女子Qリーグ・ジュニアNリーグ、ポイントリーダーの翼となった「リーダージャージ」の力と栄誉
Bicycle Club編集部
- 2022年02月10日
2020年4月に発足した女子のQリーグ(クイーン・リーグ)と、ジュニアの育成・強化を目的としたジュニアのNリーグ(ニュー・エイジ・リーグ)。今シーズンは2月13日の「大磯クリテリウム第5戦」を最終戦とし、シリーズチャンピオンを決定する。
そこで、今回は日本国内では数少ない女子とジュニアのリーダージャージ争奪によるレースの活性化について、元シクロクロス全日本女子チャンピオンであり、レース運営やMCとしても活躍する、Q・Nリーグ実行委員会事務局の須藤むつみさんが詳しく解説する。
リーグ発足の要となった「リーダージャージ制度」
2020年4月より、高校生女子以上を対象とした「クイーンリーグ(以下、Qリーグ)」、そして中学生男女の「ニューエイジリーグ(以下、Nリーグ)」の制度をスタートさせた弊リーグ実行委員会では、最初の企画段階から一番に考えていた案がありました。それが「リーダージャージ制度」です。
ロードレース、特にステージロードレースではなじみのあるこのジャージは基本、総合順位がトップの選手のみ着用が許されます。さらに、そのリーダージャージを着る権利=総合順位のトップを守り続けることが非常に大事なポイントとなり、レースを追い続ける参加選手だけでなく応援するファンと観客のみなさんにも注目と目印になるものです。
しかし、このようなリーダージャージを着用できるレースは国内において男子エリートのレースがほとんどで、女子やジュニアでは機会が非常に少ないのが現状となっています。
リーダージャージの重要な役割
元々、実業団事務局に勤めていた経験を通じて、リーダージャージの獲得を目指し切磋琢磨することにより、着用する権利を得た選手だけでなく、ジャージを狙う選手たちにも重要な役目を果たしていることを実感していました。
さらにはジャージの授与式を「セレモニー」としてキチンと毎試合後に行い、副賞を手渡すことで注目の度合いを上げられることもさまざまな男子エリート大会を通じて見ていたので、これを弊リーグでは何としても実施したいと企画を立ち上げました。
宝石にちなんだ愛称に込めた思い
ツール・ド・フランスのリーダージャージには「マイヨ・ジョーヌ」など、長く愛されて呼称しやすいよう愛称がついています。そこで、Qリーグリーダーには「アメジストジャージ」、Nリーグリーダーには「バトルマリンジャージ」という愛称を命名しました。それぞれ宝石の名前を入れることで自転車界の未来を輝く宝石のように明るく照らす存在になってほしい、という願いを込め、リーグはスタートしました。
コロナ禍を駆け抜けた2020-2021シーズン
自転車レースの女子およびジュニアに特化したリーグ戦はスタート直後から、新型コロナの渦中に入り影響を受けてしまいました。
しかし、リーグの理念と趣旨に共感いただいたリーグ協賛各社、そしてリーグに登録する女子・ジュニア選手たちの活躍の場を提供いただいたリーグ提携団体のおかげで、最初のQNリーグシーズンを駆け抜けることができました。そんな前シリーズ2020-2021の初代リーグポイントリーダーを改めてご紹介します。
Qリーグ女子(W1):廣瀬博子(Pedalist)168ポイント獲得
NリーグJ1中学生:佐々木啄人(ボンシャンスACA)192ポイント獲得
JW中学生女子特別賞:筒井 楓(Team山登)152ポイント獲得
残念ながら政府からの緊急事態宣言などで数試合は開催を断念したものの、先の状況が見えないなかでも初年度にリーグ登録してくれた選手たちは日々練習を重ね続け、その成果をリーグ対象大会となった女子レース、そしてジュニアレースで見せてくれました。そして素晴らしい走りでリーグポイントを積み上げ、シリーズ戦とレースを盛り上げてくれました。
▼「Qリーグ・Nリーグ、2年目のチャレンジ」の記事はこちらから
リーダージャージは走りもふだんの行動も変える
リーグ登録選手たちはシリーズ戦の結果によるリーグポイントを積み上げて、ポイントリーダージャージ着用の権利を目指していきます。ベルギーのサイクルアパレルブランド「BIORACER(ビオレーサー)製」によるリーダージャージの大切なところは、カッコ良いことや高機能はもちろんのこと“リーダーである証”を身に着けているということ。レースではもちろんですが、ふだんの行動でも身を引き締められるということです。
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