Withコロナで自転車通勤、移動しながらエクササイズ
山口
- 2020年07月05日
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Withコロナ生活を受けて自転車通勤を許可する会社も増えてきたが、実際には自転車通勤をしたくとも駐輪場の問題、ルート選びなど悩みも多い。このコロナ禍で会社から自転車通勤が許可され、自転車通勤を開始したという会社員長島純郎さんの例を紹介する。
都内ならばオフィスビルや公共の駐輪場がある
東京、丸の内エリアには中央区立の機械式地下駐輪場などの公共駐輪場のほか、オフィスビルにある駐輪場やシャワー設備のある日比谷公園の日比谷ライド、丸ビルのbike&runなどシャワー付きの高級駐輪場もある。
システムエンジニアとして働く長島純郎さん。もともとトライアスロンから自転車を楽しみ始め、いまではグランフォンド世界選手権に出場するなどレースを楽しんでいる。
「いままで自転車通勤は許されていませんでしたが、このコロナのまん延してから自転車通勤が許可されるようになりました。ただし、会社に駐輪場はないので公共の駐輪場を使っています」
東京駅近く、丸の内、日比谷エリアには公共駐輪場も充実しているので、いまのところ駐輪場は確保しているという。長島さんのようなロードバイクを使う自転車通勤スタイルはそこまで普及していないので、駐輪場にも余裕はありそうだ。
時間に余裕のある日はより安全で快適なルート
板橋に住む長島さんの場合、時間がないときは国道17号を中心に走り、時間に余裕のある時は安全に走れる荒川経由で会社に行く。
「国道17号は交通量はありますが、池袋駅前などターミナル駅近くを通らないので、思っているよりは快適です。荒川はちょっと距離は伸びますが、
平日の朝、夕は歩行者や自転車も少ないので気持よく走れ、空も広いのでリフレッシュになります。荒川で行くときは、朝30分ほど家を早く出るようにしています」
レースでも走りなれている長島さんの場合、特にクルマの流れがあることには慣れているので苦にはならないが、ターミナル駅付近の人通りの多い道は走りにくいという。
NAVITIMEでルートを比較。(左)最短距離で約20㎞弱、サイクリングコース優先で荒川経由になると30㎞弱ほどになる。(右)駐輪場も東京駅エリアにはこれだけある。
時差出勤を使って明るいうちに帰宅
会社では普段このスタイルで勤務している。毎日着替えをザックに入れて通っている。オフィスにシャワーはないので制汗シートを使って汗を拭いている。
「もともとは9:30~17:30がコアの勤務時間でした。最近では時差出勤できるようになりました。7時間勤務、昼休みを含むと8時間すればよいので、時間は柔軟に使えます。最近の僕の場合は早朝出勤にして8:30には職場いるようにします。その場合、16:30が定時になります。時差出勤はWithコロナの働きかたですね」
長島さんはいつも定時で帰るわけにはいかないが、早朝出社で、明るいうちに帰ることができれば事故にあうリスクも少なくできる。可能であればこうした時差通勤を利用するのも自転車通勤のポイントとなる。
さらに、出社時間が前後しても許されるので、朝焦る必要がないのも精神的に余裕が生まれる。
雨の日には無理をせず、自転車通勤ではなく電車通勤に切り替えるという。ただ、帰り雨に降られてしまった場合にはよほどのことがない限り乗って帰る。
お昼にトンカツを食べてもカロリーが気にならない
美食家でもある長島さん「自転車通勤でエクササイズできると、お昼にトンカツ大盛を食べてもカロリー気にしなくてすみます。食べちゃったらカロリー使わなきゃと、帰りに多少の雨が降っても走るモチベーションにもなります」と、自転車通勤のメリットとして、美味しいものを食べてもカロリーを気にしなくてすむこともあげられる。
バイクはシクロクロス、ビンディングシューズではなくスニーカーを使う
長島純郎さん。高岡亮寛さんなど強豪ホビーライダーが集まるRoppongi Expressに所属。バイクは冬のレース用のBOMAのシクロクロス。夏の間は通勤用にセカンドバイクとして使っている。
長島さんの自転車通勤スタイルはレーサースタイルのままだ。
「仕事が技術職なので会社内ではスニーカーでも許されています。なのでビンディングシューズではなくスニーカーを履いて、そのまま自転車に乗ります」。
コースが平地が中心なのと、そこまで飛ばさずに走るのであえてビンディングシューズを使っていない。さらにバイクもロードバイクではなくシクロクロスだ。
「もともとブロックタイヤでしたが、ロードの練習用に使っていたホイールと25Cのロード用タイヤにしています。あと、泥除けもつけています」
ペダルはプラ製のフラットペダル。
長島さんの場合は、勤務条件、通勤エリアの駐輪場の充実などかなり恵まれた自転車通勤環境ともいえる。ただ、これから自転車通勤をスタートする際の参考になる好例だ。各企業がこうした条件を整えられると、エクササイズを楽しみながら自転車通勤できる環境が広まっていくことになる。
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PROFILE
バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。