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新型プロペルをハシケンが試乗、直線番長から軽い万能型エアロロードへ進化|GIANT

8月19日に発表されたジャイアントの新型エアロロード「PROPEL ADVANCED SL(プロペル アドヴァンスド SL)」。鈴鹿ロードに展示され、注目を集めるなど日本に上陸したばかりのこのプロペルを、自転車ライターのハシケンが試乗、そのレビューをお届けする! その実走の感触とともに、フレームやホイールなどのディテール情報もお届けする。

「次世代エアロロードのマイルストーンになり得る傑作」(ハシケン)

この夏、ジャイアントが4年の歳月をかけた第3世代プロペル(2023年度モデル)を発表。そのフラッグシップモデルにあたる「PROPEL ADVANCED SL(プロペルアドバンスドSL)」は長い開発期間で立証した比類なきエアロダイナミクスと、プロ選手からのフィードバックを生かした剛性バランスを実現したモデルだ。昨今各社がエアロ化を推進するなかでも驚くべき進化を遂げ、エアロロードとして高い完成度を実現した。これは次世代エアロロードのマイルストーンになり得る傑作ではなかろうか。

フレームの各チューブに徹底してカムテール形状を取り入れた設計は前作同様。しかし、そのフォルムは全体的にシェイプアップされ、前作のプロペルとは雰囲気が異なる。とくにリアセクションのボリュームダウンはTCRシリーズにも近い印象さえ与える。

ツールで区間2勝をおさめたバイク

スプリンター色の強いバイクエクスチェンジ・ジェイコをスポンサーするなかで選手からのフィードバックもあり、新型プロペルはさらなる重量剛性比を獲得している。2022年、ツール・ド・フランスではこの第3世代のプロペルに乗ったディラン・フルーネウェーヘンとマイケル・マシューズが勝利を収めている。

サイズ(710mm)のフレーム重量は920g、フォーク重量395g。前作よりさらに軽量化を果たしつつフレームセット全体の剛性を9.2%、ペダリング剛性を7.5%高めたことで、重量剛性比は前作から26.4%も向上しているという。

さらなる軽量化と剛性アップ。これはジャイアントに限らずバイクの進化をわかりやすく示すセールスデータとも言える。さらにジャイアントというメーカーはライバルメーカーのデータ比較も明示しながら自社の優位性を示すことが恒例だが、新型プロペルで注目すべきは、リアエンドからシートポスト上部までの柔軟性が前作比で85%も高めている点だろう。これらデータが示す新型プロペルのバイク特性を見ていこう。

ちなみに、先入観にとらわれないためインプレッション時にはこれらのデータは仕入れずに実施した。結局データはデータでしかなく、必ずしも我々アマチュアサイクリストが乗ったときのフィーリングと合致するとは限らないためだ。

「スピードが最も重要とされる場面で光る究極のマシン」

まずペダルの踏み込みに呼応するように、肉薄カーボンチューブの乾いたフィーリングが返ってくる。ヘッドやダウンチューブの高い剛性に支えられる形で、フロントセクションには高い安定性があり、ペダリングパワーをしっかりとバイクに伝えやすい印象だ。エアロロードらしい直進安定性ももたらしてくれた。前作プロペルはとにかく直進安定性が高次元であったが、その特性がしっかり引き継がれている。しかしながら、バイクコントロール性や軽快性は、新型プロペルで大幅にブラッシュアップしている。

直進平坦番長から、真の「万能型」へ!

前作は言ってしまえば「直線平坦番長」だったが、新型はエアロダイナミクスのバランスが飛躍的に向上している。低めの出力で踏み込んでも、バイクの重さを感じず自在なコントロール性。そのフィーリングはオールラウンドモデルのTCRにも近い。実際、得意とするシチュエーションも平坦だけでなく、高速ダウンヒルや登坂シーンなどシーンを問わない、まさに「万能型」。実走したからこそ、これがよくあるエアロロードのうたい文句ではないことがわかる。

