ヴィンテージロードをグラベルロードへ改造、さらに楕円リング搭載【西山自転車商会】
ニシヤマ
- 2021年12月30日
「自転車はスポーツではなくホビー」と言い張る、いじってなんぼのレストア編集者の手記。今回は自由なグラベルロードの世界は新旧織り交ぜたカスタムもアリ、ということで編集部ニシヤマが最近はまっているヴィンテージグラベル作りにチャレンジ。チェーンリングに関するあれこれのおはなしをする。
「ダブルなのに(1×)ワンバイ」をグラベルバイクに装着
フロントシングルの1×仕様で作った片倉シルク号グラベルバイクだ。しかし、ロー側にしたときにチェーンリングからチェーンが内側に落ちてしまうことがしばしば。
そのためにチェーンのコマにぴったりはまって落ちなくするナローワイドのチェーンリングがあるわけだ。それを付けてないから、こうなることは、ある程度は想定していた。
アウター側は、チェーンガードを付けたのでチェーン脱落は防げるが、インナーはどうしたものか。チェーンキャッチャーみたいなものを付ける手もあるが最近売っているのを見ない。
そこでフロントダブル化を思いついた。フロントメカは絶大なるチェーンキャッチャーという役割も担っていたのだ。1×を目指したあげくに2×になるという堂々巡りをしているが。
しかしふつうに48×34Tとかつけたら、わざわざ11-40Tなんていうでかいスプロケを苦労して装着した意味がなくなってしまう。
クランクのインナー側には、シマノ・バイオペース38Tを装着しているが、同じく38Tのおもしろいギヤを持っていることを思い出した。Oシンメトリックのギヤだ。クリス・フルームも使ってたやつ。これをアウターに付ける。
以前にもネタにしたことがあるが、バイオペースとОシンメトリックのダブルだ。ともに38T。これをフロントメカでシフトさせれば、違うタイプの楕円チェーンリングをほぼ同時に味わえる。
2つの楕円リング、思想は真逆だ。バイオペースは、重くなるところで軽くなる「軽くなる系」。Оシンメトリックは、パワーが出るところでより進むようになる「速くなる系」。こぎ味の違いを味わえるチャンスがついに来た。
違いは明白だ。バイオペースは、あまり違和感を感じない。Оシンメトリックは急にカクッと軽くなる感じがどうにも違和感だ。下死点のギヤがかなり小さくなることで、ペダリングスピードも上げる意図があるようだ。
Оシンメトリックでフルームのように速く走るには、このリングに合わせたペダリングスキルが必要そうだ。私ぐらいの低トルクライダーには、バイオペースのほうが向いているみたい。
バイオペースは80年代のロードマンクラスの自転車には多く使われていて、みんな違和感なく乗っていた。軽くなる系楕円チェーンリングは、その昔はブリヂストンのオーバルギヤもあったし、一般ユーザー向け思想だったんだろう。今は跡形もなく消えたが。
古いデオーレLXのクランクには、PCD74のトリプル用ネジ穴が切られている。今探しているのは、38Tの真円チェーンリングだ。PCD74というのがちょっとハードルが高いかもしれない。これで全部38Tのトリプルにして、真円の味を確かめたい。
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