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最終週初日はマーティンが逃げ切り勝利、首位ベルナルは終盤苦戦|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリアは最終週となる第3週がスタート。その初日となる第17ステージが現地5月26日に行われ、1級山頂フィニッシュをダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)が、逃げ切りで制してジロ初勝利を挙げた。個人総合ではエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)がリーダージャージのマリアローザを守ったが、終盤の上りで苦戦しわずかにタイムを失った。

14人の逃げが先行

2度目の休息日を終え、残り5ステージとなった今年のジロ。大詰めとなる最終週も初日から本格的な山岳ステージが設けられた。この日は標高1436mのカナツェーイからスタート。下り基調の前半から平坦を挟み、終盤に1級山岳が2つ連続する193kmのコースだ。まず登場するパッソ・ディ・サン・ヴァレンティーノは登坂距離14.8km、平均勾配7.8%。最大では14%で、全体的には8%前後の勾配が続く。再度の下りを経て、最後は1級山岳セーガ・ディ・アーラの頂上フィニッシュへ。登坂距離11.2km、平均勾配9.8%の上りは、最大17%となる断続的な急勾配が選手の前に立ちはだかる。悪天候が続いていた今年のジロだが、この日は気持ち良く晴れた中でのレースとなった。

レースはスタート直後から逃げ狙いのアタックが繰り返されるが、下り基調で時速50km以上のスピードを保ちながら、決まりそうで決まらない展開が1時間近く繰り広げられた。ようやく逃げが決まったのは最初の3級山岳に入る手前。14人の先行グループにはマーティンのほか、山岳賞ジャージを着るジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)も入った。逃げとメイン集団との差は最大5分半近くにまで開くこととなった。

©︎ LaPresse

レースが再び動いたのは、後半の1級山岳のパッソ・ディ・サン・ヴァレンティーノ。逃げ集団はマーティンのペースアップで崩壊。マーティンら3人が先行するが、山頂近くでブシャールも復帰し、山岳ポイントはブシャールが先頭で通過した。一方のメイン集団はリーダーチームのイネオス勢に代わって、サイモン・イェーツ(イギリス)擁するチーム バイクエクスチェンジがペースを上げる。じわじわと先頭との差を詰めながら、頂上は2分50秒差で通過した。

しかしここからのテクニカルな下りで、メイン集団前方で集団落車が発生する波乱。バイクエクスチェンジのアシストやレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)が巻き込まれたが、最も痛手を負ったのはトレック・セガフレードだ。総合6位のジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)を筆頭に、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)らアシスト勢も全て落車してしまう。チッコーネは単独でラストの上りを前に辛うじてメイン集団に追いついたが、大きく消耗させられる展開になった。

©︎ LaPresse

最後の1級山頂ゴールに向けて、先頭では再びマーティンがペースを上げて独走に持ち込んだ。一方のメイン集団ではイネオス勢がアシストを2枚そろえてけん引。マーティンとの差を少しずつ縮めるなかで、集団からは一度は追いついたチッコーネや、総合4位のアレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)が遅れ始める。12%の急勾配では総合3位のヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)、同7位のロマン・バルデ(チームDSM、フランス)も脱落した。

©︎ LaPresse

イネオス勢の強さが際立つ展開が一転したのは、残り4km。総合8位のジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)の先行を容認した直後、今度は同3位のサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)がアタック。これにはベルナルがすぐ反応するが、アルメイダと合流した2位グループの中で繰り返されるアタックに、ついにベルナルが遅れ始めてしまう。すかさずアシストのダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)が引き戻しにかかるが、ベルナルはマルティネスのペースにも付いていけず、急勾配区間は蛇行気味で苦しむ姿を見せる。

©︎ LaPresse

先頭のマーティンはペースを緩めることなく、最後はリードを30秒まで減らしつつも追走を振り切って独走ゴール。今回がジロ初勝利で、ブエルタ・ア・エスパーニャ、ツール・ド・フランスに続いて、3大ツール全てでのステージ優勝を達成した。

2位はラスト1kmからイェーツを振り切ったアルメイダ、3位に入ったイェーツは総合3位へと浮上した。ベルナルは若干遅れていた総合2位のダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)にも追いつかれ、逆にゴール前で3秒遅れる形でフィニッシュ。この日のダメージは最小限にとどめたが、不安の残る最終週のスタートとなった。

翌27日に行われる第18ステージは、231kmと今大会の最長ステージ。平坦にカテゴライズされるが、終盤残り35kmから残り5km近くまで丘越えが連続し、一筋縄ではいかなそうだ。スプリンターにとっては最後の勝利のチャンス。スプリンターチームがうまくレースをコントロールできるかが、ステージ優勝争いのカギとなる。総合争いはいったん休戦となるが、トラブル無く駒を進めることが必要となる。

ステージ優勝 ダニエル・マーティン コメント

©︎ LaPresse

「この成功を説明できる言葉なんて無いよ。今回のジロは総合はそこそこにして、ステージ優勝狙いで来ていたんだ。今日は逃げに乗ろうとアタックした。集団は私を簡単に逃がしてはくれないだろうと思ったが、チームが素晴らしい仕事で助けてくれた。彼らに感謝しなくてはならない。僕が上手くいくには今日みたいな上りと太陽が必要だったんだ!」

個人総合首位 エガン・ベルナル コメント

©︎ LaPresse

「今日は私にとってベストな日ではなかったが、カルーゾからはほんの数秒で、多くのタイムは失わずに済んだ。ともあれ、もう終わった事。明日について考えていきたい。イェーツはとても速く、印象的なヒルクライムだった。彼に付いていこうとしたが、すぐに反応したのは間違いだったかもしれない。ジロはミラノまで続き、毎日タイムを失ったり稼いだりする可能性がある。集中し続けなければならない」

ジロ・デ・イタリア2021 第17ステージ 結果

ステージ結果

1 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)4:54’38”
2 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)+0’13”
3 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)+0’30”
4 ディエゴ・ウリッシ(UAEチームエミレーツ、イタリア)+1’20”
5 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)ST
6 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+1’23”
7 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)ST
8 アントニオ・ペドレロ(モビスター チーム、スペイン)+1’38”
9 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+1’43”
10 ジョージ・ベネット(チーム ユンボ・ヴィスマ、ニュージーランド)+2’21”
63 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+22’29”

マリアローザ(個人総合成績)

1 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア) 71:32’05”
2 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+2’21”
3 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)+3’23”
4 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)+6’03”
5 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)+6’09”
6 ロマン・バルデ(チームDSM、フランス)+6’31”
7 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+7’17”
8 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)+8’45”
9 トビアス・フォス(チーム ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)+9’18”
10 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)+11’26”
79 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+2:47’58”

マリアチクラミーノ(ポイント賞)

ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ、スロバキア)

マリアアッズーラ(山岳賞)

ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)

エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)

チーム総合成績

イネオス・

ジロ・デ・イタリア スタートリスト&コースプレビュー

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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