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アスグリーンがロンド・ファン・フラーンデレン初制覇 ファンデルプールとに競り勝つ

第105回のロンド・ファン・フラーンデレンが4月4日、ベルギー・フランドル地方を舞台に開催された。優勝争いは終盤の登坂区間で抜け出した2人に絞られ、最後はカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)に先着。初優勝を果たした。

大方の予想を覆したアスグリーンのスプリント

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、約半年のスパンで行われた今大会。前回がイレギュラー開催として10月のレース実施だったこともあり、2年ぶりにこのビッグイベントは通例である4月上旬へと戻ってきた。ワンデーレースの中でもひときわ格式の高い「モニュメント」に数えられるとともに、その伝統とステータスから「クラシックの王様」と長く呼ばれ続けている。

選手たちの前に立ちはだかる登坂セクションは19カ所。なかでも3回通過する「オウデ・クワレモント」と2回通過する「パテルベルグ」は、例年展開が大きく動く重要ポイント。フィニッシュまで残り10kmあまりとなる2回目のパテルベルグは、最後の勝負どころとなることが多い。

254.3kmに及ぶ戦いはまず、7人の逃げグループ形成によって進んでいく。これを容認したメイン集団との差は、最大で12分近くまで広がった。残り130kmを切ったところで通過した1回目のオウデ・クワレモントをきっかけに、集団がペーシングを本格化。それからは、逃げとの差が徐々に縮小。残り70kmを切る頃には、その差は2分台にまで縮まった。

スピードが上がり始めたところで数人が絡むクラッシュが発生し、ジュリアン・アラフィリップ(フランス)やアスグリーンのドゥクーニンク・クイックステップ勢らが巻き込まれたが、集団がペースを緩めて彼らの復帰を待ったこともあり、レース展開に影響を及ぼすところまでは至らず。

やがてペースを戻したメイン集団は、残り55kmで迎えた2回目のオウデ・クワレモントで逃げていた選手たちを次々とキャッチ。この動きの中からアスグリーンとファンデルプールが先行する状況が出始め、彼らが数秒リードしては他の有力選手たちが合流するといった流れが数回繰り返されていくうちに、先頭グループは10人ほどに絞られた。

残り40kmでは、マルコ・ハラー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がパヴェを利用して抜け出しを図ると、これを追ってスピード上げた選手たちが次々とジョイン。先頭には、アスグリーン、ファンデルプール、ハラー、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)、アンソニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)の、6人だけが残った。

さらに15kmほど進んだところでアスグリーンがアタックすると、これに反応したのはファンデルプールとファンアールト。3人がリードする形で3回目のオウデ・クワレモントへと突入する。

この重要局面で満を持して動いたのはファンデルプール。2.2kmの石畳の上りでスピードアップすると、動きを合わせられたのはアスグリーンだけ。ファンアールトはついていけず、その差は広がっていく一方。一騎打ちの様相となった先頭の2人は、直後のパテルベルグもクリアし、フィニッシュまでの10kmに勝負をかけることとなった。

アスグリーンとファンデルプールは、後続に対して30秒程度のリードを保ったまま残り距離を減らしていく。追いかけるメイン集団は、失速したファンアールトこそ吸収したものの、前を急ぐ2人まではなかなか届かない。先頭を走るうちのどちらかの優勝が濃厚な情勢となった。

そしていよいよ最終局面へ。アスグリーンはファンデルプールを前に出し、仕掛けどころを探る。対するファンデルプールもマークを切らすことなく、ライバルにスキを与えない。牽制したまま迎えた残り200m、先に動いたのはアスグリーンだった。

これに合わせるようにして加速したファンデルプールだったが、残り100mでアスグリーンに並ばれると敗北を悟るようにしてペダリングを止めてしまう。最後まで勢いを失わなかったアスグリーンが先頭に立ち、歓喜のフィニッシュを迎えた。

ロンド前哨戦として注目された3月26日のE3サクソバンククラシックでも勝っていたアスグリーン。その時は合計にして60kmを独走しての勝利だったが、今回はファンデルプールとのマッチスプリントを制してのビッグタイトル獲得。これまでの実績や勝ち方から、ファンデルプールに分があると見られたが、それを覆す大仕事をやってのけた。

なお、3位にはグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2R・シトロエン)が入り、表彰台の一角を確保。優勝争いから遅れたファンアールトは6位、落車リタイアに終わった昨年の雪辱なるかが見ものだったアラフィリップは42位でレースを終えている。

優勝 カスパー・アスグリーン コメント

©Tim De Waele / Getty Images

「信じられない! ロンド・ファン・フラーンデレンは石畳と急坂の構成が秀逸で、私にとっては世界で最も美しいレースだ。初出場で表彰台(2位)に上がった2年後に優勝することができ、本当に最高の気分だ。このチームで初めてレースした日から3年が経ち、フランドルでトップに立ったことで、さらに特別な存在になれると感じている。大変なレースだったが調子が良かったので、チームメートの素晴らしい働きに報いるためには勝利する以外満足できないと思っていた。

残り60kmのところでクラッシュに巻き込まれてしまい、集団復帰にエネルギーを使ったので、今日はすべてがスムーズなわけではなかった。ただ、その後も動きがよく、上りでの攻撃にも耐えることができていた。それが自信になり、最後のオウデ・クワレモントまでマチュー(ファンデルプール)とワウト(ファンアールト)と先頭を走り続けられた。

最後の数キロでアタックするほどの脚は残っていなかったので、スプリントに賭けることにした。状況をコントロールするには後ろに回るのが最善策だった。うまくスプリントできたとはいえ、勝利を確信したのは最後の10m。チームの仕事を仕上げることができ、本当に誇らしく思う。チームにとっても最高のクラシックシーズンになっているし、子供の頃にテレビで見ていたこのレースのタイトルホルダーになれるのは驚きでしかない」

ロンド・ファン・フラーンデレン2021254.3km)リザルト

1 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) 6時間2分12秒
2 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) +0秒
3 グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2R・シトロエン) +32秒
4 ヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) +33秒
5 セップ・ファンマルク(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション) +47秒
6 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
7 ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
8 アントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
9 フロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
10 ディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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