ORBEA(オルベア)・オルカM10iLTD-D|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2019年09月30日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! オールラウンダーでありながらエアロダイナミクスを追求した最新のオルカ、ORBEA・ORCA M10iLTD-D(オルベア・オルカM10iLTD-D)に管洋介が乗った。新世代オールラウンダーと呼ぶにふさわしい、その性能とは?
16年のノウハウを結集した新世代オールラウンダー
「オルカM10iLTD-D」
スペインのバスク地方を本拠地とするオルベア。1840年に銃器の製造から始まり1930年には自転車の生産をスタートさせた老舗ブランドだ。同社のロードバイクの代名詞ともいえるのがカーボンバイクのオルカ。
2003年に初代が誕生したオルカは、改良を重ねながら進化を果たしてきた。これまでの16年にわたって積み重ねてきた技術と情熱を結集したニューモデルが7代めとなるオルカだ。
オールラウンダーでありながらエアロダイナミクスを追求した最新のオルカは、前作よりも10%空気抵抗を軽減。専用のハンドルとステムを用意することで、ケーブルを完全に内装化。ライトやアクションカムも取り付けできるサイクルコンピューターマウントも専用品を用意するなど、構成するコンポーネントにも、オルベアのこだわりが垣間見える。
最先端の素材と製造技術を用いることで、フレーム重量で833g(53サイズ)の軽さも実現。フレームの下部を中心に15%の剛性向上を果たし、動力伝達性も高められた。フレーム上部には、ダイナミックストラクチャーデザインを採用して、路面の凹凸を効率よく吸収する。
ユーザーが性能以上に求めるカラーリングについても、独自のカスタマイズプログラム「マイオー」を用意し、唯一無二のバイクを作り上げることが可能だ。
オルベア
オルカM10iLTD-D
111万9000円(完成車/税抜)、44万円(オルカOMXフレームセット/税抜)
■フレーム:カーボンモノコック ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・デュラエースDI2ディスク ■ハンドル:OC2ロードカーボン ■ステム:オルベア・ICR ■シートポスト:オルベア・オルカOMX ■サドル:セライタリア・SLR ■ホイール:マヴィック・キシリウムプロカーボン ■タイヤ:マヴィック・イクシオンプロ ■サイズ:47、49、51、53、55、57、60 ■カラー:標準スタンダードカラー(全3色)、MyO(マイオー)カスタムカラー ■試乗車重量:7.2kg(53 /ペダルレス)
バイクに身をまかせられる安心感と秀逸なペダリングフィール
管洋介がインプレッション
オールラウンドレーシングバイクの歴史をリードしてきたオルカのニューモデルだけに、試乗前から期待の高まる一台だった。近年のオルカが採用してきた特徴的なオーバル形状のフロントフォークを継続して採用。シャープなハンドリングが持ち味であり、さらにホイールを包み込むように支え、安定感のある操舵性とカリッとした高剛性でメリハリのある爽快なライディングを引き出してくれる。このフォークにより車輪の軸を捉えて乗ることができ、コーナーの進入でバイクに躊躇することなく大きな信頼を寄せられるため、流れるようなラインを描いて曲がっていける。高速のワインディングコーナーなどで真価を感じられる。
気になる踏み味は、瞬間的にかかる反応のよさが際立ち高剛性の印象だ。ハードなライディングでも常にフレッシュな感覚を与えてくれる。それでも過度な硬さを感じることはなく、BB付近の小気味よいウィップが踏み底の硬さを軽減。常にペダリングの抜けが良く、高負荷から高回転までさまざまなシチュエーションに対応できる万能性をもっている。また振動吸収性についてもレースバイクとして路面の情報を失わないレベルで快適性が確保される。
このバイクのアドバンテージは、山岳から平坦路の高速巡航、さらにクリテリウムまで、あらゆるレースシーンで生かされる。まさにレース向けのオールラウンダーとして完成度の高い一台だといえる。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:サイクルクリエーション www.cyclecreation.co.jp
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