BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

カヴェンディッシュが9年ぶりステージ優勝 マチューは危なげなくマリアローザを守る|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリア第3ステージが5月8日に行われ、実質今大会最初となった平地での大集団スプリントをマーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル、イギリス)が制した。じつに9年ぶりのステージ優勝で、ジロ通算は16勝目。マリアローザを着用して走ったマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)は、この日も危なげない走りでジャージをキープした。

ロングスプリントを制したカヴェンディッシュ、ジロでも健在をアピール

開幕地ハンガリーをめぐる3日間の最終日は、カポシュバールからバラトンフィレドまでの201km。主催者発表では平坦ステージにカテゴライズされ、難易度を示す星は1つ。そのとおり、オールフラットといってもよいくらいに高低の変化がほとんどなく、アクセントといえばフィニッシュ前12.6kmに控えるこの日唯一の4級山岳くらい。これならスプリンターでもクリアでき、戦前からスプリント勝負になることが予想された。

レースはその見立てに沿うように、終始スプリントを狙うチームが主導権を握って進行。リアルスタートと同時に、マッティア・バイスとフィリッポ・タリアーニ(ともにイタリア)のドローンホッパー・アンドローニジョカトリ勢が第1ステージに続きアタックし、サムエーレ・リーヴィ(エオーロ・コメタ、イタリア)も加わる。3人の逃げは最大で5分ほどのリードを得るが、アルペシン・フェニックスがメイン集団のペーシングを担ってからは3分前後の差で推移。71km地点に置かれた中間スプリントは先頭3人に続いて、フェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ、コロンビア)がメイン集団のトップとなり、全体4番目で通過した。

©︎ LaPresse

その後も逃げグループとメイン集団の構図は変わらず。やがてタイム差は1分台まで縮まるが、集団がスピードを調整してすぐには追いつかないようにコントロール。この間に2回目の中間スプリントに達して、ここはタリアーニが1位通過。残り45kmを切ったタイミングではリーヴィがアタックし、バイスが続くと2人逃げの態勢へ。タリアーニが先に集団へと戻った。

©︎ LaPresse

それからも先頭ではリーヴィとバイスが交互にアタックを繰り返したが、フィニッシュまで28kmとなったところで2人を吸収。それからは各チームがトレインを編成して集団内でのポジション確保に力を使う。この流れのまま4級山岳を迎えると、パスカル・エーンコーン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)が山岳ポイントを狙ってアタック。繰り上がりで山岳賞ジャージを着用しているリック・ツァベル(イスラエル・プレミアテック、ドイツ)が追って、頂上へのマッチスプリント。ここはエーンコーンが先着して、5ポイントを獲得した。

©︎ LaPresse

単独で先頭に出たエーンコーンはしばらく独走するが、これも残り6kmで集団がキャッチ。そこからはアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオやグルパマ・エフデジ、イネオス・グレナディアーズが前方を固めてスピードアップ。残り3kmからはアルペシン・フェニックスやイスラエル・プレミアテック、エオーロ・コメタもトレインが上がってきて、スプリントへ向けて激しい争いに。残り1kmを前にクイックステップ・アルファヴィニルが人数をかけて先頭へ出ると、その態勢のまま最終局面へと突入した。

©︎ LaPresse

スプリントへ向けて先頭を引くのはミケル・モルコフ(クイックステップ・アルファヴィニル、デンマーク)。そして残り300m、カヴェンディッシュが加速を始めるとアルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)やガビリアも追随。ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)らも続くが、最後までカヴェンディッシュのスピードは失われず、そのまま一番でフィニッシュラインを通過。早めのスプリント開始にも迷いなく、ライバルとの勝負を制した。

©︎ LaPresse

カヴェンディッシュがジロで勝つのは、じつに9年ぶり。その時は5勝を挙げてポイント賞にも輝いている。ジロ通算では16勝。昨年はツール・ド・フランスで長年の不調からのカムバックをアピールしたが、今度はジロでベテラン健在を証明した。

このステージでは個人総合成績に目立った動きはなし。最終局面ではリードアウトに徹したファンデルプールは、マリアローザもしっかりとキープしている。なお、第1ステージでクラッシュしたヤン・トラトニク(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)が途中でリタイアし、今大会1人目の離脱者となっている。

©︎ LaPresse

9日はハンガリーからイタリアへの移動日となるため、レースはお休み。10日から再開され、イタリアでの初日になる第4ステージはアーヴォラからエトナまでの172km。シチリア島を走る1日は、最後にエトナ山の頂上を目指して22.8kmの上りにトライ。平均勾配5.9%、最大で14%の本格山岳で、いよいよ総合系ライダーが動いていくことになる。大会序盤の重要ステージをいかにクリアするかが、その後の戦いにも影響を及ぼすことになる。

ステージ優勝 マーク・カヴェンディッシュ コメント

©︎ LaPresse

「ジロで初勝利を挙げた時と同じ気分だ。チームは私に自信を与えてくれ、良い気分でジロを走っている。ファンデルプールがスピードを上げるのを見て、早めに加速しないといけないと思った。とても長いスプリントだったが、勝ててホッとしている。

ハンガリーでの3日間は素晴らしい体験だった。沿道の盛り上がりはものすごく、サイクリストもたくさん目にした。各地にサイクリングロードがあったことも印象的だ。誰もがジロを愛しており、そんな中で勝つことができたのは特別な経験だ」

個人総合時間賞、ポイント賞 マチュー・ファンデルプール コメント

©︎ LaPresse

「はじめから私がスプリントをする予定はなかった。チームとしてよいリードアウトができたと思うが、エーススプリンターのヤコブ・マレツコは周囲を囲まれてしまった。そんな中でもできうる限りのスプリントをしてくれたと思う。

マリアローザをイタリアへ持っていけるのは喜ばしいこと。レースの進行状況にもよるが、今後はステージ優勝を目指して走りたい。(第4ステージの)エトナ山でジャージを守ることは難しいと思うが、どのように走るべきかは様子を見ていきたい」

ジロ・デ・イタリア2022 第3ステージ結果

ステージ結果

1 マーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル、イギリス) 4’56’39”
2 アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)ST
3 フェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ、コロンビア)
4 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)
5 ヤコブ・マレツコ(アルペシン・フェニックス、イタリア)
6 エドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード、ベルギー)
7 シモーネ・コンソンニ(コフィディス、イタリア)
8 カレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)
9 アルベルト・ダイネーゼ(チーム ディーエスエム、イタリア)
10 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)

個人総合時間賞(マリアローザ)

1 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ) 9:43’50”
2 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)+0’11”
3 トム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)+0’16”
4 マッテオ・ソブレロ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イタリア)+0’24”
5 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)ST
6 ベン・トゥレット(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
7 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)+0’28”
8 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)ST
9 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’29”
10 マウロ・シュミット(クイックステップ・アルファヴィニル、スイス)ST

ポイント賞(マリアチクラミーノ)

マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)

山岳賞(マリアアッズーラ)

リック・ツァベル(イスラエル・プレミアテック、ドイツ)

ヤングライダー賞(マリアビアンカ)

マッテオ・ソブレロ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イタリア)

チーム総合

ユンボ・ヴィスマ

▼【保存版】ジロ・デ・イタリア2022スタートリスト&コースプレビューはこちら

ジロ・デ・イタリア2022

 

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load