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イタリアンスプリンターのダイネーゼが初勝利、カラパスが総合順位上げる|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリアは第11ステージ。完全フラットのスプリンター向けレイアウトでレースが進み、最後は大集団スプリントへ。混戦を制したのはアルベルト・ダイネーゼ(チーム ディーエスエム、イタリア)で、ジロ初勝利を挙げた。個人総合では、フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)の首位は変わらず。中間スプリントポイントでボーナスタイムを得たリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)が2位に浮上している。

セオリーどおりのスプリント勝負、一方で総合勢は移動ステージとはならず

大会中盤戦が進行するジロ。この日はサンタルカンジェロ・ディ・ロマーニャからレッジョ・エミリアまでの203kmで、高低の変化がほとんどないフラットなレイアウト。2カ所の中間スプリントポイントだけがコース上に設けられ、カテゴリー山岳はゼロ。スプリントを狙う選手たちのための1日といえる。

前日に劇的な勝利を挙げたビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エリトリア)が出走を取りやめ。勝った後のポディウムでプロセッコのコルク栓を目に当て、その後病院へ向かっていた。眼球内に出血が見られるため、ここは大事をとって大会から引き上げる決断を下した。

そんな中迎えたレースはまず、ルカ・ラステッリ(バルディアーニCSFファイザネ、イタリア)とフィリッポ・タリアーニ(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ、イタリア)が先行する形で展開する。2人はメイン集団に対して4分ほどのリードを得て進行。メイン集団では、76.4km地点に置かれた1回目の中間スプリントポイントでマーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル、イギリス)が先着して全体で3位通過とした。

©︎ LaPresse

フィニッシュまで100kmになろうかというあたりから、メイン集団では風を利用した分断狙いのチームが現れる。全体のペースが上がる中、リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)が落車したり、カレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)が集団から遅れかけたりと、緊張感が高まる流れへ。逃げていた2人は92kmを残して集団に吸収される。それからも意識的にスピードアップを図るチームが現れるが、完全に分断するまでには至らず。こうした状況から、92.3km地点に設けられた2回目の中間スプリントポイントをカラパスが1位通過。3秒のボーナスタイムを獲得し、僅差の個人総合で順位を2つ上げることに成功した。

©︎ LaPresse

その後落ち着いた集団から、ドリース・デボント(アルペシン・フェニックス、ベルギー)がアタック。全体がこれを見送り、デボントは1人で1分15秒ほどの差を確保。ハイペースで逃げ続け、最終盤へと突入した。

懸命に走るデボントに対し、メイン集団は各チームがトレインをなしてポジショニング。1分以上あった差は、残り5kmで16秒。デボントは粘りに粘って最後の1kmまでやってきたが、スプリント態勢を整えた集団が土壇場で飲み込んだ。

©︎ LaPresse

予想どおり、勝負はスプリントへ。ポイント賞首位のアルノー・デマール(フランス)擁するグルパマ・エフデジが一気に先頭を固めると、そのまま最終コーナーを過ぎてデマールを発射。これに合わせる形でフェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ、コロンビア)が上がってくるが、さらに伸びたのはダイネーゼ。後方からのスプリントを強いられながらも、最後の50mで驚異の追い込みでステージ優勝を決めた。

©︎ LaPresse

24歳のダイネーゼは、ジロはもとよりグランツールでの初勝利。2020年2月以来の勝ち星を挙げて、レース後は喜びを爆発させた。なお、2位にはガビリア、3位にはシモーネ・コンソンニ(コフィディス、イタリア)が続いている。

個人総合では、ロペスがマリアローザを守った一方で、カラパスがボーナスタイムを生かして12秒差の2位に浮上。総合勢にとってもただの移動ステージとはならず、順位の変動を生み出す結果となった。

現地5月19日に行われる第12ステージは、パルマからジェノヴァまでの204kmで行われる。丘陵地帯を走るが、最後のカテゴリー山岳からフィニッシュまでは30kmあり、上りに対応できるスプリンターならフィニッシュ勝負に持ち込むチャンスが出てくるか。逃げた選手にも勝機があるレイアウトなので、スタートから激しい駆け引きが見られることだろう。

ステージ優勝 アルベルト・ダイネーゼ コメント

©︎ LaPresse

「今朝は勝てるなんて考えていなかった。目覚めが悪く、良い走りができるイメージがわかなかった。ただ、レース中にスプリントへ向けて状態が整ったことが勝利につながった。そのときどきでスプリントは変わってくるし、デマールが今日も一番だと思ったけど、最後の100mで自分が一番速いと感じられた。何より、ロマン(バルデ)がレース中に何度も励ましてくれた。個人総合3位につけるエースがリードアウトまでしてくれた。彼をジロで勝たせたいので、そのために全力を尽くしたいと思う」

個人総合時間賞、ヤングライダー賞 フアン・ロペス コメント

©︎ LaPresse

「正直に言うと、今日初めてチームリーダーとしての自覚をした。緊張感が高まる中、前方をキープしながら走った。チームメートみんなが助けてくれて、オットー・フェルハードが私を落ち着かせてくれた。まずはしっかりと休んで、次に備えたい。どこまでこのジャージを守れるかは分からないけど、どんな結果になっても全力を尽くした結果であることは自分自身が一番感じられると思う」

ジロ・デ・イタリア2022 第11ステージ結果

ステージ結果

1 アルベルト・ダイネーゼ(チーム ディーエスエム、イタリア) 4’19’04”
2 フェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ、コロンビア)ST
3 シモーネ・コンソンニ(コフィディス、イタリア)
4 アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)
5 カレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)
6 マーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル、イギリス)
7 エドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード、ベルギー)
8 サーシャ・モードロ(バルディアーニCSFファイザネ、イタリア)
9 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス、ドイツ)
10 ローレンス・ナーセン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)

個人総合時間賞(マリアローザ)

1 フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン) 46:43’12”
2 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)+0’12”
3 ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)ST
4 ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)+0’14”
5 ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+0’20”
6 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+0’28”
7 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’29”
8 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)+0’54”
9 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+1’09”
10 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+1’22”

ポイント賞(マリアチクラミーノ)

アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)

山岳賞(マリアアッズーラ)

ディエゴ・ローザ(エオーロ・コメタ、イタリア)

ヤングライダー賞(マリアビアンカ)

フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)

チーム総合

ボーラ・ハンスグローエ

▼【保存版】ジロ・デ・イタリア2022スタートリスト&コースプレビューはこちら

ジロ・デ・イタリア2022

 

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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