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“チームの顔”トーマス&ログリッチが契約延長。イネオス&ユンボ2022年体制|ロードレースジャーナル

vol.23 ツール制覇へ向け視界良好の2チーム
長期的視野での強いチームづくりにも注力

国内外のロードレース情報を専門的にお届けする連載「ロードレースジャーナル」。今回はプロトンで最も注目される2チーム、イネオス・グレナディアーズとチーム ユンボ・ヴィスマの2022年シーズンを展望したい。このほど、イネオスはゲラント・トーマス(イギリス)、ユンボはプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)の両チームリーダーが複数年契約に合意。晴れてチーム体制も整って、開幕迫る新シーズンへと向かっている。

トーマスはキャリアの総決算、ベルナルのツール復帰も期待 イネオス・グレナディアーズ

イネオス・グレナディアーズ
2021UCIチームランキング:2

イネオス・グレナディアーズは1220日、トーマスと2年の契約延長に合意したことを発表。これにより、2023年末まで同チームで走ることが決まった。10月には話が大筋まとまっていることをトーマス自身が明かしていたが、結果的に正式発表は年末となった。

本人・チームともに残留が基本線ではあったが、昨年はジロ・デ・イタリア、今年はツール・ド・フランスで結果を残すことができず、年俸のダウンが見込まれていた。その下げ幅がポイントになっていたとみられ、条件次第ではトーマスは移籍も辞さない姿勢を見せていた。実際に、数チームが早くから加入オファーを出すなど、その動向は今オフの目玉でもあった。

無事に話がまとまり、向かう2シーズンはキャリアの集大成となりそうだ。2010年のチーム発足から走り続ける唯一のライダーで、“ミスター・イネオス”ともいえるレジェンドは、ここ数年こだわってきたグランツールにとどまらず、「今まで優先順位としては高くなかった」というアルデンヌクラシックへ意欲を示す。「自身の勝利を目指しながら、ツールでは重要な役割を担いたい」と口にしており、かつて頂点を極めた最大のレースではサブエースや山岳アシストとして要職に就く可能性がある。

2023年までの契約延長に合意したゲラント・トーマス。キャリア総決算の2年間となる ©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

このチームの主戦場であるグランツールに向けては、誰が総合エースを務めるかなどの言及はないものの、今年のジロを制したエガン・ベルナル(コロンビア)がマイヨジョーヌ奪還に向けてツール復帰を果たすことが濃厚だ。長く痛めている背部の状況が気になるところだが、ベルナル自身がツールへの強い意志を見せており、山岳とタイムトライアルのバランスが問われる2022年大会のコースにも順応できると考えられる。

それと入れ替わる形で、リチャル・カラパス(エクアドル)がジロの総合エースを担当することが現実的。今年はツール個人総合3位、直後の東京五輪ロードでは金メダルを獲得し強いインパクトを残した1年を経て、狙うは3年ぶりのマリアローザか。タイムトライアルの比重が高めなツールとは対照的に、急峻な山々を行くジロであれば圧倒的な登坂力を発揮できるはずだ。

グランツールに限らず、チームはあらゆる局面で強さを見せるはず。トーマス・ピドコック(イギリス)はシーズン前半の石畳系クラシックで優勝争いをにぎわせるだろうし、個人タイムトライアル世界王者のフィリッポ・ガンナ(イタリア)は五輪を終えてトラックからロードへと本格シフトする意向を表明。今シーズン後半にブレイクしたイーサン・ヘイター(イギリス)は、ワンデーレースにステージレースに大車輪の働きを見せる可能性十分。

個人タイムトライアル世界王者のフィリッポ・ガンナ。フルシーズンでロードに取り組む最初のシーズンとなりそうだ ©︎ Tornanti.cc

チームは12月中頃までに来季所属選手との契約を完了。2022年シーズンは、31選手で戦うこととなる。

イネオス・グレナディアーズ 2022年シーズン 所属選手

●継続
アンドレイ・アマドール(コスタリカ)
エガン・ベルナル(コロンビア)
リチャル・カラパス(エクアドル)
ジョナタン・カストリビエホ(スペイン)
ローレンス・デプルス(ベルギー)
エディー・ダンバー(アイルランド)
フィリッポ・ガンナ(イタリア)
テイオ・ゲイガンハート(イギリス)
イーサン・ハイター(イギリス)
ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド)
ダニエル・マルティネス(コロンビア)
ジョナタン・ナルバエス(エクアドル)
トーマス・ピドコック(イギリス)
リッチー・ポート(オーストラリア)
サルヴァトーレ・プッチョ(イギリス)
ブランドン・リベラ(コロンビア)
カルロス・ロドリゲス(スペイン)
ルーク・ロウ(イギリス)
パヴェル・シヴァコフ(ロシア)
ベン・スウィフト(イギリス)
ゲラント・トーマス(イギリス)
ディラン・ファンバーレ(オランダ)
キャメロン・ワーフ(オーストラリア)
アダム・イェーツ(イギリス)

●加入
オマール・フライレ(スペイン) アスタナ・プレミアテックより移籍
キム・ハイドック(ドイツ) チーム ロット・カーンハウスより移籍
ルーク・プラップ(オーストラリア) ネオプロ
マグナス・シェフィールド(アメリカ) ネオプロ
ベン・トゥレット(イギリス) アルペシン・フェニックスより移籍
ベン・ターナー(イギリス) ネオプロ
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) コフィディスより移籍

