SPECIALIZED・TARMAC SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】
ハシケン
- 2020年12月19日
ターマックが誕生して16年の月日が経つ。時代を彩ってきたスーパースターたちが操ってきて
ピュアレーシングマシンの進化の過程を、直近の新旧3モデルを比較しながら振り返る。
OLD VS NEW 新旧比較
ヴェンジの空力性能を取り込み、ターマックはさらなる高みへ
世界のロードレースシーンを席巻するターマック。その歴史はマリオ・チポッリーニを世界選手権制覇へと導いた2004年モデルのターマックE5に始まる。
その後、SL2、SL3とモデルナンバーを重ねレーシング性能の指標となる重量剛性比を引き上げ、高性能化を果たしてきた。
そして、通算5回めのモデルチェンジとなった2 015モデルで、初めてサイズ間の性能差を均一化するデザインアプローチである「ライダーファースト・エンジニアード」を導入。
その3年後、フレーム工法を独自のファクト11からファクト12へとアップデート。チューブのスリム化やシートステー位置を下げるなどの変更を施し空力性能を向上。重量は塗装重料わずか10gに抑えた最軽量モデルのウルトラライトモデルで733g(56サイズ)の軽さを実現した。
そして2021モデルとして登場したターマックSL7は、前作同様にファクト12カーボンを採用しフレーム重量は800g以下を実現。エアロロードの絶対王者であるヴェンジの空力性能を融合し、1台ですべてを制するマシンとして生まれ変わり、ターマックの系譜は次世代へ引き継がれていく。
S-WORKS TARMAC
S-WORKS TARMAC ULTRA LIGHT
S-WORKS TARMAC SL7
OTHER MODEL
SPECIALIZED/S-WORK AETHOS ETAP
量産型ディスクブレーキロードで史上最軽量のフレーム重量を誇るエートス。
エアロロードであふれる時代に異彩を放つ超軽量バイクは、新たなトレンドセッターになり得るか。
常識にとらわれず驚異の軽さを追求した究極形
近年のエアロロードの潮流に真っ向から逆らうような型破りなバイクだ。空力性能と軽さを融合した新型ターマックを誕生させたとき以上のインパクトだ。
過去に名車と呼ばれる多くの軽量バイクを手掛けてきたピーター・デンクによって生まれたエートスはその思想と最先端の技術を融合した常識を打ち破る一台だ。
わずか585g(56サイズ)、フォークはコラムカットして260g 台という驚異の軽さを実現。丸型チューブを基本とするクラシカルな構造と控えめな塗装が、今の時代に強烈な個性を放つ。
走らせれば、俊敏でありながらシルクのような上質なライドフィールが全身を駆け抜け生かす強烈な軽快感は踏み抜きやすく魅力的だ。下りも6.1kg(試乗車)の超軽量モデルであることを感じさせず高速でコーナーを処理できる。
トレンドセッターとして、今後しばらく最軽量ディスクブレーキモデルのマイルストーンとして君臨するだろう。山岳を好むひとりのライダーとして、こんなフィーリングを求めていたと、うなずきたくなるバイクだった。
SPECIFICATION
スペシャライズド・エスワークス エートス Eタップ
完成車価格:132万円(税抜)
■フレーム:Sワークス・エートス ファクト12rカーボン
■フォーク:Sワークス・ファクトカーボン
■ハンドルバー:Sワークス・ショート&シャロー
■コンポーネント:スラム・レッドEタップAXS
■ブレーキ:スラム・レッドEタップAXS油圧式ディスクブレーキ
■ホイール:ロヴァール・アルピニストCLX(リムハイト33mm)
■タイヤ:スペシャライズド・ターボコットン(700×26C)
■サイズ:49、52、54、56
■カラー:サテンフレークシルバー/レッドゴールドカメレオンティント/ブラッシュドクローム
■試乗車実測重量:6.1kg(52サイズ・ペダルなし)
問:スペシャライズド・ジャパン www.specialized.com
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