CANNONDALE(キャノンデール)・トップストーンカーボン レフティ1|ニューモデルインプレッション
鈴木雷太
- 2020年06月22日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 昨年登場したリアにキングピンサスペンションを装備したキャノンデール・トップストーンカーボンに片持ちサスペンションフォーク、レフティをアッセンブルした、CANNONDALE・TOPSTONE CARBONE LEFTY 1(キャノンデール・トップストーンカーボン レフティ1)を鈴木雷太がチェック! その乗り心地は?
専用前後サスペンションを搭載したグラベルロード
「トップストーンカーボン レフティ1」
昨年登場したリアにキングピンサスペンションを装備したトップストーンカーボン。さらにハードなグラベルに挑みたいライダーのために、同社の片持ちサスペンションフォーク、レフティをアッセンブルしたモデルが加わった。
レフティオリバーと名付けられたこのフロントフォークはグラベル用に開発されたもので、30mmのトラベルが路面からの衝撃を吸収しながら、ペダリング時の上下動を最小限に抑制する設計が施されている。またノーマルフォークのトップストーンカーボンが700Cのタイヤなのに対して、レフティではエアボリュームの大きい650Bタイヤを採用。よりオフロードでの走破性を高めている。
前後にサスペンションを搭載したグラベルロードという、キャノンデールにとっても初めて取り組むカテゴリー。それでも自信をもって生み出せたのは、培ってきた経験と常にエポックメイキングな取り組みをする土壌があるからだ。
そもそもキャノンデールは、サスペンションの世界を切り拓いてきたメーカーだ。MTBの黎明期に、初めてリアサスペンションを搭載した量産バイクを発表したのを原点に、以降30年にわたってサスペンションに取り組んできた。
レフティフォークもMTB用で長年熟成が進められてきたものであり、リンク機構をもたないキングピンサスペンションについても同様だ。
またキャノンデールならではの大きな特徴が、サスペンション機構をもつフォークとフレームの両方を開発できる希有なブランドであるということ。これはフォークとフレームを完全なマッチングで提供できることを意味している。
トップストーンカーボンレフティは今回紹介するレフティ1のほかに、ミドルグレードのレフティ3(38万円)もラインナップ。前後サスペンションでさらにフィールドを拡大できる新たなグラベルロードの楽しみかたは、すべてのユーザーに向けて発信されている。
フロントのブレーキキャリパーにはレバー操作で簡単に取り外せるストップロック機構を設けた。これによりホイールの着脱を容易にしている。
カーボン素材のフレックス性を生かしたキングピンサスペンションをリアに装備。軽量ながら最大30mmのフレックス幅を確保した。
トップストーンのために専用開発されたレフティオリバーサスペンションフォーク。30mmのトラベル量で、ダートでも正確なハンドリングが可能な高剛性が特徴。タイヤはエアボリュームの大きい650Bを採用。
カーボンのしなりで快適性を生み出すセーブシートポストを採用。ドロッパーポストへの変更で、よりオフロードに特化させることを想定し、リモート用の内装ケーブルルートも確保される。
キャノンデール
トップストーンカーボン レフティ1
75万円(完成車/税抜)
■フレーム:バリステックカーボン、キングピンサスペンション ■フォーク:レフティ オリバーカーボン、30mmトラベル ■コンポーネント:スラム・フォース×X01イーグルEタップアクセスHRD ■ハンドル/ステム:ホログラム セーブバーステム ■シートポスト:ホログラム セーブカーボン ■サドル:ファブリック・スクープシャローレース ■ホイール:ホログラム 23、スーパーライト ハイインパクトカーボン(リム)、フォーミュラ・DHT-141 ■タイヤ:WTB・ベンチュラTCSライト(F)、バイウェイTCSライト(R)650B×47㎜ ■サイズ:XS、S、M ■カラー:カメレオン ■試乗車重量:9.4kg(S/ペダルなし)
乗り心地と安定性に優れ、どんな路面でも走っていける!
鈴木雷太がインプレッション
前後サスペンションの効果とグラベル系タイヤが装備されていることがあいまって、快適な乗り心地と高い安定性を両立したバイクだ。とくに安定性においては、アスファルトの路面で継ぎ目や凹凸をほぼ気にすることなく自由に走れてしまう。
ちょっとしたダートやシングルトラックも走ってみたが、フロントのレフティフォークのストロークの恩恵がプラスに働き、10cmほどの木の根を越えるような場合でも減速することなく走行できる。リアのキングピンサスペンションも振動吸収性は高いが、リンク機構をもたない構造であるため、明確にストロークを感じるというより、衝撃の大小に合わせてソフトにいなしてくれる印象だ。
片持ちのレフティフォークは剛性の左右差を予感させたものの、乗っているうちに忘れる程度だったので、ごくわずかといっていいだろう。またフロントのディスクブレーキキャリパーの着脱が工具不要で、レバー操作のみで行えるのはありがたい。
舗装路からかなりハードめのオフロードまで、どんなパートでもこなせて、どこにでも行きたくなるグラベルバイクだ。その性能をどう生かしていくかをライダーに委ねた「大人のためのバイク」といえるだろう。
インプレッションライダー
鈴木雷太
MTBクロスカントリーで2回の全日本タイトルを獲得し、シドニー五輪にも出場した元プロライダー。ロードバイクの経験も豊富で、さまざまな目線からバイクをインプレッションする。身長168cm。
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問:キャノンデールジャパン www.cannondale.com
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