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ダミアーノ・クネゴに宮澤崇史が直撃インタビュー!引退する今だから言えること

22歳のときジロで優勝し、華々しいデビューを飾ったクネゴが今期限りで引退する。引退を前にした今だから語れることを、宮澤崇史が聞いた。

ダミアーノ・クネゴ
1981年生まれ。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ所属。イタリア、ヴェローナ出身。2004年に22歳でジロ・デ・イタリア優勝。ジャパンカップでは2005年、2008年に優勝している。

クネゴが現役にこだわり続けた理由

いよいよ引退するということで、あなたほどの選手がなぜ、 現役であることにこだわり続けてきたんですか?

ただただレースがしたかっただけなんだよね。幸運にも自分はヒルクライマーとしてアマチュア時代から頭角を表すことができて、チームや選手みんなが支えてくれた。その働きに応えるために今まで走ってきたんだ。

エースという重大なポジションを若いときから担ってきたけど、ファンやチームから期待されて、僕がいい成績を出すことができたときはみんなで喜ぶ、そんな瞬間が自分は好きだし、それを味わうために続けてきたとも言えるかな。

感動を与えてくれる不屈の精神

2016年、ジロで山岳賞を争う決して諦めないスタイルは多く感動を与えましたが、その不屈の精神はどこから来るのですか?

あのときジャージを15日間守ることはすごく難しかった。毎日アタック合戦があって、逃げに乗って、攻めの走りをし続けなければならなかったからね。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニは大きなチームじゃないけど、みんながアシスストしてくれて絶対にこのジャージを獲得するんだ!という意思を持ち続けられた。

もともとフィジカルもメンタルも強いほうなんだ。ヒルクライマーはつねにキツイ状況でガマンしながら走り続けなければならないから、メンタルが強くないとやっていかれないんだよね。僕はメンタルの強さに自信を持っている。以前よりもフィジカルは落ちてきているけど、自分に「大丈夫だ!まだいける!」って言い聞かせながら自分と戦っていたよ。

ベテランの域を迎えても、なお結果を出す

その身長の低さは武器だったんですか?それとも不利だったんですか?あなたならではの戦い方、トレーニング方法とは?

▲つねにトレーニングではベストをつくすクネゴ。クライマーの中で結果を出す戦い方を知りつくした秘策を持っている

身長は低いけど体重が軽かった。でも、山岳系の選手のなかでは普通だったかな。それよりも僕の最大の武器はスプリントが強かったことだ。

山岳系の選手のなかでは勝てる自信があったし、ピュアスプリンター以外の選手とも互角に戦えるスプリント力はあったよ。それを山岳でも生かすためにダンシングを多用した攻撃的なレースをしていたよ。

どういう走りをしたかっていうと、僕の全盛期は体重の7倍のワット数で25分〜30分の上りも走れたんだけど、コーナーを曲がるたびにダンシングでスピードをあげるから、ライバルはキツかっただろうね。だから逆に優位だと思っていたし、身長の低さを不利だと思ったことはないよ。

あ! ひとつあげるとしたら、タイムトライアルは軽量で身長の低い僕には向いていなかったから、苦手だったね(苦笑) 。

▲タイムトライアルはあまり得意ではないというクネゴ。今期はカブトのヘルメットを被る

今はみんなと同じトレーニングをしているけど、昔は個人的にトレーナーについてもらってトレーニングしていたね。

とくにユニークな内容はないけど、自分にあったトレーニングを、意見を交換しながら作っていた。イタリアでは昔からパワーメーターや心拍計を使ったトレーニングの研究が盛んで、トレーナーも多いし、僕にあったトレーニングをトレーナーに相談することは難しくなかった。

今のチームNIPPOでは、どんな役割を務めてきたんですか?若手に対してどんなことを伝えたいですか?

キツイ山岳系のレースを自分がエースで走ることが多かった。カノラもエースとしてとても強い選手だけど、長い上りの続く山岳は得意な選手ではなかったから、僕が1番得意な山岳レースではエースになって優勝を狙って走ったよ。

アップダウンのレースや、平坦のレースではカノラがこのチームのエースとして走っている。キャプテンとしての素質も持っているし、昨年のジャパンカップを思い出してもわかるとおり本当に強い選手だよ。

今年は多くのレースでカノラのアシストとして助けることが自分の仕事になるだろうね。この合宿中にも上りのスプリントで1500W出していたし、楽しみだよ。

僕は最後のアシストとしてポジション取りや前を引くことが仕事になるね。

チームには多くの日本人選手がいますがどう思っていますか?

日本人も強いよ!去年の中国でのチンハイレイクでは、中根がスーパーアシストをしてくれて、 最高の成績を出すことができた。

あと西村はすごくいい選手だね、でもまだまだ学ばなければならないことがたくさんあると思う。今回ヴァレンシア合宿では一緒の部屋で合宿をともにしているけど、選手としての食事の大切さや、トレーニング以外の時間の使い方など、選手として必要な生活の仕方を少しずつだけど伝えているよ。

▲今のチームに入って日本でレースをしたりするなかで、親日家になった

自分は選手を辞めたらトレーナーになる予定で今は勉強している。今の日本人選手に2020年のオリンピックまでに強くなるためのアドバイスをしたいと思っている。

▲自身2回優勝しているジャパンカップ。2017年には渾身のアシストで見ている観客を虜にした

このチームに入って日本の素晴らしさを知ったし、このチームが自分に与えてくれたチャンスに感謝している。自分の経験や、メンタル、フィジカルの3つを伝えていくよ。でも、それを生かせるかは彼らしだいだから、どんどん自分から吸収していって欲しいね。 

よろしくお願いします (笑) 。では最後に、 今年はどんな年にしたいですか?

今年はジロに出られなくなってしまったけれど、チームの目標は明確だよ。日本選手の育成環境を整えることも重要だけど、翌年のジロへの出場権が約束されているチクリズモカップでの優勝も重要な目標のひとつなんだ。それに全力で挑むことも自分の使命だし、最後に結果を出してチームを再びジロに導けたらうれしいよ。

そして自転車人生をNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニで閉じられることは自分にとってとても素晴らしいと思っているよ。

 

インタビュワー

宮澤崇史
スプリンターとしてUCIワールドチームのサクソバンクで走るなど、国内外で活躍。北
京五輪ロード日本代表。2010年日本チャンピオン。現在はJプロツアーチームリオモベル
マーレレーシングチーム監督兼選手
 。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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