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オルダーニが逃げ制してプロ初勝利、個人総合は変動なし|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリア第12ステージが現地5月19日に行われた。丘陵コースで行われたレースは、前半で決まった大人数の逃げがそのまま容認され、最後は抜け出した3人による争いに。ここをステファノ・オルダーニ(アルペシン・フェニックス、イタリア)が制して、プロ初勝利を挙げた。個人総合上位陣はすべて約9分差で終えたメイン集団に位置。フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)が引き続き、マリアローザを着用する。

チームメートがマークされる間にうまく抜け出したオルダーニがステージを制する

中盤戦が進行するジロ。第12ステージはパルマからジェノヴァまでの204kmに設定された。当初発表されたコースから一部変更があり、難易度もダウン。3つの3級山岳を越えたところで、フィニッシュまでは約30km残っており、ステージ優勝を狙う選手たちがどうレースを組み立てるかが見ものとなった。

スタート前のトピックは、カレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)の未出走。開幕前から第11ステージか第13ステージまで走って大会から引き上げる意向を明かしていたが、今大会は数回のスプリント機会をモノにできず、1勝も挙げられずに撤退。第1ステージフィニッシュ前での落車が尾を引く結果となったのだろうか。

164人がスタートしたレースは、リアルスタートからアタックと吸収の繰り返し。この流れのまま56.9km地点に設けられた1回目の中間スプリントポイントを迎えて、ポイント賞のマリアチクラミーノを着るアルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)が1位通過。ポイントを伸ばすことに成功している。

©︎ LaPresse

さらに20kmほど進んだところで、ようやく逃げが決まった。これに乗り込んだのが22人。さらに追走がかかって、レース全体が落ち着いたときには24人が先頭グループを形成した。

先行する選手たちがいずれも総合成績に関係しない選手であることから、メイン集団は完全にこの動きを容認。徐々にタイム差が広がっていき、ステージ優勝争いは先頭のメンバーから出ることが濃厚になった。11年前のこの大会でワウテル・ウェイラントが事故で亡くなったパッソ・デル・ボッコを過ぎ、2つ目の3級山岳の上りでロレンツォ・ロータ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)が先頭グループから飛び出すと、少しおいてオルダーニとハイス・リームライゼ(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)が追いかけて合流。3人に続く第2グループではマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)らが追撃の構えを見せたが、4人の追走グループを形成するのが精いっぱい。完全に勢いづいた前の3人が着実にリードを広げて、ジェノヴァのフィニッシュラインへと近づいていった。

©︎ LaPresse

先頭交代をしながらペースを維持してきた先頭の3人だが、フィニッシュまで1.5kmを切っていよいよ勝負への駆け引きが始まった。残り1kmでまずリームライゼがアタックを試みるが、ここはオルダーニとロータともにきっちり対応。互いに見合いながら、残りは250m。再びリームライゼが先に仕掛けたが、ここはスプリント力に長けたオルダーニがタイミングを計って先頭へ。最後の100mで前に出ると、迫るロータを振り切ってステージ優勝のフィニッシュへ飛び込んだ。

©︎ LaPresse

勝ったオルダーニはプロ4年目の24歳。今季アルペシン・フェニックスに加入し、今大会ではエトナ山を上った第4ステージで逃げを試みるなど、積極性が光っていた。そしてこれがプロ初勝利。アルペシン・フェニックスにはファンデルプールのほか、トップクラスのスプリンターがひしめくが、また違ったタイプの実力者が控えていることも証明するレースになった。

©︎ LaPresse

2位にはロータ、3位にはリームライゼと続き、22位までが逃げた選手たちで占められた。移動ステージ状態になったメイン集団は、オルダーニから9分8秒差でのフィニッシュ到達。リーダーチームのトレック・セガフレードが集団を率いて、ステージを完了させた。

©︎ LaPresse

この結果、個人総合で上位陣の変動はなし。ロペスは次のステージでマリアローザ着用9日目となる。

20日に実施される第13ステージは、サンレモからクーネオまでの150km。平坦ステージにカテゴライズされ、前半の3級山岳以降は実際に大きな変化がないレイアウト。セオリーどおりのスプリントとなるか、別のアクションがあるか、各チーム・選手の思惑が見ものだ。

ステージ優勝 ステファノ・オルダーニ コメント

©︎ LaPresse

「(優勝争った)ロレンツォ・ロータとは冗談を言い合えるほどの仲で、今日は互いに協力しようと話していた。レースの流れとしては、最後に誰が一番かを決めるような形になった。個人的にはスプリントを避けられればと思っていたが、結果的にうまくいった。先頭グループに3人を送り込んだチームは私たちだけで、そもそもはマチューを勝たせようと考えていた。グループ内では多くの選手がマチューの動きをチェックしていると思った。

将来はミラノ~サンレモを勝てるような選手になりたい。上りも苦手ではないので、今後は間違いなく目標になるレースだと考えている」

個人総合時間賞、ヤングライダー賞 フアン・ロペス コメント

「ステファノ・オルダーニはかつてのチームメートなので、自分のことのようにうれしい。一緒に走っていたころに培った経験が今日に生かされたのだと思う。

日々消耗しながらの戦いだが、それをも楽しめている。チームメートが水や食料が必要かを聞いてくれて、それを頼むのは彼らの負担を増やすことにはなるが、リーダーとして果たすべき役割だと実感している。ただ、マリアローザで人生そのものが劇的に変わるわけではなく、3年前も、来年も、私は同じ人間で、人生を楽しんでいることは確かだ」

ジロ・デ・イタリア2022 第12ステージ結果

ステージ結果

1 ステファノ・オルダーニ(アルペシン・フェニックス、イタリア) 4’26’47”
2 ロレンツォ・ロータ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)ST
3 ハイス・リームライゼ(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)+0’02”
4 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)+0’57”
5 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス、コロンビア)ST
6 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)
7 ルーカス・ハミルトン(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、オーストラリア)
8 アンドレア・ヴェンドラーメ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、イタリア)
9 レイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エストニア)
10 パスカル・エーンコーン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)

個人総合時間賞(マリアローザ)

1 フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン) 51:19’07”
2 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)+0’12”
3 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)ST
4 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)+0’14”
5 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+0’20”
6 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+0’28”
7 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’29”
8 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)+0’54”
9 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+1’09”
10 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+1’22”

ポイント賞(マリアチクラミーノ)

アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)

山岳賞(マリアアッズーラ)

ディエゴ・ローザ(エオーロ・コメタ、イタリア)

ヤングライダー賞(マリアビアンカ)

フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)

チーム総合

アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ

▼【保存版】ジロ・デ・イタリア2022スタートリスト&コースプレビューはこちら

ジロ・デ・イタリア2022

 

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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