また、細身になったシートチューブはしなりをしっかりと生かし、生粋のエアロロードとは異なる快適性を約束している。単純に座り心地がいいだけではなく、高まったリアセクションの柔軟性がチェーンステーを介してスムーズな推進力を得やすい。あらゆるパワー域で一定してペダルを踏み抜きやすく、ミドルパワーでのクルージングも、ハイパワーのダンシングも痛快だ。高剛性のフロントセクションとリアの柔軟性。双方が破綻することなくしっかり役割を担っている。このようにプロペルとしてのたしかな進化を感じつつ、万能型TCRにも性格が近い印象を持つ。

TCRの性能とクロスオーバー。抜群に完成度の高いエアロロード

新型専用のエアロコックピットは、ハンドルバーの角度の微調整が可能だ。専用開発されたバーとステムは別体型。空力を無駄にしない程度に現実的に前後10〜20mm程度のハンドルの角度調整ができる点はうれしい。さらに、コーナーやダウンヒルでのコントロール性も、エアロロードとは思えないほどナチュラル。しっかりライダー自身でバイクを操っている感覚を楽しめる。

カーボンスポークを特徴とするカデックス50ウルトラディスクカーボンホイールとエアロタイヤに支えられた足回りの恩恵も大きい。フレームと面一になる専用設計のエアロボトルケージにも空力への徹底したこだわりを感じられる。ダウンチューブ用とシートチューブ用でそれぞれ設計が細かく異なっている。

(試乗を終えて)完成車実測重量で6.85kg(ペダルなし・Sサイズ)を実現した新型プロペルアドバンスドSL0完成車は、フルモデルチェンジにふさわしい完成度を誇っていた。ジャイアントのDNAとも言えるTCRの性能とクロスオーバーする性能を有しつつ、従来の直進安定性はブラッシュアップしてきた新型プロペル。さすがジャイアントというべきか、プロペルを抜群に完成度の高いエアロロードへと昇華させてきた。

注目すべきグラフィックをチェック!

ロゴデザインを一新

メタリックな「マットブラックダイヤモンド」カラーに映える大判ロゴデザイン。GIANTの頭文字Gをモチーフに刷新されたスタイリッシュなヘッドチューブロゴが光る。

フレーム形状が新しい翼型形状「トランケイテッド・エリプス」に

エアロシステム・シェーピングによって、ダウンチューブ、シートチューブ、シートステイなど、フレームセットの主要な部分に、トランケイテッド・エリプス(翼型の後部を切り落とした新しい形状)を採用。

コックピットがよりエアロ化された

簡単にアーレンキーでアジャストできるCONTACT SLR AEROハンドルバーはフラットトップ型でフィッティングを高め、ステムまで含めたケーブルフル内装はエアロダイナミクスに大きく貢献。

独自のオーバードライブを継承、フレームの各所で剛性アップを図る

ステアリングコラムは上側に1-1/4インチ径、下側に1-1/2インチ径のヘッドセットベアリングを使うオーバードライブを引き続き採用。ヘッドチューブ、ダウンチューブ、ボトムブラケット周辺を改良しボリュームアップ。各所の剛性をアップしている。細くなったシートチューブまわりと相まってメリハリが効いたフレームデザインに。

これまでよりも細くなったチューブで新たな規格に対応

シートチューブ、チェーンステー、ISPはすべて再設計され、前世代のPROPEL ADVANCED SLと比較して細径チューブを採用。フレームとフォークのクリアランスを拡大したことで、最大30mm幅のタイヤの装着を可能にして、よりスムーズなライディングを実現。

PROPEL ADVANCED SL 0

標準価格:1,595,000円 (税込)
サイズ : 680 (XS)、710 (S)、740 (M) mm
重量 : 6.8kg(740mm)
コンポーネント:SHIMANO DURA ACE Di2 電動
ホイール:CADEX 50 ULTRA DISC TUBELESS
カラー : スターダスト
※SL は電動コンポーネント専用設計

▼製品のテクニカルデータはこちら
ツールで話題の新型「PROPEL(プロペル)」、ホイールやハンドルも同時発売|GIANT

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2022年08月19日

インプレッションライダー ハシケン

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

問:ジャイアント https://www.giant.co.jp

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ハシケン

Bicycle Club / スポーツジャーナリスト

ハシケン

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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