに角がなく、集中力を維持しやすいのが特徴だ。標準装備のタイヤは28Cだったが、よりサイズアップした32Cならさらに快適な仕様となるだろう。
プロジェクト・ワンで新たに選択できるようになったカラーリングにも高級感があり、長い付き合いが期待できる一台だ。
インプレッションライダー
管 洋介
競技歴22年のベテランライダーでバイシクルクラブでカメラマンのほか、自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味
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問:トレック・ジャパン www.trekbikes.com
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