心に残るフォームの名ロード選手たち、管洋介が選ぶトップ5
管洋介
- 2021年01月29日
INDEX
自転車やロードバイクにまつわる、あれやこれやの事柄たち。記憶に残るトップ5をベテランライダー管洋介が語る。ロードバイクの変化ともにフォームも変わってきたが、そのなかでも特徴的なフォームで走り、印象に残った選手たちとは?
フレーム素材やレース展開で変化するフォーム
ドロップハンドルを巧みに握り、クランクを回し続けることに人生を賭けて年間3万㎞を走るプロロード選手たち。スピードマン、パンチャー、クライマー、スプリンターで主体となるフォームが異なるのがレーサーの特徴だ。
選手のフォームもクロモリ→アルミ→カーボン→ディスク化とフレーム素材やレース展開の変化によって大きく変わってきた。
スチール全盛の90年ごろはギヤは重めで選択も少なく、ハイトルクを踏み続けることからシート角は後ろに寝て、フレームの弾力を生かす骨盤を立てたフォームが多かった。
90年代後半に軽量で反応性の高いアルミが投入されてからレースが一変。一撃で大きなアドバンテージを奪い取る攻撃的なヒルクライムや、トレインを組んだハイスピードのスプリント合戦がレースを盛り上げた。走りの特色によってバイクのバリエーションも豊富になった。
2000年代はカーボン素材が浸透し、超軽量高剛性かつ適度な弾力を持つバイクが次々と登場。20段を超えた多段ギヤを駆使したハイケイデンスのヒルクライムとなった。また平坦も上りも両立できるオールインワンのバイクが登場、このころから前重心に構えるフォームが主流になってきた。
今回紹介する5選手は、そんな時代のフォームの流れでも際立って印象に残った名選手たちだ。
過去の名選手でいちばん印象的な「ミゲール・インデュライン」
90年代を代表する選手のインデュライン。ツール5連覇をなしとげたスペインの偉人だ。スチール時代に特徴的なフォームだった最後の大選手だ。 PHOTO:ASO/Bruno Bade
圧倒的な王者の風格!
1990年代ツールを5連覇した、スペインが生んだ英雄ミゲール・インデュライン。186㎝の長身、180㎜のロングクランクをシッティングで回し切り、TTの強さと上りの粘り強さでツール総合優勝を固めるスタイルを確立した。骨盤を後傾させて懐深く、グイグイとハンドルを引き寄せて踏み込んでいくフォームだ。上りでもめったに腰を上げず、逆転を狙ってまわりを走る選手が彼をダンシングで攻撃する姿が逆に王者感を引き立ててしまうほどの猛者だった。
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