ログリッチは悲願のツール制覇へ、マイヨヴェールを狙うファンアールトとの共闘も楽しみ チーム ユンボ・ヴィスマ

チーム ユンボ・ヴィスマ
UCIチームランキング:3

チーム ユンボ・ヴィスマも、1222日にチームリーダーの1人であるログリッチと契約延長に合意。かねて2023年までの契約を結んでいたが、さらに2年延長する形となった。2016年から現チームで走るログリッチにとっては、10シーズンは今の環境を継続することとなる。

チーム ユンボ・ヴィスマと2025年までの契約延長に合意したプリモシュ・ログリッチ。プロデビューイヤーから10シーズン続けて現チームで走ることが決まった Photo: Team Jumbo-Visma

今年は落車に泣いたログリッチ。3月のパリ~ニースでは最終日のクラッシュで総合順位を落とし、ツールでは大会序盤の激しい落車で結果的に大会を離脱。しかし、その後のリカバリーに成功すると、東京五輪個人タイムトライアルでは劇的な金メダル。相性抜群のブエルタ・ア・エスパーニャでも総合3連覇を決め、シーズン後半は完全に流れを取り戻した。

次のシーズンも、ツール初制覇へ向けて走ることは本人・チームともに最優先事項。1週間程度のステージレースやクラシックレースを押さえながら、コンディションをベストにもっていく公算だ。本調子であれば安定感はもとより、要所での爆発力が期待できる山岳の走り、そして何より他を圧倒するタイムトライアルは、ツールを勝つための最高の武器となる。

ツールに向けては、ワウト・ファンアールト(ベルギー)がポイント賞のマイヨヴェールを目指したいとの意向を示しており、両者がいかに共闘するかも来年の注目ポイント。ファンアールトに言わせれば「マイヨヴェールを狙いながら総合エースのアシストは可能」とのこと。今年のツールでは、スプリント・逃げ・タイムトライアルの合わせ技で3勝を挙げたが、彼の総合力を考えれば十二分に実現可能。チームとしてマイヨジョーヌ、マイヨヴェールの2冠となれば大偉業である。

そのファンアールトが軸となる春のクラシックもチームのミッション。タイトルに届きそうで届かない、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベへの優先度は確実に高まる。本記執筆時点では本職であるシクロクロスに参戦しているが、ロードと並行という同様のスタイルを貫くマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)やピドコックとの覇権争いもより激化するはずだ。

ワウト・ファンアールト(左)とプリモシュ・ログリッチ、チーム ユンボ・ヴィスマの両輪はツールでそれぞれマイヨヴェールとマイヨジョーヌを目指していく構え。チームとして個人タイトル2冠がミッションとなる ©︎ A.S.O./Pauline Ballet

この2人の動向もさることながら、グランツールの戦力をどう整備するかが2022年シーズンのこのチームの見どころ。今年のツールで個人総合2位と大躍進したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)が来年はジロへ回ると見られているほか、今季前半を心身の休養に充てていたトム・デュムラン(オランダ)がグランツール本格復帰を明言。自国で開幕するブエルタでの総合エースが有力視されているが、チームの判断はいかに。山岳での強さは誰もが認めるセップ・クス(アメリカ)、今年のジロ個人総合9位のトビアス・フォス(ノルウェー)、さらにはツールの総合表彰台経験のあるステフェン・クライスヴァイク(オランダ)も控え、適材適所の人員配備が期待できる。

来季所属は28選手。クラシック強化としてティシュ・ベノート、トッシュ・ファンデルサンデ(ともにベルギー)、クリストフ・ラポルト(フランス)が加わるほか、ローハン・デニス(オーストラリア)がタイムトライアルや山岳アシストの底上げを担うべく合流。今年のストーブリーグでは即戦力の確保に成功した。

チーム ユンボ・ヴィスマ 2022年シーズン 所属選手

●継続
エドアルド・アッフィニ(イタリア)
クーン・ボウマン(オランダ)
ダヴィド・デッケル(オランダ)
トム・デュムラン(オランダ)
パスカル・エーンコーン(オランダ)
トビアス・フォス(ノルウェー)
ロベルト・ヘーシンク(オランダ)
クリス・ハーパー(オランダ)
レナード・ホフステッド(オランダ)
オラフ・コーイ(オランダ)
ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)
セップ・クス(アメリカ)
ハイス・リームライゼ(オランダ)
サム・オーメン(オランダ)
プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)
ティモ・ローセン(オランダ)
マイク・テウニッセン(オランダ)
ワウト・ファンアールト(ベルギー)
ミック・ファンダイケ(オランダ)
ヨス・ファンエムデン(オランダ)
ネイサン・ファンホーイドンク(オランダ)
ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)

●加入
ティシュ・ベノート(ベルギー) チームDSMより移籍
ローハン・デニス(オーストラリア) イネオス・グレナディアーズより移籍
ミシェル・ヘスマン(ドイツ) ユンボ・ヴィスマ デヴェロップメントチームから昇格
クリストフ・ラポルト(フランス) コフィディスより移籍
ミラン・ファーダー(オランダ) ネオプロ
トッシュ・ファンデルサンデ(ベルギー) ロット・スーダルより移籍

福光 俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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