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ワウト・ファンアールトがアムステル・ゴールド・レース初優勝 3人の争いを制する

アルデンヌクラシックの初戦となる、第55回アムステル・ゴールド・レースが現地時間4月18日、オランダ南部を舞台に開催された。優勝争いは3人によるスプリント勝負になり、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)に先着。この大会で初優勝を果たした。

写真判定にゆだねられた数センチ差の勝負

クラシック戦線はベルギー北部のフランドル地方から、同国南部のワロン地方やオランダ南部の丘陵地帯へ。このレースからは、パンチャーやアタッカー、クライマー、オールラウンダーも入り乱れ、変化に富む難コースでタイトル争いが繰り広げられる。

昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったアムステル・ゴールド・レース。2年ぶりの開催となったが、今回も同国の感染状況を踏まえて、コースを従来のものから変更。ファルケンブルフを起点とする16.9kmの周回コースでレースを実施することとなった。

コースのポイントとなるのは、この大会ではおなじみの3つの登坂区間。フーヘメルベルフ(登坂距離1km、勾配5%)、ベメレルベルフ(900m4.5%)、カウベルフ(800m、平均勾配6.5%、最大勾配12%)が含まれるコースを12周回。最終周回のみ、カウベルフを回避する別ルートが設定される。

レース距離は218.6km。大小38カ所の上りがあり、獲得標高は3000mを超える。

迎えたレースは、1周目で形成された10人の逃げグループがしばし先行。メイン集団は4分前後のタイム差を維持したまま進行し、後半に入るまでこの状態は続いた。

ようやく流れが変わったのは残り5周。カウベルフ登坂でメイン集団のペースが上がったことをきっかけに、9人による第2グループが発生。これはすぐに集団が捕らえたが、その後も集団前方では出入りが続き、しばしば数人単位のパックが組まれては集団がキャッチする状態が繰り返された。

こうした中から残り43kmでは、前回2位のサイモン・クラーク(オーストラリア、クベカ・アソス)らを含む6人の追走グループが形成され、逃げる選手たちに迫る。8kmほど進んだところで逃げメンバーの大多数に合流するも、直後にメイン集団が合流。力のある選手が加わったこの動きも封じられるとともに、逃げグループでレースを進めていたロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)だけが先頭に残る形になった。

©Bettiniphoto & VeloImages

その後もメイン集団では活発な状態が続き、今度はイーデ・スヘリンフ(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)がアタック。残り25kmとなったところで、独走していたヴリーヘンに追いつくとそのままパス。代わって独走を始める。

優勝争いに大きく影響を与える瞬間が訪れたのは、12周目のカウベルフだった。先行していたスヘリンフを吸収すると同時に、メイン集団からファンアールトがアタック。これにピドコックやジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム バイクエクスチェンジ)が追随。上り終えたところで次々と優勝候補たちが合流を図り、先頭グループのメンバーはシャッフル。最前線に残った8人が先を急いだ。

©Bettiniphoto & VeloImages

最終周回に入り、下りを利用してミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が飛び出すが、その後の上りで後続が合流。さらに先頭争いのメンバーが入れ替わり、最前線に残ったのはファンアールト、ピドコック、シャフマンの3人。結果的に、この面子がそのまま優勝を争うこととなる。

先頭グループから遅れた選手たちを飲み込んだ集団は、前を行く3人との差を15秒から20秒で追う。ドゥクーニンク・クイックステップやイスラエル・スタートアップネイションなどを中心に追撃を試みるが、勢いが衰えない先頭グループにあと一歩届かない。

勝負は先頭3人のスプリントにゆだねられた。残り2kmではシャフマンがアタックするも決まらず、それからは互いを見合いながら仕掛けどころを探る牽制状態に。ポジションを入れ替えながら迎えた最終局面は、ファンアールト、ピドコック、シャフマンの並び順で迎えた。

そして、残り200m。計ったように3人同時に加速すると、一番手のファンアールトがそのままフィニッシュを目指す。しかし、その横からピドコックが猛然と追い込み、両者並んでフィニッシュラインを通過。きわどい勝負は写真判定すら困難を極めるわずかな差。一度は勝利を伝えられ喜んだファンアールトだったが、順位が確定するまで長い時間を要した。

©Bettiniphoto & VeloImages

結果、ほんの数センチの差でファンアールトの勝利が確定。ピドコックが2位、シャフマンが3位と続いた。4日前のブラバンツ・ペイルでも優勝争いが同様のシチュエーションとなり、その時はピドコックに敗れたファンアールトだったが、このレースで雪辱。ユンボ・ヴィスマにとっても、地元ビッグレースでタイトルを獲得するとともに、この前に行われた女子レースを勝ったマリアンヌ・フォス(オランダ)とのアベック優勝ともなった。

なお、残り300mからのスプリントで猛追を図ったメイン集団は、上位3人から3秒差でのフィニッシュとなっている。

優勝 ワウト・ファンアールト コメント

©Bettiniphoto & VeloImages

「信じられない。とにかく最後の数百メートルは目を閉じて全力でペダリングした。(優勝は)表彰式の直前にジュリー(審判団)から告げられた。ジュリーにとっては、最終決定するその瞬間まで、勝敗が明白だとは言い切れなかったのだと思う。私にとっても経験したことのないものとなった。

重要な局面ではヨナス(ヴィンゲゴー)、サム(オーメン)、プリモシュ(ログリッチ)が頼りになった。彼らはほとんどのアタックに反応してくれた。プリモシュが重要な局面(12周目のカウベルフ登坂)でメカトラブルに陥ったのは残念だったが、チームとして今日は勝利に値する走りができた。

この勝利とクラシックシーズンのパフォーマンスは非常に誇りに思っている。ほぼすべてのレースで優勝争いに加わり、よいコンディションを保めたことを実感している。このレースを終えて休養期間に入ることができるのもうれしい。バイクは少しの間、脇に置いておくことにするよ」

アムステル・ゴールド・レース2021218.6km)リザルト

1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 5時間329
2 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) +0
3 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム バイクエクスチェンジ) +3
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)
6 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7 クリスティアン・スバラーリ(イタリア、アルペシン・フェニックス)
8 ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)
9 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
10 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル)

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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