メカニックの小畑さんに聞いた! NEWデュラエースホイールから見えてくること
Bicycle Club編集部
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都内にあるスポーツバイク専門店として随一の人気と実力をもつなるしまフレンド。そのメカニックを務める小畑 郁さんに、独自の視点でホイールを語ってもらった。ホイールパーツの細かな仕様変更をも見逃さない鋭い目が新型デュラエースを解き明かす!
コンポーネントの変化とともに求められているものを満たすホイール
前モデルのR9100シリーズホイールは、お求めやすさの面からいうとちょっとハイエンド感があったかもしれません。今回のR9200シリーズは、最上級モデルと考えると「23万円……あれ、安いぞ?」といった印象です。他社モデルの同価格帯では、今回のデュラエースレベルのようなスペックは達成できず、30万くらいの価格に設定されてしまうのではないでしょうか?
さらに台湾の小規模ブランドなどのカーボンスポーク&セラミックベアリング採用モデルが約20万円とすると、これにも対抗できてしまいます。世の中はシマノユーザーが大多数なので、あえてこの価格に狙ったのでは?
シマノの人に聞いたところによると、今回リアハブのラチェットには、MTBの上位モデルで採用されているダイレクトエンゲージメントをさらに改良したモデルが使われているそうです。また同時に軽量化も施されています。チタン製だったボディがアルミに変更され、もしかしたら耐久性に不安を覚える人もいるかもしれませんが、現状はほぼ心配なしと言えるのではないでしょうか?
構造自体は従来と同じカップアンドコーン方式で耐久性は十分。ディスクブレーキシステム採用以降、スルーアクスルの締めすぎによる内部ベアリングのズレが何件か報告されていますが、カップ&コーン式ではそもそも起きにくいですし。
スポークについても少し。36mmと50mmは基本に忠実な組み方でまさに教科書どおり。本数も前後24本としっかりあります。いたずらに軽量化をしないところはシマノらしい堅実さです。しかし60mmだけは組み方も、使用しているスポークも異なっています。ただ60mmのホイールを作るだけならば30、50mmと同じ設計でいいのに、それを行わないということは……なにかメリットがあるはず。
あくまで私見ですが、「50mmより10mm高いだけのホイール」にする気がなかったとか。たとえばリムが高くなる=スポークが短くなるので、組み方を変えてバランスをとろう、さらにスポークの幅や厚みをより適正化してよりエアロ性能を上げよう、といった設計意思ではないでしょうか? 実際に試乗してみても60mmディープリムのネガティブさがかなり軽減されているように感じます。販売面では50mmがスイートスポットだと思いますが、こだわりは60mmに感じましたね。
ディスクブレーキとチューブレスタイヤシステムが現代ホイールのトレンドになり、ここまで多くのブランドがこれに準じて製品を出し、一般化させました。今回のデュラエースホイールの登場によってそれが「本格化」したと思います。ブレーキキャリパーもローターもシマノ製ですから、それらの性能を最大限発揮させられるのが、R9200シリーズのデュラエースホイールといえるでしょう。コンポーネントの変化とともに今のユーザーの求めているものを、性能の面でも仕様の面でも満たしていると思います。
小畑 郁さん
自転車に乗ること、いじること、楽しむことすべてを高いレベルで行えるショップメカニック。強豪レーサーでもあり、脚で得た感覚や経験を含めてアイテムを評価する。
なるしまフレンド
東京都渋谷区神宮前3-35-2
TEL.03-3405-9614
営/ 12:00 ~ 19:30
休/水曜
www.nalsimafrend.jp
▼NEW デュラエースホイールの詳細はこちらの記事をチェック
問:シマノ自転車お客様相談窓口
TEL.0570-031961
https://bike.shimano.com
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- CREDIT :
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PHOTO:猪俣健一 TEXT:浜田幸紀(編集部)
取材協力:シマノセールス
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