プロ選手が使うロードバイク VC福岡 本多晴飛|JCL
Bicycle Club編集部
- 2021年05月13日
2021年にJCL(ジャパンサイクルリーグ)が開幕し、そのツアー戦である三菱地所JCLプロロードレースツアーは、すでに第1戦と第2戦が行われた。JCL参戦各チームのバイクを短期集中で紹介していく。第2回は、第1戦で新人賞ジャージを獲得したVC福岡の本多晴飛選手のバイクだ。
JCL第1戦でマイエスボワールを獲得した本多晴飛
現在も日本体育大学に所属し、トライアスロンオリンピックディスタンスの選手として活躍しながら、ロードレースでJCLで走る若手選手。JCL第1戦、2戦ともに10位でフィニッシュし、U23の選手のなかからポイントトップ選手に与えられる新人賞ジャージ、マイエスボワールを獲得した。
スペシャライズド・SワークスターマックSL7
VC福岡のJCLチームは、選⼿全員がスペシャライズド製のバイクを使用する。 本多選手はスペシャライズドの軽量オールラウンドレーサーの最⾼峰にして最新モデルのSワークスターマックSL7を使っている。ちなみにチームの7人中5人がこのSL7、2人がヴェンジを使用する。
SワークスターマックSL7は、従来のターマックシリーズの軽量レーシングロードというキャラクターにエアロロード・ヴェンジシリーズで培った空力性能に関するテクノロジーを加味することで「空力にも優れた軽量オールラウンドレーシングロード」に仕上げているのが特徴。自社風洞実験施設・ウイントンネルでの風洞実験では、先代モデルより40km走った時のタイムが45秒早くなるという。さらにフレーム重量も800g以下と軽い。
ドゥクーニンク・クイックステップやボーラ・ハンスグローエなどUCIワールドツアーの強豪チームに機材供給し、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の2020年世界選手権ロードレース勝利を支えたのは記憶に新しい。
サドル:スペシャライズド・Sワークスパワーサドル
サドルはスペシャライズドのSワークスパワーサドル。最近勢力を拡大しているショートノーズタイプのサドルで、FACTカーボン製のベースとレールを採用した軽量モデル。ボディジオメトリーデザインを採用し、男性・女性とも敏感な部分の動脈血流を確保するため快適性が高いのも特徴だ。
プロ・バイブエアロカーボンハンドル
ハンドルバーはシマノのパーツブランド・プロのバイブエアロカーボンハンドル。フラット部が前から見ると非常に薄くなっていて、ブレーキやシフトケーブルも内装できるようになっており、ハンドルまわりの空力性能向上に威力を発揮する。
本多選手はSTIレバーの付け方にも特徴があり、ブラケット先端がかなり内向きになるように付けられている。これはブラケットを持つエアロフォームをとったときに、通常の位置より腕の間隔を狭くして、より前面投影面積の少ないエアロフォームを実現することがねらいと思われる。
本多選手はブレーキレバーの操作に支障がないようにセッティングを煮詰めていると思われるが、ブラケットを極端に内向きにすることはとっさのブレーキ操作に悪影響を及ぼすことも考えられる。参考にする場合は慎重にセッティングしよう。
ホイール:ロバール・ラピードCLX
タイヤ:スペシャライズド・Sワークスターボ
足まわりもスペシャライズドの製品で固めている。ホイールはロバールのラピードCLX、タイヤはスペシャライズド・Sワークスターボのクリンチャー仕様だ。
ラピードCLXは、フロント51mm、リア60mmというリムハイトで、リム幅はフロントが35mm、リアが30.7mmとフロントの方がワイドで低いリムを採用している。これによって前輪が横風の影響を受けにくく、後輪の高いエアロ効果によってあらゆる場面で速く走れることにつながっているという。
ホイールがクリンチャー専用なので、タイヤもSワークスターボのクリンチャータイヤを組み合わせている。このタイヤはグリプトンコンパウンドを採用し、転がり抵抗の少なさと高いグリップ力を両立。ラピードCLXはリム内幅が前後とも21mmと広いため、シリーズ中最も太い700×26Cを使っている。
クランク:ローター・2インパワー
クランクまわりはローターの製品で固めている。クランクはローターの左右独立計測対応のパワーセンサー内蔵クランク・2インパワー、チェーンリングはローターの真円タイプを組み合わせている。
2インパワーは、左脚測定用にクランクシャフト内に4つのセンサー、右脚測定用に右クランク内に4つのセンサーを内蔵し、楕円チェーンリングで正確なパワー測定ができるのが特徴。さらに左右のぺダリングバランスやぺダリング効率、ぺダリング1回転のパワー測定が可能なトルク360°などさまざまな計測が可能。本多選手が使うのは5アーム仕様の初期型だが、現在はダイレクトマウント仕様のスパイダーを組み合わせて使うDMにモデルチェンジしている。
ローターといえば楕円チェーンリングでおなじみだが、本多選手は真円タイプの「noQ」を組み合わせている。このモデルも5アーム対応モデルで、歯数は52-36Tの組み合わせだ。
VC福岡WEBサイト
https://vc-fukuoka.com/
JCLのWEBサイト
https://www.jcleague.jp/
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。